黄金(きん)と壮麗の華

リナ

Wonder番外編・あとがき

読んで下さり、ありがとうございます。
今回は番外編です。
お楽しみ下さい。


あれから三年後

麗花)「琥珀、もういいよ。私、もう大丈夫だから。」

琥珀)「うん。じゃ、二回目だけど………好きです。付き合ってくれる?麗花。」

麗花)「うん!よろしく!」

あれから三年間も待ち続けた琥珀はとうとう麗花に告白をして、成功させた。

琥珀によると、麗花がレオンとのことをうまく整理するための時間だったらしい。

麗花の気持ちの整理がつくまではいくらでも待つ、と即答した琥珀はちょっと格好良かった。


私はというと、ずっと好きだった蘇芳に告白され、付き合っていた。

あ、ちなみに凜紅と蒼馬と楓は早く彼女作ろうってお互いを慰め合っていたよ。


あんなことがあったなんて嘘のように、平穏な日々が戻ってきて、麗花にも笑顔が戻った。

ルイはというと、今は麗花のもとで償いのために働いているのだそう。

これからも私たちの普通の日々がずっと続きますよーに!と強く願っている。



ハイトとの出会い(麗花目線)

今から十年前

麗花)「今日は寒いね………。」

「ねぇ、あの空から落ちてきている白いものは何?」

部屋の窓から外をキラキラした目で眺めていた麗花は近くのメイドに聞いた。

「お嬢様、あれは雪です。触ってみてください。手に溶けますよ。」

そのメイドは微笑みながら、問いに答える。

麗花)「わぁ!すごいね!外に散歩しに行ってもいい?」

「少しだけですよ。私と一緒に行きましょう。」

そうして麗花はメイドと外に出た。



麗花が外に出ると、隅の方にうずくまっている人影が見えた。

麗花)「ねぇ、あの人、寒そうだよ。」

メイドは麗花のその言葉を聞き、その人影を見ると、さっと顔色を変えた。

「駄目です。あの人には近付いてはいけません。あっちの方へ行きましょう。」

メイドはそう麗花を促す。

しかし、麗花は言うことを聞かなかった。

メイドの注意喚起も聞かず、その人影に向かって声をかける。

麗花)「ねぇ、大丈夫?そんな所で寒くないの?」

話しかけられた男は鋭い目つきで麗花に視線を移す。

その目は飢えた獣のようで、くれない色に染まっていた。

「お嬢様っ、いけません!その人から離れてください!」

メイドは焦った様子で麗花を逃がそうとするが、麗花は男に怯えもせずに呑気にじっと見つめていた。

麗花)「あなたの瞳、綺麗ね……。ねぇ、名前、なんて言うの?」

案の定、男は驚きの表情を浮かべる。

今まで恐れられてきたのだろう。

麗花の態度をとても不思議そうに見ていた。

その後、ボソッと呟く。

「私の……名前は……ハイト………です。」

麗花)「そう!ハイトッ、あなた、家は?」

「な……いです。」

麗花)「じゃあ、あなた、うちにくる?」

「お嬢様っ、それはなりません!この人は……」

メイドははっとしたように叫ぶ。

麗花)「分かってるよ。吸血鬼、でしょ?しかも純血種の。」

「わかっておられたのですか?なら、尚更!」

麗花)「でも、ほっとけない!こんな暗くて、寒い場所に一人でいるのって辛いよ。」

「だから、私がこの人を連れて行く!私の血をハイトにあげる。そして、私がハイトのことをちゃんと制御仕切れれば、何も問題ないでしょ?」

「それは………。」

メイドがどうすればいいか悩み続けている間に麗花は行動を実行していた。

麗花)「ハイト、私の血、飲んで良いよ。」

麗花は持っていたナイフで自分の手に傷をつけるとその傷口をハイトの前に差し出す。

「飲んで。」

ハイトはその傷口から溢れる血に魅了されたようにその血を飲み出した。

麗花の血を飲んだ後、ハイトは満たされたような目で麗花をじっと見た。

麗花)「じゃ、行こっか、ハイト。」

この出会いで会ったこの二人は、十年後の今でも一緒にいることとなるとは、その時の私には予想出来なかった。


あとがき

私の作品をここまで読み進めてくれたのみならず、番外編まで読んで下さった画面の向こう側のあなた様!本当にありがとうございました!

初投稿作品ということで、なかなか書きたいことがまとまらなかったり、それをうまく文章に出来なかったりと、不甲斐ない点ばかりでしたが、なんとか最後まで書き終えることが出来たので良かったです。

この作品はこれで終わりとなります。
もし、私の作品に興味を持って頂けたのならば、次作、書くことを考えています。
そちらの方も見ていただけたら幸いです。

次作「余命一年の儚き少女の神になるまでの物語」。よろしくお願いします。



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