異世界で彼女を探して何千里?
56.宣言
「あははっ! いやー、楽しくなって来たねー! どの種族が生き残るのか!」
俺たちの周りをヘラヘラと笑いながら回る突然現れた男にも女にも見える人物。声も見た目も中性的のせいでどちらかはわからないが、こいつが話す言葉を聞き流す事は無かった。
「それじゃあ、ゲームを始めよう! 僕の姿や声は全世界の全種族に見え伝わるようになっている。まずは僕の自己紹介をしようかな。僕の名前はアシュル。この世界を想像した神々の1人。君たちからは遊戯の神って言われているかな?」
そう言ってケラケラと笑うアシュル。奴の口から放たれた名前に全員が絶句する。それもそうだろう。この世界の創造記には様々な神が出て来る。それは多種多様だ。火を司る神もいれば、鍛治の神もいるし、俺たち人族の神もいる。その中の1柱で、遊戯の神が目の前に現れたのだから。
「いやー、この世界が出来たからさー、色々な事して来たけど、最近退屈でさー。100年前の対戦だって、どの種族も孕んだりする事なく現状維持で終わっちゃったし。だから、今回は僕の考えだゲームをやって貰うよ!」
「ゲームだと?」
「そう! 僕は各種族の中にとある力、まあ、神の力のかけらを持つ者を準備した。わかっている者はわかっている筈だよ。その者たちが持つかけらを集めた者には僕に挑戦する権利を与えてあげよう。勿論かけらを持っていない者たちも集めれば同様に。集め方はなんでも良いよ。殺しても手に入るようになっているしね。数は言わないでおくよ。集まったら自動でわかるからね。
まあ、ただやれっていっても今までの感じからしてどの大陸も動かないだろうから、飴をあげないとね。僕に挑戦する事が出来るようになった種族には、その種族に恩恵を与えよう、この世界の王としての地位を」
……こいつ、この世界全てを争いに巻き込もうとしてやがる。こいつの暇潰しのような事に俺たちは巻き込まれたって言うのかよ。
「勿論、4大陸だけじゃないよ? 僕の配下も中央の大陸より各大陸へと向かう事になる。彼らに滅ぼされないように気を付けてね?」
ニコニコとそう言うアシュル。そして、じゃあねー、と手を振りながら消えていった。奴が消えた瞬間、体が自由になり、俺はレグルスから離れる。
しかし、ほかの兵士や魔族、レグルスも動けるようにはなったのだが、誰1人と何も言葉を発さない。それもそうだろう。突然神とやらが現れて意味のわからない事を言われたのだからこうなるのは仕方ない。
「……お前も前世持ちなのか?」
そんな光景を見ていると、レグルスが俺を見ながらそう呟いて来た。そうだ、その問題もあった。レグルスの問いに俺は頷く。隠す必要も無いしな。
「俺の前世は神木 誠也だ。今はゼスト・アルラルトとして生きている」
「っ! ……そうか、誠也だったのか。俺の前世は三宅 龍馬。色々とお前と馬鹿やった奴だよ。……まさか初めて会う前世からの知り合いで、殺し合った奴がお前だったとは」
少し辛そうな表情を浮かべるが、それも直ぐに先程までの表情に変わるレグルス。俺もまさかお前が龍馬だとは思わなかったよ……。
三宅 龍馬。野球部で高校からの俺の親友の1人だ。色々と馬鹿をやってはみなみに一緒になって怒られたんだっけな。
「誠也……いや、ゼスト。悪いが昔の親友だからといって手加減はしない。俺はこの世界で生きて行くって決めたんだ。その邪魔をするならお前であろうと殺す」
決意の満ちた目でレグルスにそう宣言された。奴はそのまま魔族を下げてしまった。あんな宣言があった後だ。時期に戦争は停戦するだろう。そして、どの国もかけらを待つ者を探すようになる。
世界を動かす宣言が行われた戦争は終わったが、俺はレグルスの言葉が心の中で引っかかってしまっていた。
