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第29章 真影種再来!アズちゃんは遊びたい!

ある日俺は硬い床の感触を感じながら目を覚ます

「ふも!?ふももう!?」

何事かと起き上がろうとして体が動かない事に気づく

今自分がどんな状態かはわからんが・・・
二度あることは三度ある、またやつらか!

俺は焦りながらも周りを見渡しながら叫ぶ

「おい!どうせ真影種の四天王の影参とかいうやつだろ!」
「くっくっく・・・我こそは真影種が四天・・・おい!ここは大人しく名乗りを聞くのが礼儀だろう!」

うるせぇよ!やっぱりお前らか!
前回俺は影弐のせいで城中の人間にバイだと思われかけたんだぞ?

しかし護衛のルピーはどうした?・・・そうか!今日は食料調達に外出中か!

「というか何?なんで真影種は俺の体を使うの?」
「それは単純にお前の部屋が日陰にあるからだ」

そんな理由かよ!
この件が終わったら国王に日向の部屋に移動させてもらおう

「貴様には影壱と影弐が世話になった恩がある・・・国王を暗殺した後・・・無事でいられると思うなよ?カーゲカゲカゲカゲ!」

影参の笑い声と共に俺の意識が暗転する

「さぁ!この国を混沌に陥れてくれよう!」
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「まーた真影種に取り憑かれたでありますか?」
「ば!ばかな!?影に潜みし我をこうも容易く!?」

慌てながら逃げようとする真影種を
ロッテは溜め息を吐きながらフラスコに入れる

「全く、兎に角この被験体3号は私がもらうでありますら」

そう言いながらアズに背を向けたロッテの背中に軽い衝撃が走る

「おや?どうされたでありますかアズ様?」

怪訝な顔でアズの顔を覗き込むロッテ

「ロッエせんせ〜いつもありあと〜!」

アズは舌ったらずに満面の笑みを浮かべる

この瞬間ロッテに激震走る!
普段他人の事はどうでも良いと思っているロッテ
しかし何だろう、今のアズに対して抱くこの感情は

ロッテはかつてない感覚に戸惑いながらも平静を装う

「もしや真影種が何か・・・」

ロッテがフラスコの中の真影種を覗く
真影種はユラユラと、しかしあからさまに楽しんでるような雰囲気だ

「こうなったら拷問にかけてでも・・・」

そんなロッテの袖が引っ張られる

「ロッエせんせ・・・怖い顔しちゃや!!」

涙目で迫られたロッテがクラリと壁に寄りかかる

「これは・・・マズイでありますね・・・はやく真影種から情報を聞き出さなくては・・・」

ロッテは焦燥に駆られながらも
無邪気な笑みを向けてくるアズに視線を送る

「まずはこの子をなんとか・・・あ!良い所に!」

ロッテはこちらに近づいてくる二人の影を指差す

「ほらアズちゃん、あのアレンお姉ちゃんとムートンお兄ちゃんに遊んでもらっててください」
「はーい!」

ロッテはアズがアレンとムートンに駆け寄って行くのを確認するとそそくさとその場を後にする

一方アレン達は見たことも無い笑顔のアズが駆け寄って来るのを見て一歩後ずさる

「・・・ムートン君、私の目がおかしくなったのだろうか?あの濁った目をしているアズ君が綺麗な目をしているように見える」
「いや、もしかしたら僕達の頭がおかしくなったのかもしれないぞ?これは僕達の妄想なのでは」

二人が頭を悩ましている間に目の前まで来たアズがアレンを見上げる

「あえんお姉ちゃん!一緒にあそぼ!」

この時アレンに電流走り
アレンはあまりの衝撃に仰け反ったまま微動だにしなくなる

「おいアレンさん!?大丈夫ですか!?」

アレンは仰け反った体勢のまま静かに呟く

「・・・っかい」
「え?」

心配してアレンの顔を覗き込んでいたムートンが戸惑いの声をあげる中
静かに呟いたアレンは大きく頭を振りかぶると
息を荒くしながらアズに詰め寄る

「アズ君!いや、アズちゃん!もう一回お姉ちゃんと!」

そう、重度のシスコンの彼女には刺激が強すぎたのだ
しかもアズ同様5年という長い期間・・・今で3年間妹と会っていないアレンは・・・もう限界だったのだ

アズはアレンの豹変ぶりに怯えてムートンの後ろに隠れる

「おいアレンさん!アズが怖がってるだろう!」

いつになく強気なムートンがアズを庇うように前に出る

「アズちゃん!そいつから離れるんだ!見ろ!そのだらけきった顔を!お姉ちゃんの命令だ!」
「な!べべべ別にだらけた顔なんてしてねぇし!」

普段言い争い等全くしない二人
しかし今日は何やら譲れないものがあるようで

「ムートン君!はやくうちの子から離れるんだ!」
「あ・・・アレンさんこそ落ち着けよ!相手はアズだぞ!」

ムートンの言葉にアレンが静かにアズに視線を移す
アズは何が起きてるのかわからないといったように
首をかしげながらアレンを見つめている

「許す!超許す!アズ君は今日からうちの子だ!」

鼻血を流しながらムートンに摑みかかるアレン
しかしムートンも負けじと緩む顔を引き締めてアレンに掴みかかる

今にも殴り合いに発展しそうになった二人は
しかしアズの笑い声を耳にして我に帰る

二人の視線の先には、アズによじ登られて髭を引っ張られる国王の姿

「ここここ国王陛下!?これはお見苦しい所を!?」
「アズ君!はやく降りて!ほら!お姉ちゃんが一緒にごめんなさいしてあげるから!」

国王は慌てる二人を手で制すると
右腕にアズを座らせるように抱っこする

「よい、アズは孫のようなもの」

この日、ムートンとアレンは初めて国王の笑顔を見る事になるのであった


その後、ロッテによって正気を取り戻したアズは
しばらく部屋に引きこもる事になったとかならなかったとか



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