英雄の妹、最強を目指す!
18話 問題
「それじゃあ、第3階層へ行きましょう!」
「「おっー!」」
買取屋で宝箱で手に入れた物を鑑定してもらった翌日。私たちは、1日ぶりの塔へとやって来た。塔の中は、今日も勧誘なんかで人が一杯ね。
別にもう1日ぐらいは休みでも良かったのだけど、みんな、宝箱で手に入れた地図が気になってしまったので、今日から行く事にしたのだ。
昨日の内に、塔を登るのに必要な物が揃っていたというのもあるけどね。デルスの盾も新調したし。
それから、新しく手に入った称号の効果も実感しておきたかったし。下層を行くなんて滅多にだろうし。
3階層に行くには5階から降りるか、1階から登るしか無いので、1階から登って行く。道中はいつも通りのゴブリンたち。
出てくるのは、多くても5体から6体ほど。5階層の数を経験した私たちには、慌てる事なく倒せる数だ。先頭に立つデルスが引きつけて、横を抜けてくるのを私が倒し、それぞれの援護をエリアがする。
だいぶん決まって来た形だけど、欲を言えば各ポジションにもう1人ずつ欲しいってのがある。この先進んでいけば、必ずデルス1人では抑えるのが厳しい場面が出てくるだろうし、私1人でエリアを守るのも厳しくなってくる。
それから、回復魔法が使える魔法師が1人欲しいわね。私が使えるのだけど、戦闘中は殆ど使えていない。前の守護者の時のように、複数人怪我をすれば、私は1人ずつしか回復は出来ないし、魔法に専念すれば、デルスがキツくなる。
だからエリアと並んでみんなを援護出来る魔法師が、もう1人欲しいわ。
ただ、これには色々と問題がある。まずは信頼出来るかどうかが1番大きいわね。仲間になったけど、実はお金目当てとかで、盗んで消えた冒険者の話はよく聞くわ。
それから、男女どちらを入れるかも問題があるし。今私たちは関係なくいるけど、それは学園からの知り合いで、知っているから出来る事。
いきなり知らない男がメンバーに入って、一緒に過ごせるかと言われれば、難しいだろうし。その辺は慣れて行くしか無いのかもしれないけど。
かといって、女性ばかりをメンバーに入れれば、デルスは肩身が狭いだろうし。いや、デルスなら喜ぶかもしれないわね。
「そっちに行ったよ」
これからの事を考えていたら、デルスの声が聞こえてくる。2階層の中盤、向かってくるのはゴブリンソルジャーが1体と、ゴブリンが1体ね。
……駄目ね、戦闘中に他の事を考えるなんて。師匠にバレたら半殺しにされちゃうわ。私は身体強化を発動して、迎え撃つ。
下から切り上げてくるゴブリンソルジャーの剣へと、黒賢杖を叩きつけるように防ぐ。ガキンッと音がするけど、そのまま杖を上へと振り上げる。
ゴブリンソルジャーの剣を持っていた右腕を、下から殴り上げたのだ。下から思いっきり殴ったので、ゴブリンソルジャーの指は折れて、剣を離す。
今度は振り下ろしてゴブリンソルジャーの右膝へと叩きつける。膝をついたゴブリンソルジャーへと、今度は振り上げる。顎を下から思いっきり叩き上げたので、白目をむいて倒れるゴブリンソルジャー。
黒賢杖の先端を氷で尖らせて、ゴブリンソルジャーの胸元を刺す。その間にゴブリンは、エリアによって真っ黒に焼かれていた。
「ふう、2人とも大丈夫かい?」
「私は大丈夫よ」
「私もです」
私たち2人に尋ねてきたデルスは、大丈夫な事を確認すると、再び前を歩き始める。私たちも後に続くように歩き始めると
「それで、何を考えていたのですか、クリシア?」
と、エリアに尋ねられた。やっぱりエリアにはわかっちゃうのかしらね?
「わかる?」
「もちろんです!」
そんな胸を張って言われても。私より大きいその胸を掴んでやろうかしら? 塔の中だから掴まないけど、外なら掴んでるわ。
「これからのメンバーの事を少し考えていたのよ。まだ5階層だけど、その5階層で考えさせられたわ」
「そうですね、やはりもう少し人数が欲しいですね。私が水か光の魔法が使えれば、回復魔法を使えたのですが……」
「エリアのせいじゃ無いわ。エリアは私たちの援護を良くやってくれているわ。エリアがいないと危ない場面が何度かあったし。ただ、デルスの負担が大きいと思うのよ。1人で魔物を防いで。これから、階層を上げるに連れて、魔物は強くなって行くわ。そうなれば、1人では絶対に厳しい」
「……はい、デルスに負担ばかりかけているのは確かです。それなら前衛を増やしますか?」
「そうね、今のところはデルスと並んで戦える前衛が1人欲しいわね。回復役は最悪ポーションで補えるし、私のところは、まだ大丈夫だしね」
うん、やっぱり1人で悩むより、誰かと考えた方が意見が纏まりやすいわね。それから2人で色々と話し合っていると
「新手が来たよ!」
デルスが新しく現れたゴブリンたちと対峙しているのが見える。考えているばかりじゃ駄目ね。この事は塔を降りてから考えましょう。まずは目の前の敵を倒す!
