世界に復讐を誓った少年
22.とある冒険者の話(4)
町長たちに囲まれた私とメルルちゃん。町長たちの目は血走っていて、お願いしても退いてくれそうにはありませんね。
武器を持っているのは町長がナイフ、侍女の方たちがほうきや棒など、1番厄介なのが兵士が剣を抜いている事ですね。少し手荒になりますが仕方ありませんね。私は腰にかけているメイスを取り出します。
「メルルちゃん、下がっていて下さい」
「わ、わかりました」
私が構えるのと同時に向かってくる兵士。兵士は3人、それぞれが剣を持って向かって来ます。こちらも目が血走っているので、誰かに操られているのでしょう。それが、黒いローブの人物なのかはわかりませんが。
とりあえず、まずはこの部屋から出なければ。この狭いところでは動きづらい上に、メルルちゃんを守る事が出来ませんから。
兵士の1人が剣を突き出して来ます。私の胸を狙った突きを下から右手に持つメイスで振り上げ、左足で回し蹴りを放ちます。兵士の脇腹に入り、兵士は横へと転がります。
その後ろから剣が振り下ろされますが、剣をメイスで弾き、そのまま体をぶつけます。兵士はその勢いに怯みましたので、その横を走り抜けます。後ろをチラッと見ると、ちゃんとメルルちゃんも付いて来てくれます。
扉を蹴破り外に出た瞬間、外にいた兵士が2人がこちらを見て来ました。まだ、操られていない? そう思いましたが、2人は私たちを見た瞬間、剣を抜き向かって来ました。
それよりも驚いたのが、村長の自宅の前を歩く住人の方たちが、この光景を見ても驚かない事です。本来であれば、町中で剣を抜く事自体ある事ではありません。なのに、町長の自宅の前を歩く住人は、こちらを見る事はあっても、驚いたり、叫んだりする事が無いのです。
町の人たちも既に操られているのでしょうか? なんとかしたいところですが、今はそれどころではありません。前から向かってくる兵士2人と家から出て来る町長たち。ここを突破しなければ何をされるかわかりませんね。
「オ前カ? コソコソト嗅ギ回ッテイルノハ?」
そう思いメイスを構えていましたが、次の瞬間、背中に衝撃があり、私は吹き飛ばされました。訳がわからずに元いた場所を振り返るとそこには、黒いローブを着た人物が立っていました。その後ろで倒れているメルルちゃん。微動だにしません。
……近づいた事に全く気が付きませんでした。まるで突然現れたように。一体どうやって? しかし、そんな事を考えている暇がありませんでした。ローブを着た人物が魔法を放ってきたのです。
闇魔法のダークボール。ボール系の魔法は、初級中の初級ですが、術者の技量によっては形や速度、連射などが出来る使い勝手の良い魔法です。
そんなダークボールを連続で放ってくるローブの人物。私は光魔法ライトウォールを発動。物理攻撃は防げませんが、魔法なら防げる対魔法用魔法です。
ライトウォールが防いでいるうちに私は立ち上がりメイスを構えようとしたのですが、突然盛り上がる地面。そして、地面から飛び出してきた腕が私の足を掴みます。
次々と地面から現るゾンビたち。やはり死霊系の魔物を操っているのはこの方でしたか! 私の周りに現れたゾンビたちは、噛み付こうと迫ってきますが、メイスに光属性の魔力を纏わせ、まず、足を掴む腕を殴ります。
グチュリと腕が潰れますが、私の足を掴む力が弱まったのを確認して、掴む腕を振り払い、迫ってくるゾンビの横顔にメイスを叩き込み、道を作ります。
メルルちゃんを助けようと思ったのですが、起き上がったメルルちゃんの目は他の皆と同じように血走っていました。既に彼女も操られているようです。
あのローブの人物を倒せば洗脳は解かれるのでしょうが、多勢に無勢。私だけでは勝てません。悔しいですが、ここは引くしかありません。取り敢えず、リンクたちの元へと戻らなければ。
「逃スト思ウカ?」
ローブの人物が腕を振ると、地面から新たに現れるゾンビ。もしかして、メルルちゃんの話にあった死体がゾンビになっているのでしょうか?
数は20体ほど。しかし、相手がゾンビとなれば私も手加減はしません!
