クリエイトモンスターズ 〜異世界でモンスター育てて生き延びます!〜
19.決意と結果
「シェイラさん、こっち向いてくれ!」
「フィルフィちゃん、今日も可愛い!!」
「トーリェさん、俺を踏んでくれ!」
……相変わらずの人気っぷりね。伯爵の令嬢なのに、冒険者に憧れて家を飛び出した紫髪で踊り子のような服を着ている、シェイラ・フロイスト。
桃色の髪と大きな胸を持って動きづらそうなのに、チームの斥候役として動いてくれるフィルフィ。
白に金色の刺繍が入った僧侶服を着ている女性。見た目は優しそうなのだけど実はSのトーリェ。
私が抜けた後にはメンバーを増やしていないようだけど、他の町にもその名を轟かせるAランクパーティー。
3人は気にせずにギルドを出ようとして、そして私に気が付いた。私を見て頰を綻ばせるシェイラ。他の2人も似たような雰囲気だ。
「セラ、王都に帰って来ていたのですね! 久し振りです!」
「……ええ、久し振りね、シェイラ。フィルフィとトーリェも。みんな元気そうで良かったわ」
「ええ、みんなもうあんな後悔をしないようにと頑張ったのです! セラ、あなたはまだあの事を?」
シェイラの問いに私はつい目を逸らしてしまった。あの事……私がこのパーティー抜ける原因となった事。私の雰囲気を見て察したのか
「……何度も言いますが、あの事はあなたのせいではありません。力不足だった私たち皆のせいなのです。それなのに、セラ1人で背負う必要はありません。パーティーに戻って来ませんか?」
「……ごめんなさい。まだ、気持ちの整理が出来ていないの。でも、ありがとう。その言葉でも十分救われたわ」
私がそう言いながら微笑むと、シェイラは困ったような笑みを浮かべながらも、納得してくれた。そして、私の後ろにいる葵たちを見て微笑む。
「今はその子たちが大切な仲間なのね?」
「ええ、今はこの子たちとやらないといけない事があるのよ。だから……」
「わかっていますよ。セラの心が決まるまで私たちは待ちます。それでは行きましょうか」
シェイラの言葉を最後に3人はギルドから出て行く。3人は感謝しかないわね。こんな私を今でもパーティーとして誘ってくれるのだから。1人で考えていると
「大丈夫、セラ?」
「どこか痛いの? ウィル撫でる?」
「わふ」
私の事を心配してくれてか、スミカとスミレが心配そうに見上げて来て、スミレは腕に抱くウィルを差し出して来る。ウィルもどこでもいいよー、という風に私を見ていた。もう、可愛い子たちね!
「きゃっ!」
「わあっ!」
「わふっ!」
私は2人と1匹纏めて抱き締めてしまった。私の腕の中であうあう〜という声と柔らかい感触が感じられる。さて、私も落ち込んでられないわ。今はテルを助けるために自分のできる事をしましょう!
◇◇◇
「今日はここまでだ。この3ヶ月間、根を上げずによく頑張った。必要最低限の教養に礼儀作法はこれで全部だ。後はその場での応用のみ。基礎が出来ているお前なら大丈夫だろう」
「おめでとうございます、テルさん!」
「ありがとうございます、ミルムさん! ミランダさん!」
僕は色々と教えてくれたミルムさんとミランダさんに何度も頭を下げる。この3ヶ月間、かなり厳しかったけど、2人のおかげで何とか覚える事が出来た。ミランダさん曰く、普通の貴族家の侍従としては普通に働けるとのお墨付きを貰う事も出来たし。
「ただ、気を抜くなよ。幾ら基礎を覚えても、その基礎ですら日々進化する。流れに遅れない事だ!」
「は、はい、精進します」
ただ、ミルムさんの礼儀に対する思いはなんでもないもので、それに関してはミランダさんも苦笑いするしかなかった。
ミルムさんは満足したのか部屋を出て行ったため、部屋の中は僕とミランダさんだけだ。
「良かったですね、テルさん。無事合格になって」
「はい! これも、ミランダさんのおかげです! ありがとうございます!」
「いえ、テルさんが頑張ったからですよ」
それから、2人で褒め合っていると、外からミルムさんの怒鳴り声が聞こえて来た。突然の声に僕もミランダさんもビクッと震えてしまうけど、これほどミルムさんが怒るなんて。
なんか嫌な予感がするなぁ。
