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第30章 Gフライって?

ある日いつもの様に厨房で昼食の仕込みをしていた俺は国王に連れられてなんかでかい部屋に連れて来られ
好奇の目で見られていた
ちなみに国王はとっくに椅子に座って俺の様子を見ている

・・・これはどういう状況だ?
俺は席についている6人の中で見知った顔に話しかける

「なぁなぁマーク、これは何の集まりなんだい?」
「これは大貴族会議デース」

大貴族会議?なんか大仰な名前だな
マークは大きく頭を横にふると補足を入れてくれる

「グラフでは大きな問題が起きた時、我々五大貴族が集まっていたのデース」

なるほど

「なら俺は帰って良いんだな?」
「ダメデース!ユーも六人目の大貴族として参加が義務付けられてマース」

くそ!面倒な事になってやがる!

「というか俺は大貴族に任命されてから3年呼ばれた事は無かったぞ?なんで今更」
「この国では7歳を生き延びた子供達は成人と認められるのデース」

なんだ生き延びたって・・・7歳は何かあるのか?
訝しげな表情を浮かべていた俺に茶髪の冴えないおっさんが話しかけてくる

「その淀んだ瞳・・・君が噂のヒューマ卿だね?」

おい、いきなり人の瞳を淀んでるとはどういう事だ?
しかしなんだこのおっさん?どことなく誰かに似ている気がするが・・・

「その人はシープ卿、ムートンボーイのパパ上デース」

険しい顔をしていた俺にマークが小さい声で教えてくれる
あぁ!だから見覚えがあったのか!
俺は改めて茶髪のおっさんに視線を送る

冴えない顔にくすんだ茶色の髪、黒縁メガネのおっさん
おそらくスーツを着てサラリーマンと言われたら疑問を抱かないだろうその出で立ちは
とてもこの国のトップ階級の大貴族には見えない

そんなムートンパパは人懐っこい笑みを浮かべている

「ヒューマ卿はうちのムートンと仲が良いとか」

まぁいつもつるんでるし仲が良いと言えば仲ぎ良いのか?
とりあえず首を縦に振っておく

「おお・・・でしたらヒューマ卿、是非うちのムートンと「はいはいそこまで」

ニヤニヤと笑みを浮かべるムートンパパと俺の間に煌びやかな衣装の女性が割って入る
女性はムートンパパをギロリと睨むと俺に優しく微笑む

「ヒューマ卿?貴方は自分が特別な位置にいる事を自覚した方が良いわね」

特別な位置?というか誰だこの綺麗な人は?
綺麗な女性は俺の表情を見るとニコニコと頭を撫でてくる

「私はシジャク家当主、いつもうちの子が良くしてもらって感謝しているわ」

ロウの家の人か!
しかしうちの子ってロウのお母さんなのか?
ウチの母も大概若く見えたがこの人も随分と若いな・・・
お姉さんでも通用しそうだが・・・どっちにしても全く似てない
というか何歳だ?

「あら?私は妖精の国の住人みたいなものだから永遠の15よ?」

考えを読まれてしまったようだ
というか自分を妖精呼ばわりする所やっぱりロウの血縁なんだな
何か納得した俺が前を向く

「それで?今日は一体何が起きたのですか?」

俺達のやり取りを静かに眺めていた男が声を挙げる

「あの方はスニーキー家の当主・・・通称ビッグボス、デース」

例によって小声で教えてくれるマーク

あれがアレンのパパさんか
なんかCQC使ってきそうだな

国王はアレンパパの言葉に首を縦にふるうと
重々しく口を開く

「昨今我が国では食という新たな文化が発展した事は知っておるな?」

会議室の俺以外の人間が首を縦にふる
え?そうなの?

「それに伴い我が国では数年ぶりの・・・食料難が続いている」

淡々と状況報告を始める国王

なんか重要な案件らしいが・・・
まぁそれはそれとして
俺は国王の話を半分に後方を見る

「なんであの二人は当たり前の様にいるんだ?」

視線の先には我らがけむくじゃらお化け事ドルガさんと付け耳娘ルピーの姿

「あの二人はヒューマ卿の側付きとして配属されてマース」

いつの間にそんな事に・・・というかマークにヒューマ卿と呼ばれるとこそばゆい物があるな

「それで、皆の者、何か案はあるか?」

いつの間にか終わっていた国王の言葉に沈黙が訪れる

ん?なんか皆んな何も思いつかないと言うより・・・
周りの出方を伺ってるようなそんな雰囲気を感じる
なんだろう、貴族のやり取りってやつか?
ここは便乗して様子を見ておくか

そんなお互いを牽制し合う大人達と子供達の中
一人の少女が机にメモを置く

[ゴキブリの食感はエビと同じらしいです]

ルピーのメモに全員が沈黙する
この子は何を言っているんだ?