俺たちの周りをヘラヘラと笑いながら回る突然現れた男にも女にも見える人物。声も見た目も中性的のせいでどちらかはわからないが、こいつが話す言葉を聞き流す事は無かった。
「それじゃあ、ゲームを始めよう! 僕の姿や声は全世界の全種族に見え伝わるようになっている。まずは僕の自己紹介をしようかな。僕の名前はアシュル。この世界を想像した神々の1人。君たちからは遊戯の神って言われているかな?」
そう言ってケラケラと笑うアシュル。奴の口から放たれた名前に全員が絶句する。それもそうだろう。この世界の創造記には様々な神が出て来る。それは多種多様だ。火を司る神もいれば、鍛治の神もいるし、俺たち人族の神もいる。その中の1柱で、遊戯の神が目の前に現れたのだから。
「いやー、この世界が出来たからさー、色々な事して来たけど、最近退屈でさー。100年前の対戦だって、どの種族も孕んだりする事なく現状維持で終わっちゃったし。だから、今回は僕の考えだゲームをやって貰うよ!」
「ゲームだと?」
「そう! 僕は各種族の中にとある力、まあ、神の力のかけらを持つ者を準備した。わかっている者はわかっている筈だよ。その者たちが持つかけらを集めた者には僕に挑戦する権利を与えてあげよう。勿論かけらを持っていない者たちも集めれば同様に。集め方はなんでも良いよ。殺しても手に入るようになっているしね。数は言わないでおくよ。集まったら自動でわかるからね。
まあ、ただやれっていっても今までの感じからしてどの大陸も動かないだろうから、飴をあげないとね。僕に挑戦する事が出来るようになった種族には、その種族に恩恵を与えよう、この世界の王としての地位を」
……こいつ、この世界全てを争いに巻き込もうとしてやがる。こいつの暇潰しのような事に俺たちは巻き込まれたって言うのかよ。
「勿論、4大陸だけじゃないよ? 僕の配下も中央の大陸より各大陸へと向かう事になる。彼らに滅ぼされないように気を付けてね?」
ニコニコとそう言うアシュル。そして、じゃあねー、と手を振りながら消えていった。奴が消えた瞬間、体が自由になり、俺はレグルスから離れる。
しかし、ほかの兵士や魔族、レグルスも動けるようにはなったのだが、誰1人と何も言葉を発さない。それもそうだろう。突然神とやらが現れて意味のわからない事を言われたのだからこうなるのは仕方ない。
「……お前も前世持ちなのか?」
そんな光景を見ていると、レグルスが俺を見ながらそう呟いて来た。そうだ、その問題もあった。レグルスの問いに俺は頷く。隠す必要も無いしな。
「俺の前世は神木 誠也だ。今はゼスト・アルラルトとして生きている」
「っ! ……そうか、誠也だったのか。俺の前世は三宅 龍馬。色々とお前と馬鹿やった奴だよ。……まさか初めて会う前世からの知り合いで、殺し合った奴がお前だったとは」
少し辛そうな表情を浮かべるが、それも直ぐに先程までの表情に変わるレグルス。俺もまさかお前が龍馬だとは思わなかったよ……。
三宅 龍馬。野球部で高校からの俺の親友の1人だ。色々と馬鹿をやってはみなみに一緒になって怒られたんだっけな。
「誠也……いや、ゼスト。悪いが昔の親友だからといって手加減はしない。俺はこの世界で生きて行くって決めたんだ。その邪魔をするならお前であろうと殺す」
決意の満ちた目でレグルスにそう宣言された。奴はそのまま魔族を下げてしまった。あんな宣言があった後だ。時期に戦争は停戦するだろう。そして、どの国もかけらを待つ者を探すようになる。
世界を動かす宣言が行われた戦争は終わったが、俺はレグルスの言葉が心の中で引っかかってしまっていた。
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