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クリエイトモンスターズ 〜異世界でモンスター育てて生き延びます!〜

やま

8.無属性

「来たわよ、テル!」


「は、はい! ファイアボール!」


 僕は目の前に走ってくるゴブリンに向けて手を伸ばす。そして、魔力を流して呪文を唱えると、掌から火の球が現れた。そしてゴブリンに放つ。


 僕の放ったファイアボールは、真っ直ぐゴブリンへと飛んで行った。ゴブリンは避けきれずに両手を交差させて防いだ。


 ゴブリンはぎゃあぎゃあ喚いているけど、腕が焼けた程度。やっぱりこの程度か。


「ほら、ボサッとしないの! 次!」


 僕の魔法をくらってもそのまま真っ直ぐ走ってくるゴブリン。ええっと、つ、次は


「グギィ!」


 魔法が効かずに向かってくるゴブリンにテンパっていると、ゴブリンの額にクナイが刺さった。そして僕の隣に立つ影。


「大丈夫ですか、主人様」


 僕の大切な仲間の葵だ。葵はそのまま光へと消えていったゴブリンのいた場所は行き、先ほど放ったクナイとゴブリンが落としたドロップを拾って笑顔で戻って来た。だけど


「ちょっと、葵! どうしてテルの訓練の邪魔をするのよ!」


 と、セラさんが怒った表情でやって来た。今ここにいるのは僕と葵にセラさん、それからウィルだけ。どうしてこのメンバーだけなのかというと4日前の夜に戻る。


 ◇◇◇


「無属性……ですか?」


 今まで出てこなかった話に僕は思わず尋ねてしまった。セラさんは難しい顔をして考え込んでいたけど、僕がジッと見ているのがわかったのか微笑んでくれる。あら、可愛い。


「ごめんね、滅多に会わない属性だからびっくりしちゃって」


「やっぱり、無属性って珍しいのですか?」


「そうね。いない事は無いのだけど、みんな何らかしらの属性を持っていたりするからね。私が知っているのを合わせたら、これで3人目よ」


 うわぁ〜、そんなに少ないんだ。因みにセラさんたちは僕と同じ17歳らしい。シュウゼルさんとかもっと年上に見えるけどね。


「そのうちの1人は騎士王だろ?」


「騎士王?」


 セラさんの言葉にラグアさんが反応する。騎士王って誰? 僕が首を傾げているのを見てシュウゼルさんが教えてくれたのだけど、この森が含まれる国は『ブリリアント騎士王国』って言うらしく、今の騎士王が僕と同じ無属性何だとか……ブリリアントってどこかで聞いた事があるけど、気のせいかな?


「無属性はね、別に悪いって事じゃ無いのよ。考え方によってはかなり強い属性よ。まずメリットは、全ての属性を関係無く使う事が出来るわ」


 うおっ! それって物凄くすごいんじゃ無いのか! もしかして、僕の活躍が始まるとか!? そんな夢みたいな事を考えていたら、セラさんの言葉にそんな考えは無くなってしまった。


「それでデメリットが、どの魔法を使うにしても、普通の人が使うよりもかなり魔力を消費してしまうのよ。わかりやすく言うと、適性のある人が使う分の3倍は消費するらしいの」


「さ、3倍?」


 いまいちピンと来ない。魔法の使ったことの無い僕にはどのぐらいの量かわからない。その事を思い出したのかセラさんは僕の手を再び握って来て


「それじゃあ一回実践してみましょう。私がさっきも見せたトーチっていう火魔法を使う際には、このぐらいの魔力量を使っているわ。これでさっきの大きさぐらいの火が灯るかしら。これで魔法を使ってみて」


 と、魔力を流して来た。また熱い魔力が流れて来た。うん、大体はわかった。でも


「えっ? そんな簡単に魔法を使う事が出来るものなのですか?」


「大丈夫よ。だってあなた直ぐに魔力を流す事が出来たでしょ? あれも何回か繰り返さないと出来ないものなのよ。だから、多分魔法も出来ると思うわ」


 な、なるほど。それじゃあやってみようかな。


「まず見本を見せるわよ、トーチ!」


 セラさんは指先を僕に見せてさっき使った魔法を使ってくれる。するとさっきのようにポッとセラさんの細い指先から火が灯る。


「はい、やってみなさい」


「は、はい! すぅ〜、良し、トーチ!」


 僕も指先に魔力を集めて発動する。するとパスッと小さな音がして僕の指先にほんの微かに火が灯った。お、おおっ!


「つ、使えた! 使えました、セラさん!」


「よ、良かったわね。そんなに喜んでくれるなら私も教えた甲斐があったわ」


 僕が自分の指先を見せながらセラさんに迫ると、セラさんは少し引きながらもそう言ってくれた。でも、確かにセラさんのトーチとは明らかに大きさが違う。


 これがさっきセラさんが言っていた事かな? 本来ならセラさんが使っている分の3倍を使わないと、さっきのセラさんのトーチと同じ大きさにはならないって事か。


「あら、どうされたのですか、主人様?」


 そこに周りの見回りをしていた葵が帰って来た。僕は直ぐにトーチを発動して葵に見せる。


「ほら、葵! ぼ、僕にも魔法が使えたんだよ!」


「まあ、魔法が使えるようになったのですね! おめでとうございます!」


「うん! これで葵たちの手伝いが出来るよ!」


 僕が魔法が使えて喜んでいると


「まだまだよ、テル。それじゃあまだ魔物には傷1つ付けられないわ」


 セラさんがそう言ってくる。それから、シュウゼルさんたちの方を見て


「シュウゼル、みんな、悪いけど明日からテルを育てるから。悪いけどチーム抜けるわ」


 と、とんでも無い事を言い出した。そ、そんな、僕のせいでチームが割れるなんて。ど、どうしよう? 僕が慌てていると


「そうか、わかったよ。まあ、今怪我している魔法師の代わりに入ってもらっていたからな。仕方ないね」


 そう言って笑うシュウゼルさん。あれ? 元々仲間じゃなかったのかな? 臨時で入っていたって事?


「だから、テル。明日からしばらくこの森で魔法の練習するわよ!」


 ◇◇◇


 って、事で今も森に残って魔物相手に魔法の訓練をしているのだけど


「どうして、と言われましても、主人を危険から守るのが私の役目ですから」


「でも、それじゃあテルの魔法の練習にならないじゃ無い! 実践でこそ訓練になるのに!」


「でも、それのせいで怪我をしては元も子もありません! それにセラさんは主人様に無理をさせ過ぎです。たまに休みも挟みませんといけません!」


「それじゃあテルが成長しないわ。それから、彼を鍛えているのは私、私のする事に口出ししないで!」


 普段は仲がいい2人なのに、この僕の魔法の訓練になると何故かこう言い合うのだ。普段通り仲良くして欲しいのだけど。


「クワァー」


 ウィルは関係無しと暇そうに欠伸をするし。ど、どうしよう。

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