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第32章  妖精と小人と変態もの

タイムリミットは次に小人が攻めて来る前・・・明日の明朝
急ぎ準備を整えた俺達突入組は
夜の闇に紛れて城に向かって飛翔する

妖精の城の天守閣である最下層に到着した俺達三人は
物陰に隠れて作戦を開始する

「しかし拍子抜けするほど簡単に侵入出来ましたね」
「そこまでの知能が無いというのもありますが、まさか人間が空を飛んで侵入してくるとは思わないでありましょうな」

城の中の作りは外観通り逆さま
天井の足取りが悪い木の上を歩くため
俺は地面に生えたスカイランタンを避けフラフラしながら先に進む
通路のど真ん中にあるから邪魔な事この上ない

「こんな構造で妖精は不便じゃないのか?」
「妖精は足を使わないでありますからねー、ただ小人の為に少しは改良してあるみたいでありますよ?」

そう言いながらロッテが縄梯子を蹴ると、縄梯子が上空の床に向かって落ちていく
確かに空を飛ぶ妖精には不要な物だな

俺は真新しい縄梯子を登って次の階に進む

途中エンカウントする事なくサクサク城の中枢まで登ってきた俺達は、誰かの話し合う声を耳にして足を止める

「誰かいるみたいでありますな」

そう言いながら襖を少し開けて中の様子を確認したロッテが微動だにしなくなる

「どうした?敵は何人だ?」

急かすように中を覗いたグレイの動きが止まる
なんだ?何が起きてるんだ?

俺は興味半分、おっかな半分に中を覗くと
数匹の小人と妖精、それに見慣れた人物が視界に映る

「リーダー、オイラこれから上手くやれるか心配で心配で」
「あらぁん!貴方達はよくやってるわ!」

そう言いながら小人の背中を優しく叩き妖精の頭を撫でる全裸の人間種

「完全に忘れてたであります」
「上手く溶け込んでるみたいですし放っときませんか?」

俺が開いた襖をそっと閉じると
中から勢いよく開け放たれる
 
「あらぁん!それはないんじゃないの!?」
「おい変態!あんまりデカイ声だすな!こっちは潜入ミッションなんだ!」

というかなんで俺達の存在に気づいたんだ?

「そんなの匂いに決まってるでしょう?」

ナチュラルに人の心を読むんじゃないよ!
というか俺はそんなに匂わないよな?

少し不安になって自分の袖口を嗅いでいると
ロウと話していた小人と妖精が目を見開いている

「し!しんにゅう!?」

しかし叫ぶ前にロウが静かにするようにジェスチャーを送る

「ど・・・どういう事だ?あんたは妖精種じゃなかったのか?」
「ええ、アタシは人間種のロウ、シジャク・ロウ、貴方達の敵よ」

小人と妖精はロウの言葉に信じられない物を見るように目を見開く
俺はこの変態を妖精と見たあんたの目が信じられないよ
未だ現実を受け入れようとしない小人を観察しながらロッテが呟く

「しかし妖精種と同盟を組んでいる割に服は着てるでありますね」

そういえばこの国では全裸が基本スタイルだったな
という事はこいつは変態という事か?

「ち!ちが!オイラ達は変態じゃない!仮に変態だとしても変態という名の紳士だよ!」

俺の冷たい瞳を見て小人が慌てて弁明を図る

「大体妖精種と小人種は同盟を組んでなんかいないぞ!」

小人の台詞にロウ以外の全員が首を傾げる

「あれ?でも妖精と一緒に俺達の街を攻めてきましたよね?」
「・・・オイラ達も人間種とやり合う気は無かったんだ」

うつむきながらポツポツ呟く小人
それに同調するように妖精が顔を顰める

小人の話を要約すると
どうもいつものように妖精種と小人種が戦争をしていた時
悪魔の王が戦争に乱入、小人種と妖精種を全滅させた後、リスポーン地点を占拠
もしも言う事を聞かなければ生き返っては死んでのはめ殺しをすると宣言されたらしい

小人の話を聞いたグレイが重々しく口を開く

「しかしその悪魔の王っていうのも考えたな、それならレベリングし放題じゃないか」

全くもってその通りだな
俺はグレイの言葉に同意しようとして
他から浴びせられている冷たい瞳を見て同意するのをやめる

「悪魔の王・・・悪魔というだけあってなんて恐ろしいやつなんだ・・・」
「え?アズ本気で言ってんの?」

グレイが心配そうに俺の顔を覗き込む
お前はもうちょっと周りを見たほうが良いぞ?

