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クリエイトモンスターズ 〜異世界でモンスター育てて生き延びます!〜

やま

13.ティルニール商会

「ここが……奴隷商ですか?」


「ああ、ここは奴隷商の中でも信頼できる場所だ。ギルドマスターに感謝するんだな」 


 僕をここまで連れて来てくれた兵士のおじさんは、それだけ言うと奴隷商に入って行く。当然僕も後をついて行く。兵士のおじさんは受付の人と何かを話している。


 その間に僕は部屋の中を見る事にした。奴隷商の中は受付と待合室、そして階段があるだけだ。奴隷商ってもう少し汚らしい雰囲気があるもんだと勝手に思っていたけど、ここは物凄く綺麗だ。


 しばらく周りを見ていると、受付の人が奥の扉から誰かを連れてやって来た。年は40代ぐらいだろうか。金髪で目が物凄く細い男の人だ。見た目からして高級そうな服を着ている。その後ろには2人女性の人が付いて来る。


 1人は茶髪の女性でメガネをかけていた。明らかに仕事が出来ます! って感じの雰囲気を出している。男の人の秘書か何かかな?


 それともう1人は、緑がかった金髪を後ろでくくった女性だった。現れた女性は2人とも綺麗なのだけど、こちらの女性の方が正直綺麗すぎる。その女性に見惚れていると


「彼がティスフィアが言っていた犯罪奴隷ですか」


「はい、ただ犯罪奴隷と言っても、結果的になってしまった部分もあります。その点を売る際には考慮して貰いたいと、ギルドマスターからの伝言です」


「わかりました」


 男の人が微笑むと、兵士のおじさんは礼をして出て行ってしまった。うぅ、なんだか緊張するなぁ。とりあえず挨拶をしないと。


「は、初めまして、僕の名前はテルと言います。よろしくお願いします」


「ええ、私はこのティルニール商会の会長をやっています、クラウド・ティルニールです。あなたの話は聞きました。ある程度は便宜ははかりますが、あなたの能力次第にもなります。まあ、まずは部屋を移動しましょうか」


 そう言って部屋を移動するクラウド様。僕もその後について行く。部屋を出るとそこは通路になっていて、個室が両端に5つずつある。近くには階段もあって上にも上がれるようだ。


 クラウドさんは更にその奥へと進んで行く。左右の個室とは別に1番奥には扉があった。そこに行くようだ。


 1番奥の部屋はなんと言うか雑多な感じのした部屋だった。机もあれば台所もあり、近くには的らしきものもある。他には武器なども。どう言う部屋だろう。


「この部屋で君の出来る事を全てやってもらうよ。お客様に売るにしても、何か売りになるような特徴や特技が無いとね。まあ、見た目は普通、貴婦人から好かれそうな顔はしているし、黒髪黒目というのは珍しいからね、そこで欲しがる人はいるかもしれないけど」


 なるほど、いわゆるプロフィール情報を作るための部屋なのかここは。今から色々とやらされるみたい。というより、やっぱり黒髪黒目は珍しいようだね。


 それから、僕は順番に色々とこなしていった。料理に礼儀作法、裁縫や洗濯などの家事に武器の扱い、魔法など様々だ。


 いつの間にかクラウド様はいなくなっていたけど、秘書っぽい女性と、金髪の女性だけが部屋に残って、秘書っぽい女性が僕の結果を何かに書いていっている。その間に金髪の女性が他の準備をするって感じだ。


 僕が色々と始めてから1時間ほど。全ての項目が終了したみたいだ。ただ不思議だったのが、ここに置かれている武器が全部軽かった事だ。


 前は剣を持つのも振り回すような感じだったのに、今日はしっかりと持つ事が出来た。もしかしたら女性も持てるように軽くしているのかもしれない。でも、それだとあまり意味がないような気もするな。


 それから、全属性の魔法を放っても今までよりあまり疲れなくなったし。心なし体力も上がった気がするんだよね。何でだろうか?


「失礼します」


 そんな事を考えていたら、秘書っぽい女性……カーナさんが扉を開ける。いつの間にかクラウド様の部屋に来ていたようだ。部屋の中ではクラウド様が書類を見ていた。


「おや、確認は終わりましたか、カーナ」


「はい、これがテルの結果になります」


 クラウド様はカーナさんに手渡された紙を上から見て行く。


「簡単な料理は出来て、教えていけば他にも出来る。家事も普通にこなせて、礼儀作法は普通。文字も読めて、教えれば普通の平民よりは早く覚えると。武器全般は全く。今後次第。魔法が……ほう、珍しい、無属性ですか。私は騎士王以外は知りませんね。ふむ、これなら欲しがる方は多いかもしれませんね。昔どこかの貴族のところで召し使えていたとか?」


「い、いいえ、親に教えてもらっただけで」


 僕の言葉にクラウドさんはふむと頷くだけ。そして


「これなら、ここで売るよりも王都で売った方が高く売れるでしょうね。ミランダを連れて行く予定だったので丁度いい。カーナ、明日には出発しますので準備を」


「わかりました、クラウド様」


 それだけ言うとクラウドさんは再び書類を見る作業に入った。それを見届けたカーナさんは頭を下げて部屋を出て行く。綺麗な女性……ミランダさんも部屋を出て行くので、僕も頭を下げて部屋を出て行く。


 部屋を出た後は、メガネをぐいっと上げたカーナさんが


「それでは、まずは奴隷紋を入れに行くわ。付いて来なさい。ミランダは彼の服や部屋の準備を。今日1日だけと言っても必要ですからね」


「わかりました、カーナ様」


 ミランダさんは恭しく礼をするとどこかへ行ってしまった。そして僕に付いてくるように目で指示をしてくる。奴隷紋かぁ。痛くないと良いなぁ。

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