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落とされた勇者 悪霊たちと最強になる

やま

10話 次の訓練へ

「やあ、みんな。よく集まってくれた。ありがとう」


 ミーリア王女が精霊であるフェアリードラゴン、リグリーナと契約が出来て1週間が経った頃、俺たち転移組は、エルライト王子に呼ばれて集まっていた。


 その左右にはアルジェラ王女とミーリア王女も揃っており、部屋の左右には侍女たちが立って並んでいた。


 それに、いつも訓練に参加する戦闘職組だけでなく、修行をするために連れて行かれた生産組も一緒に集まっていた。


 他には騎士団長のリムドーさんに魔法師団長のレムネさんがいる。レムネさんは、30代の女性で陽奈の師匠になる。その人たちも集まっているので、全員が何事かと不安な表情を浮かべていた。


「みんな、突然ここに呼び出してすまないね。ああ、特に問題があったとかではないから安心して聞いて欲しいんだ。君たち、彼らに落ち着くように飲み物を」


 エルライト王子はみんなが落ち着くように侍女たちに飲み物を持ってくるように指示を出す。流石王子だな。


 侍女たちが持って来てくれた紅茶を飲んで、みんながようやく落ち着いて来た頃に、エルライト王子が話し始めた。


「君たちをここに集めたのは、この世界に来てそろそろ1月が経つ。この1月間は、慣れてもらうためにこの王宮内から外に出る事はなかったが、そろそろ慣れて来たからだからね。外に出てもらおうと思うんだ」


 笑顔のままそう告げるエルライト王子。初めはみんな言葉の意味がわからなかったが、次第に飲み込んで行き、喜びの声が上がる。


 それもそうだろう。この1月は不安ながらもずっと訓練を行って来たが、この王宮から外に出る事は叶わなかった。王都の中すら出歩く事が出来なかったのだから。


 奇跡に近いが、異世界転移とあり得ない出来事に体を壊す者がいなかったが、精神的に疲弊しているのはみんな同じだ。そこに、こんな提案されたら喜ぶのは当たり前だろう。


「うんうん、喜んでくれて私も嬉しい。ただ、この外に出るのは観光だけでなく、訓練をするためと考えて欲しい。勿論、観光も出来るように時間は作るつもりだ。これからもいるこの国をもっと好きになって貰うように。訓練についてはリムドー騎士団長に話してもらう。リムドー騎士団長、頼んだ」


「はい。それでは先程エルライト殿下のお言葉にあった訓練について話そうと思う。訓練を行う場所はここから馬車で1週間ほど走らせた所にあるミレバ森でおこなう。奥の方にはミレバ山というのがあるが、あそこは魔境になっているからな。今のお前たちでは簡単に死んでしまう」


 笑いながら言うリムドーさんだが、俺たちは笑えなかった。……そうだよな。外に出るって事は魔物がいるはずだ。もしかして訓練って


「お前たちには初めての魔物との実戦訓練になる。今のお前たちなら、森の入り口辺りで出会う魔物なら容易く対処が出来るだろうが、油断はするなよ。装備はこちらで用意したからそれをつける事。そして、これから訓練の時共に行動するチームを発表する」


 俺たちの気持ちを知ったか知らずか、リムドーさんは淡々と話を進めていく。チームは1組4〜5人組で行うらしい。まあ、戦闘ができるのは17人だからな。仕方ないか。ただ、このチームの分け方があまり良く無かった。


 その理由は俺が入るチームのメンバーが、俺、賢者の陽奈、弓術師の凛さん、聖女の白川さん。そして、この前精霊魔法師として精霊と契約する事が出来たミーリア王女が俺が入るチームのメンバーになったのだ。


 その事に、当然男子たちは反論する。まあ、これは俺もわかる。中には男だけのチームもあるからな。ここまで偏るのは腹が立つのだろう。


 でも、これはバランス良く分けた結果らしい。それに、勇者である俺がいるチームは他のチームより深い所に潜る事になるため、他のメンバーも必然として能力の高いメンバーを揃えるように考えたと言う。


 ミーリア王女も、元々のステータスは中々良いらしく、リグリーナと契約した今なら、俺たちとついていけるからと、成長するために俺たちのチームに入るんだとか。能力が高い者が集まるこのチームなら安全だろうしと。


「これは、もう決めた事だ。変更は無い。この訓練に伴い、お前たちの存在の発表も行う。明後日に行うため、明日と明後日の訓練は自学として、明日には礼服の採寸を行う。それから、シンヤには一言述べてもらうから、何か考えておけよ」


 それから、他にも色々とリムドーさんが説明してくれるが、俺は他の男子たちからの視線が気になって、あまり集中出来なかった。


 周りの嫉妬の視線に晒されながらも、リムドーさんの話を聞くのだった。

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