最強パーティーが異世界に転生した件。

ヤシュー。

2件目 4人の転生者な件。

んん…
よく寝た…
俺がゆっくりと目を開くと視界に光が差し込む。
……は?
いや、待て!
俺の部屋は電気を消しているし雨戸を閉めているから明るいはずがない!
なのに…何故か視界には光が差し込み驚いて咄嗟に目をつぶってしまった。

よし、整理しよう。
俺は部屋でしー(妹)とゲームをしていて疲れたから寝たはずだ。
つまり、ここは俺の部屋。
ならば明るいはずがない。
しかし、明るい。
と言うことは誰かが俺の部屋に侵入した?
しーが部屋の電気をつける?
いや、あり得ない。
しーなら俺を起こして点けさせるはずだ。

つまり、ここは俺の部屋ではない。
そうとしか考えられない。

だとしたらここは何処だ?
寝ている間に運ばれる…病院か?
それもあり得ない。
俺はこう見えて病気なんてなったことはほとんど無い。
それこそ最後に病気になったのは10年前くらいでしかもただの風邪だ。

そんな俺が病院送りになるはずがない。
だとしたら…死んだ?
うん。それが1番可能性高いな。
だって、4日くらい飲まず食わずでゲームしてたし。
ゲーム終わった後力尽きるように寝たし。
そのまま死んでもおかしくはない。

よし、整理がついた。
目を開けよう。

───俺が目を開けるとそこは雲の上?だった。
何故そう思うか?
それは立っている場所が真っ白で、ふかふかのベッドの上のようで、ジャ○ーズのライブみたいに白い煙が足下を覆っているからだ。

そして俺は隣を見ると…しーがいた。
俺の物のためぶかぶかのジャージの上に下はパンイチ。
袖から手は出ておらず…ってか腕まくっても腕細すぎてたれてきちゃう関係で腕まくりしてないからだけど…

反対隣を見たら千尋と明華璃もいた。
リアルで会うのは久しぶりだな。

「やぁ、こんにちは。」

と、上の方から声がした。
声の方を向くと赤いティーシャツに茶色い半ズボン姿の男の子があぐらをかいて宙に浮いていた。

「ふふっ、驚いた?」

男の子は笑いながらそう言って地に足をつけた。

「ボクはアステト。キミ達がこれから転生する世界の主神をしているんだ。
その世界は剣と魔法の世界!
素敵でしょう?
キミ達がプレイしていたゲームと同じような世界だよ。
楽しみでしょ?
だってさ、キミ達、元いた世界に不満、あったでしょ?
じゃないとボクの転生術は効かないからね。」

アステトはふふっと不敵に笑って俺達に言った。
確かに、俺は引き籠もり。
引き籠もるにはそれ相応の理由がある。
その理由…それがあの世界に対する不満であってもおかしくない。
実際、そうだし。
俺としーは日本人とアメリカ人のハーフだ。
だからかいじめられることもあった。
それが嫌で、人との関わりを絶った。
そんな世界に未練なんか有るわけない。
不満しかない。
だから、アステトの転生術とやらも成功したんだろうな。

「ふふっ、転生先の世界では柊斗君が感じてる周りからの疎外感は無いはずだ。金髪は普通だし。柊奈ちゃんの感じてる周りからの目も気にならないよ。銀髪だって普通にいるからね。
そして、千尋君のマンネリにも答えられる。
新しい世界だもん。毎日新しいことばっかだよ?
そして、明華璃ちゃんの時間のない世界からも解放される。
だって、向こうでは社長だなんて役職ではないからね。
のびのびと過ごせるよ?
どうかな。
皆にとって悪い話ではないと思うよ?」

アステトが俺たちを見舞わした。
すると、俺達は頷いた。
無言の承諾…と言うやつだ。

「うんうん。それじゃ、行こうか。剣と魔法の夢の世界へ。
取りあえず、転生させるに当たってボクから餞別のアイテムを送っておくよ。
魔法倉庫ストレージを確認してね。
それと、この後キミ達には自分の種族を選んで貰うよ。
せっかく転生するのに同じ人間じゃつまんないでしょ?
けど、容姿はそれに合わせて代わる程度でほとんど変わらないけどそれは我慢してね?
あ、服装は向こうに会わせた物に変えるから任せてよ。
それじゃ、後は─り─に任せ─かな。
いっ─ら────」

アステトの言葉は途中から聞こえなくなり意識が薄れていった。
転生…面白そうじゃん。
やってやろうぜ。




ここは…
俺の目の前に文字が現れた。

《私はアステト様の言葉の代弁者。》

《貴方様の心に問い掛ける存在。》

《種族を決めて下さい。》

1行1行心の中に語りかけるように文字が目の前に現れた。
するとすぐに種族の名前が現れた。

人間属
人間族ヒューマン
電脳人間族エレクトロ
吸血鬼族ヴァンパイア

獣人属
狼牙族ウルフェン
狐尾族フォクシー
猫耳族ケットシー

有翼族
龍人族ドラゴノイド
妖精女王族ティターニア
悪魔族デビル

どうやら9種類から選べるらしい。
こうなるとゲームだな。
さて、どれにするか。
名前だけでどんなものか想像がつくとは言え説明なしに選ぶのはなぁ…
そう思いつつ一番気になった吸血鬼族を選んでみた。

吸血鬼族
血を操る『高貴なる闇の一族』。
高い魔法適性と技術力、生命力を有し寿命が長く、強靱な肉体を持つ。
しかし、闇の一族だけ有り昼間は苦手。

タッチすると説明見れるのか。




あれからどれくらいたっただろう。
俺はすべての種族の説明を見た。
うん。
吸血鬼族にしよう。
魔法とか使ってみたいし。
説明的に強そうだし。
何より中二心をくすぐるよな。
闇の一族とか誰もが「我こそは闇の支配者なり!」とか言ってあこがれるもんな。
うん。
俺は吸血鬼族にする。
俺は吸血鬼族を選ぶとまた意識が遠のいた。




これが、俺達の冒険の始まりだ。

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