世間知らずの魔女 〜私、やり過ぎましたか?〜
23.冒険者ギルド
「ここが冒険者ギルドですか」
子供たちを拾った後、私は初めて冒険者ギルドに訪れていました。子供たちはリカルド様にお任せしてしまいましたが、大丈夫でしょう。
ここは、最低限の身分があれば、誰でも入る事が出来て、仕事を斡旋して貰えるというところです。まあ、入る際に入会料が必要らしいですが。
冒険者ギルドの入り口を開けて中へと入ると、ギルドの中は閑散としていました。時間的に皆さん依頼に出ているのでしょう。いるのは併設されている酒場で話し合いをしている冒険者と、ギルドの職員だけです。
私は真っ直ぐと女性の受付員の元へと向かいます。受付員はぼーっと私を見ていますが、声をかけると反応してくれました。少し慌てているのですが、どうしてでしょうか? 少し疑問に思いますが、進めましょう。
「すみません、冒険者登録をしたいのですが」
「えっ? 依頼じゃなくて? ……あっ、すみません、それではこちらの用紙に記入をお願いします。字が書けない場合は代筆も承っています」
「わかりました」
何故か私の言葉に驚く受付員は、慌てながらも登録に必要な用紙を渡してくれます。字の読み書きはお母様から習っていますので大丈夫ですよ。
私は渡された用紙を読んでからカリカリカリカリと書いていきます。その間もチラチラと私を見て来る受付員が少し気にはなりましたが、書き終えました。
内容は簡単に名前と得意なもの、得意な武器などを書く欄があっただけです。パーティーを組む上での目安とするようですね。その用紙を受付員へ渡すと、受付員はさーと見て行き、印鑑を押します。
その書類を持って受付員は裏へと行ってしまいました。多分何か作業があるのでしょう。しばらく、受付員を待っていると
「ねぇ、君。もし良かったら僕たちのパーティーに入れてあげるよ」
と、横から声をかけて来る男性。後ろには女性ばかりを連れていました。ふむ、これが俗に言うはーれむというやつですか。ただ、全員奴隷の首輪を付けているのが気にはなりますが。
「ふふっ、僕の格好良さに黙ってしまったのかい?」
あまり、人相の美醜には興味がありませんが、この男性はそこまで格好良いとは思えないのですが。どうしましょうか。このまま放っておいても良いのですが……。
「お待たせしました……うわっ」
そこに丁度タイミング良く受付員がやってきました。ただ、私の横にいる男を見てとても嫌そうな顔をします。
「やぁ、ミア。良かったら一緒に食事でもどうだい? 勿論君もね」
私と受付員、ミアと呼ばれた女性に男はウィンクをしてきました。その姿に思わず背筋にぞくりと悪寒が走ります。こんな事は初めてですね。
私もミアも男を無視して手続きを進めます。その事が気に入らないのか男は何か言ってきますが、無視です。
「これで登録完了です。その……気をつけて下さいね?」
「ええ、気をつけます。それでは依頼を探してきます。ありがとうございました」
私はミアに礼を言い、受付とは反対側にある依頼掲示板へ向かいます。男があまりにもうるさいので、バレないように足を凍らせると、その場でこけました。受付員たちが笑うのを我慢しているのが見えます。
その間に私は確認しましょう。ふむふむ……何と、あのトカゲがこんな金額になるのですね。これは良い依頼です。森の中を探せば嫌という程出て来るトカゲは格好の獲物。
私はこの依頼を剥がして、先ほどのミアの元へと向かいます。ミアも私が来たのに気が付いて、渡す依頼を確認、そして、何故か困った顔をします。
「シルエットさん。申し訳ありませんが、まだ冒険者になったばかりのあなたはFランク。このAランクのアースドラゴンの牙の採取の依頼は受ける事が出来ません」
むむっ……そういえば、さきほどそんな話をしていましたね。冒険者にはランクというものがあって、初めはFから、1番上はSランクまで。そして受けられる依頼は同じランクが1つ上のみ。この事を失念していました。
さて、どうしたものでしょうか。他にも稼ぎが良いものはありましたが、どれも今の私のランク以上のものばかり。直ぐにお金が欲しい身としては、時間がかかるのは遠慮したいのですが。仕方ありませんね。
「それでは、私がこのトカゲを倒せる証拠を持ってきます」
「えっ? トカ……えっ? ええっ?」
戸惑いの声を出すミアを他所に、私は魔女の森へ飛びます。アースドラゴンは中型の魔獣なので森を入って少しのところにいつもいます。基本地面に潜っているのですが、土魔術で地面を揺らします……現れたのは3頭ですか。まあ、今回は十分ですね。
現れたアースドラゴンたちは氷魔術凍らせます。これを持っていけば認めてくれるでしょう。ただ、このままではギルドには入りませんので風魔術で解体して、空間魔術にしまいます。よし、これで良いでしょう。
私は再びギルドへ戻ると、口をパクパクとさせたミアや受付員たちがいました。それにあの男も。戻ってきた私を見て何かを言おうとしますが、それよりまずは見てもらいましょう。
私が空間魔術で、しまったアースドラゴンの首を1つ出します。そして、ミアに微笑んであげると、ミアはそのまま後ろへと倒れてしまいました……何故?