「「おっー!」」
買取屋で宝箱で手に入れた物を鑑定してもらった翌日。私たちは、1日ぶりの塔へとやって来た。塔の中は、今日も勧誘なんかで人が一杯ね。
別にもう1日ぐらいは休みでも良かったのだけど、みんな、宝箱で手に入れた地図が気になってしまったので、今日から行く事にしたのだ。
昨日の内に、塔を登るのに必要な物が揃っていたというのもあるけどね。デルスの盾も新調したし。
それから、新しく手に入った称号の効果も実感しておきたかったし。下層を行くなんて滅多にだろうし。
3階層に行くには5階から降りるか、1階から登るしか無いので、1階から登って行く。道中はいつも通りのゴブリンたち。
出てくるのは、多くても5体から6体ほど。5階層の数を経験した私たちには、慌てる事なく倒せる数だ。先頭に立つデルスが引きつけて、横を抜けてくるのを私が倒し、それぞれの援護をエリアがする。
だいぶん決まって来た形だけど、欲を言えば各ポジションにもう1人ずつ欲しいってのがある。この先進んでいけば、必ずデルス1人では抑えるのが厳しい場面が出てくるだろうし、私1人でエリアを守るのも厳しくなってくる。
それから、回復魔法が使える魔法師が1人欲しいわね。私が使えるのだけど、戦闘中は殆ど使えていない。前の守護者の時のように、複数人怪我をすれば、私は1人ずつしか回復は出来ないし、魔法に専念すれば、デルスがキツくなる。
だからエリアと並んでみんなを援護出来る魔法師が、もう1人欲しいわ。
ただ、これには色々と問題がある。まずは信頼出来るかどうかが1番大きいわね。仲間になったけど、実はお金目当てとかで、盗んで消えた冒険者の話はよく聞くわ。
それから、男女どちらを入れるかも問題があるし。今私たちは関係なくいるけど、それは学園からの知り合いで、知っているから出来る事。
いきなり知らない男がメンバーに入って、一緒に過ごせるかと言われれば、難しいだろうし。その辺は慣れて行くしか無いのかもしれないけど。
かといって、女性ばかりをメンバーに入れれば、デルスは肩身が狭いだろうし。いや、デルスなら喜ぶかもしれないわね。
「そっちに行ったよ」
これからの事を考えていたら、デルスの声が聞こえてくる。2階層の中盤、向かってくるのはゴブリンソルジャーが1体と、ゴブリンが1体ね。
……駄目ね、戦闘中に他の事を考えるなんて。師匠にバレたら半殺しにされちゃうわ。私は身体強化を発動して、迎え撃つ。
下から切り上げてくるゴブリンソルジャーの剣へと、黒賢杖を叩きつけるように防ぐ。ガキンッと音がするけど、そのまま杖を上へと振り上げる。
ゴブリンソルジャーの剣を持っていた右腕を、下から殴り上げたのだ。下から思いっきり殴ったので、ゴブリンソルジャーの指は折れて、剣を離す。
今度は振り下ろしてゴブリンソルジャーの右膝へと叩きつける。膝をついたゴブリンソルジャーへと、今度は振り上げる。顎を下から思いっきり叩き上げたので、白目をむいて倒れるゴブリンソルジャー。
黒賢杖の先端を氷で尖らせて、ゴブリンソルジャーの胸元を刺す。その間にゴブリンは、エリアによって真っ黒に焼かれていた。
「ふう、2人とも大丈夫かい?」
「私は大丈夫よ」
「私もです」
私たち2人に尋ねてきたデルスは、大丈夫な事を確認すると、再び前を歩き始める。私たちも後に続くように歩き始めると
「それで、何を考えていたのですか、クリシア?」
と、エリアに尋ねられた。やっぱりエリアにはわかっちゃうのかしらね?
「わかる?」
「もちろんです!」
そんな胸を張って言われても。私より大きいその胸を掴んでやろうかしら? 塔の中だから掴まないけど、外なら掴んでるわ。
「これからのメンバーの事を少し考えていたのよ。まだ5階層だけど、その5階層で考えさせられたわ」
「そうですね、やはりもう少し人数が欲しいですね。私が水か光の魔法が使えれば、回復魔法を使えたのですが……」
「エリアのせいじゃ無いわ。エリアは私たちの援護を良くやってくれているわ。エリアがいないと危ない場面が何度かあったし。ただ、デルスの負担が大きいと思うのよ。1人で魔物を防いで。これから、階層を上げるに連れて、魔物は強くなって行くわ。そうなれば、1人では絶対に厳しい」
「……はい、デルスに負担ばかりかけているのは確かです。それなら前衛を増やしますか?」
「そうね、今のところはデルスと並んで戦える前衛が1人欲しいわね。回復役は最悪ポーションで補えるし、私のところは、まだ大丈夫だしね」
うん、やっぱり1人で悩むより、誰かと考えた方が意見が纏まりやすいわね。それから2人で色々と話し合っていると
「新手が来たよ!」
デルスが新しく現れたゴブリンたちと対峙しているのが見える。考えているばかりじゃ駄目ね。この事は塔を降りてから考えましょう。まずは目の前の敵を倒す!
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