「フィルフィちゃん、今日も可愛い!!」
「トーリェさん、俺を踏んでくれ!」
……相変わらずの人気っぷりね。伯爵の令嬢なのに、冒険者に憧れて家を飛び出した紫髪で踊り子のような服を着ている、シェイラ・フロイスト。
桃色の髪と大きな胸を持って動きづらそうなのに、チームの斥候役として動いてくれるフィルフィ。
白に金色の刺繍が入った僧侶服を着ている女性。見た目は優しそうなのだけど実はSのトーリェ。
私が抜けた後にはメンバーを増やしていないようだけど、他の町にもその名を轟かせるAランクパーティー。
3人は気にせずにギルドを出ようとして、そして私に気が付いた。私を見て頰を綻ばせるシェイラ。他の2人も似たような雰囲気だ。
「セラ、王都に帰って来ていたのですね! 久し振りです!」
「……ええ、久し振りね、シェイラ。フィルフィとトーリェも。みんな元気そうで良かったわ」
「ええ、みんなもうあんな後悔をしないようにと頑張ったのです! セラ、あなたはまだあの事を?」
シェイラの問いに私はつい目を逸らしてしまった。あの事……私がこのパーティー抜ける原因となった事。私の雰囲気を見て察したのか
「……何度も言いますが、あの事はあなたのせいではありません。力不足だった私たち皆のせいなのです。それなのに、セラ1人で背負う必要はありません。パーティーに戻って来ませんか?」
「……ごめんなさい。まだ、気持ちの整理が出来ていないの。でも、ありがとう。その言葉でも十分救われたわ」
私がそう言いながら微笑むと、シェイラは困ったような笑みを浮かべながらも、納得してくれた。そして、私の後ろにいる葵たちを見て微笑む。
「今はその子たちが大切な仲間なのね?」
「ええ、今はこの子たちとやらないといけない事があるのよ。だから……」
「わかっていますよ。セラの心が決まるまで私たちは待ちます。それでは行きましょうか」
シェイラの言葉を最後に3人はギルドから出て行く。3人は感謝しかないわね。こんな私を今でもパーティーとして誘ってくれるのだから。1人で考えていると
「大丈夫、セラ?」
「どこか痛いの? ウィル撫でる?」
「わふ」
私の事を心配してくれてか、スミカとスミレが心配そうに見上げて来て、スミレは腕に抱くウィルを差し出して来る。ウィルもどこでもいいよー、という風に私を見ていた。もう、可愛い子たちね!
「きゃっ!」
「わあっ!」
「わふっ!」
私は2人と1匹纏めて抱き締めてしまった。私の腕の中であうあう〜という声と柔らかい感触が感じられる。さて、私も落ち込んでられないわ。今はテルを助けるために自分のできる事をしましょう!
◇◇◇
「今日はここまでだ。この3ヶ月間、根を上げずによく頑張った。必要最低限の教養に礼儀作法はこれで全部だ。後はその場での応用のみ。基礎が出来ているお前なら大丈夫だろう」
「おめでとうございます、テルさん!」
「ありがとうございます、ミルムさん! ミランダさん!」
僕は色々と教えてくれたミルムさんとミランダさんに何度も頭を下げる。この3ヶ月間、かなり厳しかったけど、2人のおかげで何とか覚える事が出来た。ミランダさん曰く、普通の貴族家の侍従としては普通に働けるとのお墨付きを貰う事も出来たし。
「ただ、気を抜くなよ。幾ら基礎を覚えても、その基礎ですら日々進化する。流れに遅れない事だ!」
「は、はい、精進します」
ただ、ミルムさんの礼儀に対する思いはなんでもないもので、それに関してはミランダさんも苦笑いするしかなかった。
ミルムさんは満足したのか部屋を出て行ったため、部屋の中は僕とミランダさんだけだ。
「良かったですね、テルさん。無事合格になって」
「はい! これも、ミランダさんのおかげです! ありがとうございます!」
「いえ、テルさんが頑張ったからですよ」
それから、2人で褒め合っていると、外からミルムさんの怒鳴り声が聞こえて来た。突然の声に僕もミランダさんもビクッと震えてしまうけど、これほどミルムさんが怒るなんて。
なんか嫌な予感がするなぁ。
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