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クリエイトモンスターズ 〜異世界でモンスター育てて生き延びます!〜

やま

11.初めての……

 ニヤニヤと笑みを浮かべながら寄ってくる男たち。うーん、こんなテンプレはいらないのだけど、どうしよ。


「何よあんたたち。今からテルに冒険者についてテレーネが説明するんだから邪魔しないで」


 そんな僕と男たちの間にセラさんが立ってくれてそんな事を言い放つ。ついでにしっしっと手を振るおまけ付き。


 当然その事に男たちは青筋を浮かべて怒鳴りそうな顔をするが、我慢して話を進めてくる。


「おいセラよぉ。何でそんなガキに構うんだよ。俺たちの方が稼げるし、毎日可愛がってやるぜ?」


「はぁ、ふざけないでよ。誰が好き好んであなたのところなんかに行きますか。冗談は顔だけにして」


 うおぉ……いつもは優しく魔法とか色々と教えてくれるセラさんだけど、こんな厳しい事を言うところなんて初めて見た。葵と喧嘩している時でもこんなには言わないのに。


 そして、さすがにこの言葉には我慢が出来なかったずっと話しかけて来た金髪頭の男。受付台を思いっきり握り拳で叩き、割ってしまった。すげぇ〜、あんなの食らったら僕の骨は粉々になってしまうな。


「あまり調子に乗るんじゃねぇぞ、セラ。今まではシュウゼルやラグナがいたから手を出さなかったが、今のお前1人ぐらいどうにでも出来るんだぜ?」


「はっ、自分より下の男や女相手に複数人で囲まないといけないあなた程度に何が出来るのかしら? 負け犬が吠えてるんじゃ無いわよ!」


 セラさんの啖呵に金髪頭の男は顔を真っ赤にして腕を振り上げる。やばいっ! このままじゃあ、セラさんが殴られる!


 僕はセラさんが魔力を集めているのに気がつかないまま、走り出す。そしてセラさんと男の拳の間に顔が……


「がっ!」


「きゃあ!?」


 僕は左頬を思いっきり殴られ吹き飛ばされる。飛ばされた方は当然殴られた方。僕が殴られる前はセラさんを殴ろうとしていたので、吹き飛ばされるのはセラさんの方で、巻き込んで倒れてしまったのだ。


「けっ、急に間に入ってくるんじゃねえよ雑魚が。ったく、こんな奴のどこ……がぁっ!?」


 僕は倒れていてわからなかったけど、何かが殴られる音とさっきの男の声が聞こえて来た。僕は何とか立ち上がろうとするけど、頭が揺れて立てない。あー、これは顎を殴られたかな。


 何とか体を仰向けにすると、横からセラさんが心配そうに覗き込んでくる。その反対側からはスミカとスミレが同じように覗き込んでくる。何とか体を起こすと


「大丈夫、テル!?」


「お兄ちゃん大丈夫?」


「お兄様大丈夫ですか?」


 と、みんなが心配してくれる。


「うん、少し頰が痛むけど大丈夫だよ。それより……も……えっ?」


 僕が自分の頭をかきながら苦笑いしていると、とんでも無い光景が目の前に入った。それは、金髪頭の男以外が影で縛られ、金髪頭の男の頭の上に足を乗せている葵の姿があったからだ。


「ぐぅっ! ……こ、この女ぁ、ぶっ殺してやるから足を退けやがれ!」


「ぶっ殺すと言っている相手から足を退けると思いますか? お前は私の大切な主人様を傷付けた。万死に値する」


 葵はそう言いながらいつも使っている短剣を取り出す。って、あれはやばい! モンスターと戦っている時の目をしている!


 そして、足で踏みつけている男へ向かって、短剣を振り下ろす。その光景を当然見過ごせない僕は


「止めろ、葵!」


 と、咄嗟に大声で叫ぶ。葵の短剣は止まる事は無かったが、葵の短剣は男の顔に突き刺さる事なく横に逸れて床に突き刺さった。ただ、男の頰には掠ったようでスーっと傷がついた


 ……よかったぁ。葵が人を殺さなくて。僕ホッと息を吐いて葵を見ると、葵は不機嫌そうに僕を見ていた。そんな怖い顔をしないでよ。


「……どうして止まるのです、主人様? この男は主人様を傷付けたのですよ?」


「それでもだよ、葵。そう簡単に葵に人を殺して欲しく無い」


 僕がそう言うと、葵は僕と金髪頭の男を交互に見てから、渋々といった感じで男から離れる。しかし、僕の考えが甘かった。


 僕の方に向かって来ようとする葵は少し油断をしていたのか、後ろからナイフを取り出し近寄って来る金髪頭の男に気が付かなかった。


 この人も普通ならこんな人目のあるところでこんな事はしなかっただろう。だけど、自分より年下の女性に舐められて、手も足も出ないままやられて、限界が来てしまったのだろう。


 僕は咄嗟に手を前に突き出し、魔法を発動。発動したのはセラさんに教えてもらった中でも1番殺傷力が高かったファイアランスだ。


 僕の今注ぎ込めるだけの魔力を注ぎ込み発動する。1本の紅蓮に燃える炎の槍が空中に現れ、金髪頭の男へと飛んでいった。


 男は葵の背中しか見ておらず、炎の槍に気が付いたのは目の前に来た時。葵は直ぐに影移動で移動したため当たらなかったが、金髪頭の男には、顔へと突き刺さった。


 周りの冒険者たちからは悲鳴や叫び声が木霊する……僕はその光景をまるでテレビ越しから見ているようにしか見えなかった。これが自分が起こした現実だと脳が理解するのに時間がかかったのだ。


 頭半分が吹き飛び、そのまま膝から崩れ落ちる男だったもの。頭半分が吹き飛び、焦げて血すらも出なかった。


 先ほどまで怒りだけど感情を持って動いていた人が、もう二度と動かない光景を目の当たりした僕は、息が出来なくなった。酸素が吸えなくて、胸が苦しい……あれ? 呼吸ってどうやってするんだっけ?


 周りが僕の名前を叫ぶ中、僕の意識は次第に無くなり、目の前も暗くなっていったのだった。

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