子供たちを拾った後、私は初めて冒険者ギルドに訪れていました。子供たちはリカルド様にお任せしてしまいましたが、大丈夫でしょう。
ここは、最低限の身分があれば、誰でも入る事が出来て、仕事を斡旋して貰えるというところです。まあ、入る際に入会料が必要らしいですが。
冒険者ギルドの入り口を開けて中へと入ると、ギルドの中は閑散としていました。時間的に皆さん依頼に出ているのでしょう。いるのは併設されている酒場で話し合いをしている冒険者と、ギルドの職員だけです。
私は真っ直ぐと女性の受付員の元へと向かいます。受付員はぼーっと私を見ていますが、声をかけると反応してくれました。少し慌てているのですが、どうしてでしょうか? 少し疑問に思いますが、進めましょう。
「すみません、冒険者登録をしたいのですが」
「えっ? 依頼じゃなくて? ……あっ、すみません、それではこちらの用紙に記入をお願いします。字が書けない場合は代筆も承っています」
「わかりました」
何故か私の言葉に驚く受付員は、慌てながらも登録に必要な用紙を渡してくれます。字の読み書きはお母様から習っていますので大丈夫ですよ。
私は渡された用紙を読んでからカリカリカリカリと書いていきます。その間もチラチラと私を見て来る受付員が少し気にはなりましたが、書き終えました。
内容は簡単に名前と得意なもの、得意な武器などを書く欄があっただけです。パーティーを組む上での目安とするようですね。その用紙を受付員へ渡すと、受付員はさーと見て行き、印鑑を押します。
その書類を持って受付員は裏へと行ってしまいました。多分何か作業があるのでしょう。しばらく、受付員を待っていると
「ねぇ、君。もし良かったら僕たちのパーティーに入れてあげるよ」
と、横から声をかけて来る男性。後ろには女性ばかりを連れていました。ふむ、これが俗に言うはーれむというやつですか。ただ、全員奴隷の首輪を付けているのが気にはなりますが。
「ふふっ、僕の格好良さに黙ってしまったのかい?」
あまり、人相の美醜には興味がありませんが、この男性はそこまで格好良いとは思えないのですが。どうしましょうか。このまま放っておいても良いのですが……。
「お待たせしました……うわっ」
そこに丁度タイミング良く受付員がやってきました。ただ、私の横にいる男を見てとても嫌そうな顔をします。
「やぁ、ミア。良かったら一緒に食事でもどうだい? 勿論君もね」
私と受付員、ミアと呼ばれた女性に男はウィンクをしてきました。その姿に思わず背筋にぞくりと悪寒が走ります。こんな事は初めてですね。
私もミアも男を無視して手続きを進めます。その事が気に入らないのか男は何か言ってきますが、無視です。
「これで登録完了です。その……気をつけて下さいね?」
「ええ、気をつけます。それでは依頼を探してきます。ありがとうございました」
私はミアに礼を言い、受付とは反対側にある依頼掲示板へ向かいます。男があまりにもうるさいので、バレないように足を凍らせると、その場でこけました。受付員たちが笑うのを我慢しているのが見えます。
その間に私は確認しましょう。ふむふむ……何と、あのトカゲがこんな金額になるのですね。これは良い依頼です。森の中を探せば嫌という程出て来るトカゲは格好の獲物。
私はこの依頼を剥がして、先ほどのミアの元へと向かいます。ミアも私が来たのに気が付いて、渡す依頼を確認、そして、何故か困った顔をします。
「シルエットさん。申し訳ありませんが、まだ冒険者になったばかりのあなたはFランク。このAランクのアースドラゴンの牙の採取の依頼は受ける事が出来ません」
むむっ……そういえば、さきほどそんな話をしていましたね。冒険者にはランクというものがあって、初めはFから、1番上はSランクまで。そして受けられる依頼は同じランクが1つ上のみ。この事を失念していました。
さて、どうしたものでしょうか。他にも稼ぎが良いものはありましたが、どれも今の私のランク以上のものばかり。直ぐにお金が欲しい身としては、時間がかかるのは遠慮したいのですが。仕方ありませんね。
「それでは、私がこのトカゲを倒せる証拠を持ってきます」
「えっ? トカ……えっ? ええっ?」
戸惑いの声を出すミアを他所に、私は魔女の森へ飛びます。アースドラゴンは中型の魔獣なので森を入って少しのところにいつもいます。基本地面に潜っているのですが、土魔術で地面を揺らします……現れたのは3頭ですか。まあ、今回は十分ですね。
現れたアースドラゴンたちは氷魔術凍らせます。これを持っていけば認めてくれるでしょう。ただ、このままではギルドには入りませんので風魔術で解体して、空間魔術にしまいます。よし、これで良いでしょう。
私は再びギルドへ戻ると、口をパクパクとさせたミアや受付員たちがいました。それにあの男も。戻ってきた私を見て何かを言おうとしますが、それよりまずは見てもらいましょう。
私が空間魔術で、しまったアースドラゴンの首を1つ出します。そして、ミアに微笑んであげると、ミアはそのまま後ろへと倒れてしまいました……何故?
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