「光魔法、ライトニングスピア!」
ゾンビたちに放つ雷光の槍。バチバチと音を鳴らしながらゾンビたちを次々と貫いていきます。連続では放てませんが、それでも、ゾンビたちを怯ませるのには十分です。
町長の自宅の庭を抜けて、町中を走ります。チラッと後ろを見ますが、追ってくる気配はありません。何故かと思っていると
「逃ガサナイト言ッタハズダガ?」
突然目の前に現れるローブの人物。どうやっていどうしてるの!? 訳がわかりません。そして、いつの間にか私を囲んでいる町の人たち。やはり、もうすでに。
人数の多い町人に私の抵抗は虚しく取り押さえられました。そして目の前に立つローブの人物。この方が私の頭に手を置き魔法を発動すると、私の意識は遠のいていきます。
……リンクたち……みなさん、逃げて……
◇◇◇
「創造主ヨ、捕マエタゾ」
「おっ、ご苦労さん。しかし、こいつから嫌な気配がするな。これは?」
「ふむ、おそらく光魔法を使えるからだろう。昔から闇魔法が使える者と光魔法が使える者は仲が悪かったと聞く。もしかしたら、暗黒魔術でも同じような事があるのかもしれないな」
「へ〜、まあ、こいつには利用価値があるから色々とさせてもらうか。でも、なんでこの縄の縛り方なんだよ?」
「知ラヌ。配下ノ1人ガコノヨウニ縛ッタノダ」
「そいつの本能か何かか? なんでこう……胸が強調するように縛っているんだか?」
武器を持っているのは町長がナイフ、侍女の方たちがほうきや棒など、1番厄介なのが兵士が剣を抜いている事ですね。少し手荒になりますが仕方ありませんね。私は腰にかけているメイスを取り出します。
「メルルちゃん、下がっていて下さい」
「わ、わかりました」
私が構えるのと同時に向かってくる兵士。兵士は3人、それぞれが剣を持って向かって来ます。こちらも目が血走っているので、誰かに操られているのでしょう。それが、黒いローブの人物なのかはわかりませんが。
とりあえず、まずはこの部屋から出なければ。この狭いところでは動きづらい上に、メルルちゃんを守る事が出来ませんから。
兵士の1人が剣を突き出して来ます。私の胸を狙った突きを下から右手に持つメイスで振り上げ、左足で回し蹴りを放ちます。兵士の脇腹に入り、兵士は横へと転がります。
その後ろから剣が振り下ろされますが、剣をメイスで弾き、そのまま体をぶつけます。兵士はその勢いに怯みましたので、その横を走り抜けます。後ろをチラッと見ると、ちゃんとメルルちゃんも付いて来てくれます。
扉を蹴破り外に出た瞬間、外にいた兵士が2人がこちらを見て来ました。まだ、操られていない? そう思いましたが、2人は私たちを見た瞬間、剣を抜き向かって来ました。
それよりも驚いたのが、村長の自宅の前を歩く住人の方たちが、この光景を見ても驚かない事です。本来であれば、町中で剣を抜く事自体ある事ではありません。なのに、町長の自宅の前を歩く住人は、こちらを見る事はあっても、驚いたり、叫んだりする事が無いのです。
町の人たちも既に操られているのでしょうか? なんとかしたいところですが、今はそれどころではありません。前から向かってくる兵士2人と家から出て来る町長たち。ここを突破しなければ何をされるかわかりませんね。
「オ前カ? コソコソト嗅ギ回ッテイルノハ?」
そう思いメイスを構えていましたが、次の瞬間、背中に衝撃があり、私は吹き飛ばされました。訳がわからずに元いた場所を振り返るとそこには、黒いローブを着た人物が立っていました。その後ろで倒れているメルルちゃん。微動だにしません。
……近づいた事に全く気が付きませんでした。まるで突然現れたように。一体どうやって? しかし、そんな事を考えている暇がありませんでした。ローブを着た人物が魔法を放ってきたのです。
闇魔法のダークボール。ボール系の魔法は、初級中の初級ですが、術者の技量によっては形や速度、連射などが出来る使い勝手の良い魔法です。
そんなダークボールを連続で放ってくるローブの人物。私は光魔法ライトウォールを発動。物理攻撃は防げませんが、魔法なら防げる対魔法用魔法です。
ライトウォールが防いでいるうちに私は立ち上がりメイスを構えようとしたのですが、突然盛り上がる地面。そして、地面から飛び出してきた腕が私の足を掴みます。
次々と地面から現るゾンビたち。やはり死霊系の魔物を操っているのはこの方でしたか! 私の周りに現れたゾンビたちは、噛み付こうと迫ってきますが、メイスに光属性の魔力を纏わせ、まず、足を掴む腕を殴ります。
グチュリと腕が潰れますが、私の足を掴む力が弱まったのを確認して、掴む腕を振り払い、迫ってくるゾンビの横顔にメイスを叩き込み、道を作ります。
メルルちゃんを助けようと思ったのですが、起き上がったメルルちゃんの目は他の皆と同じように血走っていました。既に彼女も操られているようです。
あのローブの人物を倒せば洗脳は解かれるのでしょうが、多勢に無勢。私だけでは勝てません。悔しいですが、ここは引くしかありません。取り敢えず、リンクたちの元へと戻らなければ。
「逃スト思ウカ?」
ローブの人物が腕を振ると、地面から新たに現れるゾンビ。もしかして、メルルちゃんの話にあった死体がゾンビになっているのでしょうか?
数は20体ほど。しかし、相手がゾンビとなれば私も手加減はしません!
「光魔法、ライトニングスピア!」
ゾンビたちに放つ雷光の槍。バチバチと音を鳴らしながらゾンビたちを次々と貫いていきます。連続では放てませんが、それでも、ゾンビたちを怯ませるのには十分です。
町長の自宅の庭を抜けて、町中を走ります。チラッと後ろを見ますが、追ってくる気配はありません。何故かと思っていると
「逃ガサナイト言ッタハズダガ?」
突然目の前に現れるローブの人物。どうやっていどうしてるの!? 訳がわかりません。そして、いつの間にか私を囲んでいる町の人たち。やはり、もうすでに。
人数の多い町人に私の抵抗は虚しく取り押さえられました。そして目の前に立つローブの人物。この方が私の頭に手を置き魔法を発動すると、私の意識は遠のいていきます。
……リンクたち……みなさん、逃げて……
◇◇◇
「創造主ヨ、捕マエタゾ」
「おっ、ご苦労さん。しかし、こいつから嫌な気配がするな。これは?」
「ふむ、おそらく光魔法を使えるからだろう。昔から闇魔法が使える者と光魔法が使える者は仲が悪かったと聞く。もしかしたら、暗黒魔術でも同じような事があるのかもしれないな」
「へ〜、まあ、こいつには利用価値があるから色々とさせてもらうか。でも、なんでこの縄の縛り方なんだよ?」
「知ラヌ。配下ノ1人ガコノヨウニ縛ッタノダ」
「そいつの本能か何かか? なんでこう……胸が強調するように縛っているんだか?」
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コメント
スライム好きなスライム
亀甲縛りですね分かります