復讐の魔王
13.地下王宮
「入るわよ」
「えっ? ここですか?」
魔国ベルヘイムにやって来てから、レーバンさんやマリンティアさんの後について行く事20分ほど。マリンティアさんたちに案内されたのは大きな王宮……では無くて、普通より少しボロくなっている小屋だった。
周りには当然ながらこの小屋より大きな建物が沢山ある。だけど、このボロボロな小屋にやって来たのは何かあるのだろう。
そのまま、ズンズンと中に入って行くマリンティアさんとレーバンさん。ローナさんも当然のようについて行く。僕とルイーザとマリーシャは顔を見合わせながらも後に続く。
中はまあ普通の部屋だったのだが、奥に進むとそこには下に続く階段があったのだ。幅は2人が並んで歩けるくらいの幅だ。そして、マリンティアさんとレーバンさんは躊躇なくその階段を降りて行った。
僕たちも恐る恐る後ろをついて行く。誰も一言も話さずにただ黙々と階段を降りて行くだけ。響くのは階段を踏む足音だけ。
階段には一定間隔で明かりがついてあるので、足下は見えるので危なくない。
「マリンティアさん、この地下にあるのって?」
「ふふ、あなたたちは不思議かもしれないけど、この地下が魔国ベルヘイムの王宮になるのよ」
なんと、この国の王宮は地下にあるのか。僕は驚きながらも後ろを進んで行くと、ようやく階段が終わった。そして目の前には一つの扉がある。
マリンティアさんは躊躇うことなく扉を開けて先へ進む。僕たちも後に続くと、そこには受付のような場所がある部屋だった。
四角形の部屋で、僕たちが降りて来たところには受付があり、他の面にはそれぞれ一つずつ扉が付いている。全部で4つの扉がある。
「お帰りなさいませ、マリンティア様、レーバン様、ローナ様」
「ただいま。後ろの3人は客人だから。今からお父様のところへ行ってくるわ」
「わかりました」
そして、マリンティアさんは再び歩き出す。一つの扉を抜けると、まるで王宮の中のように入り組んだ道となっていた。まるで迷宮みたいだね。侵入者防止も兼ねているんだろう。
……物凄く歩くね。かなり広いんだろう。もうこの王宮に住む人の案内無しではどこが出口かもわからない。ゲートも場所がわからないと転移が出来ないし。そして、ようやく
「ここに、魔王様はいるはずだ」
レーバンさんがそう言って立ち止まる。そこは執務室ようだ。レーバンさんが扉を叩くと
「入れ」
と、声がする。確認しなくても良いのか、と思ったけど、マリンティアさんのが
「お父様は魔力感知に長けていて、この地下王宮の範囲だったら誰が来たかはわかるのよ」
……とんでもない人だな、魔王って。かなり広いと思われるこの地下の全体を把握出来るなんて。レーバンさんは先ほどまでとは違い、少し緊張した様子で扉を開ける。
そして、中へ入ると、まるで押し潰される様な圧迫感。ルイーザとマリーシャは立っているのも辛そうだった。僕は直ぐに憤怒の炎心剣を発動して、僕たちの周りに薄く魔力の壁を張る。ふぅ、少しは楽になった。
「もう、お父様、またお客様をビックリさせて!」
「懐かしい魔力だったんでな。少し試させてもらったんだよ。そうカリカリ怒るなよマリア」
男の人の声が聞こえると、さっきまでの圧迫感が無くなった。僕は少し警戒をしながらも、声のした方を見ると、そこには銀髪のオールバックで、目が真紅の色をした男の人が座っていた。あっ、マリンティアさんに似ている。って事はこの人が魔王か。
「……懐かしいもん持ってるじゃねえか。システィーナと出会えたんだろ?」
「はい、とても綺麗な方でした」
「そうか。まあ、座れや。ローナ、悪いが全員分の飲み物を用意してくれ」
「かしこまりました」
ローナさんはそれだけ言うと部屋から出て行く。そして魔王の男の人はみんなが座れる対面のソファの上座の席に座って、その右側にマリンティアさんが座る。レーバンさんは外で待っておくそうだ。
僕は魔王の男の人の左側に座る。マリンティアさんの向かいになる。そして、僕の隣にルイーザ、マリーシャの順に座る。
「まずは自己紹介としておこうか。俺の名前はヘルガー・クラシウスだ。小僧と同じヴァンパイアロードになる」
「初めまして。僕の名前はエルフリート・シュバルツと言います。今はエルと名乗っていますが。この2人は僕の大切な家族でルイーザとマリーシャです。2人もヴァンパイアになります」
僕の言葉に2人も頭を下げる。そこにローナさんが部屋に入って来て飲み物を置いてくれる。その後はローナさんはマリンティアさんの後ろに立つ。
「それじゃあ、お前たちがこの国に来た理由を教えてもらおうか」
「えっ? ここですか?」
