竜殺しと人殺し

あめふらし

竜たちの狙い

シオンが中立都市でヨナとの生活を始めて一週間が経っていた。
ヨナに危険性もなく少しずつ生活に支障がない程度の知識も身についていき、シオンは暇な生活を送っていた。

「第1討伐部隊の隊長がこんなところで暇してるのはおかしいだろ…」

「しおーーん、お散歩行きたいです!私」

知識も常識も少し身につけたヨナは好奇心旺盛だ、食べ物1つとってもものすごいリアクションをするようになった。

「ほんとお前はどこの誰なんだよ…」

「ん?何か言いましたか?」

「いや何も、それより散歩だろ準備して行こうか」

「もうバッチリですよっ」

準備万端と言った様子でヨナが玄関で跳ねる
誰かと関わる事をなるべく避け1人で生きてきたシオンにとってもまた
フォーグやヨナといった人物は新鮮な体験を与えてくれる存在なのだ。

しかしだからと言って前線から離れ
竜と無縁の生活を送ろうなどという気にはなれない一刻も早くヨナの記憶を取り戻し前線に復帰しなければ

流石に見慣れた街並みだ。
この街はいつも平和だ、争いなど知らず生きているように見える。
天気がよくシオンは思わず空を仰ぐその時だいつもよりも風が強く感じた

「ヨナっ!伏せろ!」

シオンはヨナを庇うように覆い被さるがしばらく前線から離れていたせいか少し反応が遅れシオンの腕を爪が引き裂いた


「竜だぁぁぁあ!」

「逃げろ!食われるぞ!」

何体もの竜が街行く人々を襲って行く

ギャァァァア

ァア…ぁぁぁぁあー!

あの時の惨劇が繰り返されるようだ。

「くそっヨナ!隠れてろ」

そういうとシオンはヨナを瓦礫の陰に隠し

竜たちに斬りかかる
飛行する下級の飛竜の高さまで屋根を伝い飛び乗ると飛竜の首を切り裂き
力を失った飛竜が落ちる前に次の飛竜へと飛び乗って行く

しかし

「がはっ…!」

シオンの背中に一体の竜の攻撃が直撃する

シオンはヨナの近くの残骸に打ち付けられ吐血する

「くそっ油断したか…こんなところで」

シオンに襲いかかった竜は他とは違う固体であり大型そして全身が赤黒くまるで溶岩のようだった。

「やっと見つけたぞ、フォルテ」

「ぁあ?おれはそんな名前じゃねえよ…クソドラゴンが」

「貴様のような雑魚には話しかけておらんわ、儂が用があるのはそちらの娘よ、竜は総力を持って貴様を連れて行く七星しちせいの決定だ」

「おいおい待てよその七星しちせいってのは何なんだよ」

「貴様に話す道理などない。
いずれ死に行く貴様などにな」

「だとしても生きてるうちは知る権利ってのがあるだろうが…よっ!」

瓦礫を踏み台に赤き竜へと斬りかかる

「なにぃ!?その傷で動けるというのか…!」

「おれは傷の治りが早いんだよ!」

赤き竜に一太刀浴びせるとシオンは相手の顔を蹴り距離と間合いを取る
今度は攻撃を見逃さまいと構えを取る
両の手で剣を握り腰を落とし身体は斜めに構える

「その構えは…王国の騎士が何故こんなところに…何故フォルテを連れている…!」

「お前はこいつの過去を知ってるのか」

「ほう貴様記憶を失っておるのか」

「私はヨナです誰のことを言ってるのかわかりませんが人違いですよ!」

「答えろクソドラゴン!!」

「儂はクソドラゴンなどど言う名ではない、七星の一人フレイルよ!」

「やっぱり七星ってのはセブンスの事かよ
竜たちの間ではそう名乗るんだな」

「貴様は見所がある匂いもするしな…生かしておいてやるだがフォルテ貴様は連れて行く…………我と共にこい

「は?今なんて…」

その時だヨナが立ち上がりフレイルの元へと歩き出した。フレイルはヨナを殺さないように優しく握ると飛び去ってしまった

追いかけようとしたが流石のシオンにも空を飛ぶ術は無く瞬く間にフレイルの姿を見失ってしまった

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