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クリエイトモンスターズ 〜異世界でモンスター育てて生き延びます!〜

やま

4.強化合成

「主人様、そこです!」


「わ、わかったよ! やっ!」


 僕は屁っ放り腰で剣を振り下ろす。だけど、腰の入っていないヘニョヘニョの剣ではモンスターには通用せず、僕の剣はゴブリンの棍棒に弾かれた。


 その勢いに僕は尻餅をついてしまう。僕は慌てて顔を上げると目の前には棍棒を振り上げるゴブリンの姿が。だけど、振り上げたまま動かない。その理由が頭にクナイがささっているからだ。これは葵が放ったクナイだ。


「大丈夫ですか、主人様!?」


「う、うん、大丈夫だよ」


 僕は葵に手を引っ張ってもらって立ち上がる。はぁ、全然だめだなぁ。葵たちに迷惑をかけてばかりだ。


 僕がこの世界に転生してから今日で4日が経った。未だに森の中から抜ける事が出来ずに彷徨っている。多分葵とウィンドウルフ……名前をつけてあげて今はウィルだけなら既にこの森から脱出出来ていたと思うのだけど……僕が足を引っ張ってしまっている。


 何とか足を引っ張らないように戦闘にも参加してみようと思ったけど……当然そこまで甘い話じゃなくて、その結果がこうなっているわけで。


「ごめんね、葵。足ばっかり引っ張って」


「何を言いますか、主人様。今まで戦いのなかった世界におられたのに、私たちの事を思って戦うという気持ちになって下さっただけでも、私たちは嬉しゅうございます」


 そう言って微笑んでくれる葵に自分も同じ気持ちだぞ! という風に僕の足に額を擦り付けてくる。可愛いなぁ〜。


 この4日間の生活は本当に葵たちに助けられた。森での生活に詳しい葵が色々と教えてくれた。火の起こし方とか水がない時の代わりになる実や木の樹液などを教えてくれた。


 ウィルは風を読む力があるらしく、範囲内にモンスターが入ったらわかるらしいのだ。そのため、夜もゆっくりと休む事が出来た。


 もしスマートフォンが無くて、僕1人でこの世界に放り出されていたらと思うとゾッとするよ。僕は感謝の気持ちを込めて葵を見ていると


「どうされましたか、主人様?」


 と、こてんと首を傾げてくる。うん、可愛い。こんな可愛い子が僕のために戦ってくれるなんて。


「いや、本当に葵に助けられていると思ってさ。葵がいてくれて本当に嬉しいよ」


 僕が正直に今の気持ちを伝えると、葵は照れ臭そうに笑う。うん、そういう顔も可愛い。くそっ、なんでスマートフォンの写真機能が無くなっているんだよ! カメラは付いているのに!


 軽くショックを受けていると、ウィルが威嚇をし始めた。って事はモンスターがやって来たか。既に葵は戦える準備をしている。ぼ、僕も剣を抜く。偶々森の中で拾ったやつで僕は全く長さも何も合ってないけど、無いよりはマシって事で持っているやつだ。


 そして、森の奥から現れたのはいつも通りのオークたち……ん? なんか他のオークたちより大きい奴がいるぞ? しかも、いつもより数が多い。全部で20体ぐらいいるぞ?


「主人様、今回は逃げに徹してください」


 そんなオークたちを見ていると、真剣な表情をしている葵が僕にそう告げてくる……そうだよね、こんな数を葵は相手しなければならないのに僕が無駄に動いて邪魔をするわけにはいかない。僕は葵の言葉に頷く。


 葵とウィルは僕を庇うように立つ。でも、何か手伝える事は無いか? 葵たちの邪魔にならないように……あっ、そうだ!


 僕は急いでスマートフォンを取り出す。最初に葵をガチャで引いてからは、ドロップしたアイテムを回収するのにしか使ってなかったけど、今まで一度も使っていなかった機能がある。


『クリモン(クリエイトモンスターズの略)』を起動させてとある画面を選ぶ。葵からこの事は聞いていたじゃ無いか!


『育成方法は戦闘や訓練をするか、出てくるモンスターを倒す事によって手に入る魔石を合成に使うぐらいです』だったかな? そして


「あった!」


 僕の探していたものが見つかった、パワーアップ合成画面だ! しかも、利用初回サービスとかで、大成功率2倍って!


 僕はすかさず画面を押して葵を選択する。今の葵のレベルはここ4日間戦って4レベルに上がっている。最大は70みたいで、そこから進化させたりできる。


 そして僕はこの4日間で葵たちが集めた魔石を使う。あるのは小魔石が20個と極小魔石が34個。それらを全部葵につぎ込む。ウィルはゴメン! もう少し余裕がある時にするから!


「んっ!? あ、主人様、ま、まさかっ!?」


 これで良し! おっ!大成功した! 取得経験値2倍だ!


「んんっ!! ひあぁぁぁあっん!!」


 えっ? 突然葵が叫びだした!? な、何が起きたんだ!? 葵は体を抱き締めて膝をつく。も、もしかして僕が強化なんかしたから!?


 葵の経験値はぐんぐんと上がっていって……あっ、止まった。レベルは21まで上がった。ステータスは


 ーーーーーーーーーー
 影忍者 葵
 レベル21
 属性:闇属性
 HP:635
 MP:425
 ATK:425
 DEF:190
 リーダースキル:闇忍術
 スキル:影縛り(消費MP:50) 影移動(消費MP:100)
 ーーーーーーーーー


 お、おおっ、かなり強くなって、しかもスキルまで増えているよ! ってそれより葵は!? 葵どうなったんだ? かなり苦しそうだったけど。僕は葵の方を見ると


「……はぁ、はぁ……あ、主人様、ゆ、許しませんからね!」


 と、目に涙を浮かべながら怒っていた。や、やっぱりさっきの不味かったのかな?


 立ち上がった葵はそのまま両手に短剣を持って横に平行に広げる。そして目の前から消えた。僕にはどこに行ったかわからずに周りを見ていると


「ブギィィイ!」


 と、オークの叫び声が聞こえる。そっちの方を見ると首を切られたオークの死体があった。もしかして葵はさっき覚えたスキル『影移動』を使っているのか?


 スキルを調べてみると


 影移動:使用してから30秒の間、影の中を移動する事が出来る


 と、書いてあった。30秒の間に葵は影から影へと移動しまくっているようだ。次々と倒されるオークたち。ウィルはいつの間にか僕の足元に来て座っていた。


「主人様、大丈夫ですか?」


「ふひゃあっ!?」


 オークたちが次々と倒れていく様子を見ていたら、突然背後から葵の声が! 思わず変な声を出してしまった。影移動で僕の影から出て来たのか。


 残ったオークは他のオークたちより一際大きい奴だけだ。葵は再び両手の短剣を構えて、アークへと向かおうとした時


「大丈夫か、君たち!」


 と、鎧を着た人たちが森の奥から現れた。は、初めての現地人だ!!!

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