魔国ベルヘイムにやって来てから、レーバンさんやマリンティアさんの後について行く事20分ほど。マリンティアさんたちに案内されたのは大きな王宮……では無くて、普通より少しボロくなっている小屋だった。
周りには当然ながらこの小屋より大きな建物が沢山ある。だけど、このボロボロな小屋にやって来たのは何かあるのだろう。
そのまま、ズンズンと中に入って行くマリンティアさんとレーバンさん。ローナさんも当然のようについて行く。僕とルイーザとマリーシャは顔を見合わせながらも後に続く。
中はまあ普通の部屋だったのだが、奥に進むとそこには下に続く階段があったのだ。幅は2人が並んで歩けるくらいの幅だ。そして、マリンティアさんとレーバンさんは躊躇なくその階段を降りて行った。
僕たちも恐る恐る後ろをついて行く。誰も一言も話さずにただ黙々と階段を降りて行くだけ。響くのは階段を踏む足音だけ。
階段には一定間隔で明かりがついてあるので、足下は見えるので危なくない。
「マリンティアさん、この地下にあるのって?」
「ふふ、あなたたちは不思議かもしれないけど、この地下が魔国ベルヘイムの王宮になるのよ」
なんと、この国の王宮は地下にあるのか。僕は驚きながらも後ろを進んで行くと、ようやく階段が終わった。そして目の前には一つの扉がある。
マリンティアさんは躊躇うことなく扉を開けて先へ進む。僕たちも後に続くと、そこには受付のような場所がある部屋だった。
四角形の部屋で、僕たちが降りて来たところには受付があり、他の面にはそれぞれ一つずつ扉が付いている。全部で4つの扉がある。
「お帰りなさいませ、マリンティア様、レーバン様、ローナ様」
「ただいま。後ろの3人は客人だから。今からお父様のところへ行ってくるわ」
「わかりました」
そして、マリンティアさんは再び歩き出す。一つの扉を抜けると、まるで王宮の中のように入り組んだ道となっていた。まるで迷宮みたいだね。侵入者防止も兼ねているんだろう。
……物凄く歩くね。かなり広いんだろう。もうこの王宮に住む人の案内無しではどこが出口かもわからない。ゲートも場所がわからないと転移が出来ないし。そして、ようやく
「ここに、魔王様はいるはずだ」
レーバンさんがそう言って立ち止まる。そこは執務室ようだ。レーバンさんが扉を叩くと
「入れ」
と、声がする。確認しなくても良いのか、と思ったけど、マリンティアさんのが
「お父様は魔力感知に長けていて、この地下王宮の範囲だったら誰が来たかはわかるのよ」
……とんでもない人だな、魔王って。かなり広いと思われるこの地下の全体を把握出来るなんて。レーバンさんは先ほどまでとは違い、少し緊張した様子で扉を開ける。
そして、中へ入ると、まるで押し潰される様な圧迫感。ルイーザとマリーシャは立っているのも辛そうだった。僕は直ぐに憤怒の炎心剣を発動して、僕たちの周りに薄く魔力の壁を張る。ふぅ、少しは楽になった。
「もう、お父様、またお客様をビックリさせて!」
「懐かしい魔力だったんでな。少し試させてもらったんだよ。そうカリカリ怒るなよマリア」
男の人の声が聞こえると、さっきまでの圧迫感が無くなった。僕は少し警戒をしながらも、声のした方を見ると、そこには銀髪のオールバックで、目が真紅の色をした男の人が座っていた。あっ、マリンティアさんに似ている。って事はこの人が魔王か。
「……懐かしいもん持ってるじゃねえか。システィーナと出会えたんだろ?」
「はい、とても綺麗な方でした」
「そうか。まあ、座れや。ローナ、悪いが全員分の飲み物を用意してくれ」
「かしこまりました」
ローナさんはそれだけ言うと部屋から出て行く。そして魔王の男の人はみんなが座れる対面のソファの上座の席に座って、その右側にマリンティアさんが座る。レーバンさんは外で待っておくそうだ。
僕は魔王の男の人の左側に座る。マリンティアさんの向かいになる。そして、僕の隣にルイーザ、マリーシャの順に座る。
「まずは自己紹介としておこうか。俺の名前はヘルガー・クラシウスだ。小僧と同じヴァンパイアロードになる」
「初めまして。僕の名前はエルフリート・シュバルツと言います。今はエルと名乗っていますが。この2人は僕の大切な家族でルイーザとマリーシャです。2人もヴァンパイアになります」
僕の言葉に2人も頭を下げる。そこにローナさんが部屋に入って来て飲み物を置いてくれる。その後はローナさんはマリンティアさんの後ろに立つ。
「それじゃあ、お前たちがこの国に来た理由を教えてもらおうか」
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