黄金(きん)と壮麗の華

リナ

Wonder 現在編- 3 通り魔の依頼

読んで下さり、ありがとうございます!
それでは本編始まります!


麗花が探偵チームに入ってから、早くも2週間が経った頃、世間は最近周辺で有名な通り魔の話で持ち切りになっていた。

先生)「皆さん、この頃は5人程人を殺している通り魔がまだ捕まっておらず、世間は物騒です。
ですから、気をつけて下さい。」

先生)「では皆さん、ごきげんよう。」

キーンコーンカーンコーン

下校のチャイムが鳴ると、私は麗花のところへ駆け寄った。


碧)「麗花~!今日は一緒に帰ろう。何かあったらと思うと怖くて・・・」

麗花)「いいよ。あれっ、でも意外だね。
てっきり、探偵チームに通り魔の依頼がきてると思ったんだけど……」

碧)「ああ、うん。きてると思うよ。
ただ、今回は危険だから、女子は参加しなくていいって。」

麗花)「それって、今からでも止められる?」

碧)「なんで?」

麗花)「この事件は止めた方がいい。なんか嫌な感じがする。」

碧)「麗花?」

麗花)「と、とにかく連絡取れる?」

碧)「わかった。電話してみるね。」

プルルル プルルル

いつの間にか、人の少なくなっていた教室に電話の音が鳴り響く。

碧)「出ないなぁ。麗花、どうする?」

麗花)「蘇芳達がどこにいるか分かる?」

碧)「だいたいの検討はつくけど…」

麗花)「じゃあ、行ってみよう。」

碧)「わかった。行こう。」



「・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・。」

もう、けっこうな時間歩いた。

心当たりのある場所を探したがなかなか見つからないでいる。

たぶん、すれ違いになっているのだろう。

さっきから続いているこの沈黙が嫌で、私は口を開いた。

碧)「ねえ、麗花。もうほとんど、探したよ…どうしようか?」

麗花)「そう、だね…もう日も暮れそうだし、帰ろっか。」

碧)「うん。無事だといいけど……」

麗花)「明日、居なかったらもう一回探そう!」

碧)「うん!じゃあね。」



次の日

麗花)「碧、おはよう。昨日電話してみたら、蘇芳達無事だったよ。」

碧)「ほんと?よかったぁ……」

麗花)「で、今日も集まろうって…」

碧)「そうなの?なんか収穫あったのかなぁ…」

麗花)「うーん、どうだろ…とりあえず、今日は一緒に帰ろう。」

碧)「そうだね。」



キーンコーンカーンコーン

聞き慣れた下校のチャイムが鳴った。

私は麗花と一緒に探偵チームの事務所へ向かった。

ピンポーン

ピンポンを押すと、いつも見慣れた蘇芳達の顔が出てきた。

[よかったぁー、本当に無事だったんだ……]

と安堵していたら、思わず涙ぐみそうになる。

[やばい、やばい!こんなんじゃまた蘇芳にからかわれる。]

なんて思っていたら、麗花が私の様子に気が付いた。

任せて、という感じにウインクをしてくる。

麗花)「みんなが無事かどうかって、心配したけど、よかったぁー。無事だったんだね!」

蘇芳)「ああ。心配かけて悪かったな…とりあえず、中入ろうぜ。」





麗花)「で、結局調査はどうなったの?」

蒼馬)「ああ。それが、何の手掛かりも見つからず、お手上げ状態だったんだ。
この事件を依頼してくれた方には、申し訳ないけど、謝罪しておくよ。」

麗花)「そうなんだ。これからは、こういう危険な事件は引き受けるかどうか考えないとね…」

凜紅)「そうだな。で、また違う依頼で飼い猫を探して欲しいらしいんだけど、明日は大丈夫?」

碧&麗花)「「もちろん!」」

琥珀)「じゃあ、明日も今日と同じぐらいにここに来て。早めに探した方がいいでしょ。」

碧)「わかった。なるべく早く来るね。」

麗花)「何か必要な物ってある?」

蘇芳)「ああ、特にはないけど・・・・・・。」




こうして、何事もなく終わったこの日の私達は、これからのことなんて知るよしもなかった。


読んで下さり、ありがとうございました!
次話もよろしくお願いします!



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