しかしルピーのメモは止まらない

[ゴキブリはその辺に沢山います、食料問題解決]

いや、皆んなそれを食料と思ってないからね?

[そしてゴキブリの食感はエビに似てる]

ふんふん、それで?

[エビフライが食べたい]

なるほど
つまりゴキブリでフライを作って欲しいと

冗談じゃない
というか周り見てみ?皆んなもドン引きしてるから

「オーウ!エビフラーイとは何ですか?」

ゴキブリという単語に険しい顔をしていた
コンドル家の当主、マーク様が興味を抱いてしまったじゃないか

[エビフライ、金色の衣に身を宿し、外はサクッと、中はプルン・・・一度食べたら忘れられない味です]

ルピーのジェスチャー交えた本当に美味しそうな説明に、マーク以外の大貴族も喉を鳴らす

「それはそれは・・・ヒューマ卿、今度新鮮なエビを用意させますので是非」
「それは構わんが今は食料難が続いてるんだろう?」

貴族の娯楽の為にエビなんて高級品を手に入れる財力があるなら
平民の食糧事情の解決に財力を割くべきだろう

俺の言葉に明らかにションボリする大人達
そんな中ルピーがメモを再度机に叩きつける

[その為にもゴキブリ]
「いや、だからそれは「良いかもしれませんね」

・・・は?
俺は大口を開けて他大貴族を見る

「確かに食料難も解決出来かつ美食にありつける、名案かと」

他の大貴族が首を縦に降る
おいおいまじか?この国はどこに向かう気なんだ?
正直あんなの見るのも嫌なのに調理なんて絶対無理だぞ?

「では、この案件はこれにて解決、ヒューマ卿は早速調理を開始するのだ」

国王も納得したのか会議を終わらせようとしている

俺は絶対無理と国王を睨むが・・・ダメだ・・・完全にメシの顔してやがる・・・

「それでは解「実は俺に秘策があります」

立ち上がろうとしていた大貴族達がピタリと止まる

俺は両手を叩くと背後に控えている料理人に声をかける

「ドルガさん、例の物はまだ持っていますか?」

俺の質問にドルガさんが首をかしげると
何か思いついたかのように急いで会議室から飛び出す

やがて帰ってきたドルガさんが小さな水槽を二つ持ってくる

「オーウ!これは一体!・・・アンビリーバボー!」

この国には無い水槽という存在に興味を抱いたマーク
そして中身を見て更に驚きを強くする

「これは・・・オーウ!サンドワームとジン魚の稚魚・・・この食糧難の時期にこれ程の高級食材を手元に残しているとは・・・流石ヒューマ卿」

マークの絶賛に少し照れながらも補足を入れる

「これはうちで育成、養殖したやつらです」
「ホワッツ!?」

これには流石の他大貴族も席をガタッと立ち上がる

「俺はこいつらの養殖法を・・・この国で広める事で食糧難を解決しようと思います」

俺の言葉に会議室がザワつく

「・・・素晴らしい提案だが、ヒューマ卿、その財産的価値を理解しているかね?」

国王の静かな問いに首を縦にふる
勿論理解しているとも

食糧難が続いているこの国で食材が高騰しているであろう事
元々高級とされていた食材は破格の値段がついているであろう事
この養殖法を広めるという事が、これらの食材の価値を下げ
これから先に俺が独占していたであろう資産を手放す事を

俺は覚悟を決めた顔で頷く

全てはゴキブリから逃げる為に

国王が俺の顔をじっと見つめると手招きする
素直に従って国王のもとまで行くと頭を撫でられる

「わしはアズちゃんの提案を推そうと思う」

子供扱いとかちゃん付けはやめろとか言いたい事は沢山あるが・・・
他の大貴族が各々賛成の意を表している

どうやら上手く話が纏まりそうだ
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ルピー  [エビフライ・・・]

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