「しかしそうなってくると俺達の目的が変わってくるぞ?」

「妖精種と小人種が人間の街を攻めてくるのは悪魔の王のせい・・・だとすると俺達の目標は悪魔の王をなんとかするって事か?」
「な!それは無理であります!悪魔種は他の種族と比較にならない次元の強さを持ってるであります!」

そうなのか?

「うむうむ!貴様ら雑魚は精々我らの怒りを買わぬように大人しくしておるが良い」
「む、そこまで言う必要はな・・・な?」

俺は背後から厳しい言葉を発する男に反論しようとして言葉を失う

視線の先では、恐ろしく白い肌に黒いマント
長身細見の男が牙を剥き出しに笑っている

「ワーハッハッハ!我が城に妙な反応があると思ってきてみれば!下等なゴミ種族共がいるではないか!」

悪魔の王の笑い声と共に何故か全身の力が抜けて体が震えだす
そんな俺の様子を見たグレイがガラクタボウを構える

「ここは俺に任せな!」
「ワーハッハッハ!虫でも止まったか?」

全てのステータスが-になったグレイの一撃に全く動じていない悪魔王

「ちなみにさかさまの鏡は自由に発動の切り替えが可能であります」

なるほど
つまりあそこでイキってる雑魚と悪魔王のステータスは天と地ほどの差があると
グレイは無言で口をムニムニさせると中空で手を動かしだす

「く!ログアウト出来ない!?」

ボスからは逃げれない
逃げれないと悟ったグレイがせめてもの抵抗をしているが、悪魔王の無慈悲な一撃で頭と体がおさらば
俺の目の前にゆっくりグレイが飛んでくる

「くそ!悪魔の王ってのは化け物か!?」
「いや、俺からしたら生首だけになっても生きてるお前も十分化け物だぞ?」

俺は顔を青くしながらも、ゆっくり状態で猛り狂うグレイをそっと持ち上げる
しかしなんで生きてるの?とか血は出ないの?とか色々ツッコミたい所は多々あるが今は置いておこう

「あのHPだけは無駄に高いグレイが一撃でやられた?」

悪魔の王の底見えぬ力に身震いする

「ワーハッハッハ!我を前にして余所見とは中々良い度胸をしているではないか?」

俺は目の前から聞こえる男の声に即座に飛び退く
しかし目にも留まらぬ速度で顔を掴まれる

「アイアンクロあだだだだ!?」
「おっと?軽く掴んだだけなのだがな?」

軽く掴んでこれとか!?
ミシミシと音が聞こえてきそうな感覚を覚えながらも俺の頭を掴む悪魔の王の腕を蹴る

「ワーハッハッハ!我が手から逃れるのが先か死ぬのが先か!・・・むぅ?貴様面白い魂をしているな?」

徐々に力を強くしていた悪魔王が訝しげに俺の顔を覗き込む

「なにやら色々混ざっているな・・・?面白い!我が解いてやろう!」

悪魔王の手から俺の頭に何かが流し込まれる
それと同時に気持ちの悪い感覚が押し寄せてくる

「それ以上はアタシが許さないわよ!」
「ええい!邪魔だ!」

悪魔王に飛び掛った変態が壁に叩きつけられる
ろ・・・ロウ・・・!

「あ!私は用事を思い出したので帰るでありますね!」

・・・おい、そこは助けろよ
どこぞのクソエルフが出口に向かって全力疾走しているのを片目に
俺は頭に流れる激痛に絶叫する事になった

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 <ヴァンプ>
 <Lv99(カンスト)
 <HP999+ MP999+ 力200+ 防御150 知力150 俊敏200+ 運100

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