黒髪の王〜魔法の使えない魔剣士の成り上がり〜
218話 アールヴ族の村
「……ふぅ、ここか?」
「ええ、この結界の向こうが私たちアールヴ族が住む村があるわ」
魔闘眼をしてようやく見える魔力の壁。魔闘眼を使わずに見ればそこにはただの木々しか無いように見えるのに。すごいなこれ。
「ふふっ、すごいでしょ。精霊様が私たちを魔獣から守ってくれているのよ」
ん? なんだ精霊って? 突然初めて聞く言葉にミレイヤに尋ねようとしたが、ミレイヤはそのまま結界の中へと入って行った。
仕方ない。精霊とやらの事は後で聞くとしよう。俺もミレイヤの後についていく。結界を抜けると、その先の光景に俺はまた驚いてしまった。
だって、さっき結界の外で見た景色は周りの森と同じような感じだったのに、結界を通り抜けると、そこには村があったのだから。
村の中を走り回る子供たち。畑を耕す人や、訓練をする人々など、いつも見ていた光景と変わらないものがそこにはあった。
「ああっ! ペチャパイミレイヤが男の人を連れて来てる!」
「ペチャイヤが男!」
「板イヤがおとこ〜!!」
そして、俺たちに気が付いた子供たちが無情の攻撃をペチャ……おっと、ミレイヤに放つ。ぷるぷると震えているミレイヤは、ばっと顔を上げると、攻撃を放っていた子供たちを追いかけ始めてしまった……俺はどうすればいいんだよ。
「へぇ、珍しい気配があると思ったら、外の人間じゃないかい」
なっ! 俺は慌てて背後からの声から距離を取る……全く気づく事が出来なかったぞ、おい。振り向けば、ミレイヤの髪を紫色に変えてそのまま成長させたような女性が立っていた。
「ここに、外の人間が入ってくるなんて何十年ぶりかねぇ。それに、この近くに来る人間はどれも中々の腕を持っているようだ」
「……あなたも相当な腕前のようで。突然ここに来て申し訳ない。俺の名前はレディウス・アルノード。アルバスト王国というところで、伯爵をしている」
「ほう、その歳で伯爵とはのお。私の名前はシルファ。このアールヴ族の族長をしておる。数十年振りの客人じゃ。歓迎しよう」
アールヴ族の族長、シルファさんがそう言った瞬間、四方八方から矢が飛んで来た。俺は領域を発動し、それに合わせて明水流矢流も発動する。
かなりコントロールが難しいが、全ての矢が逸れていく。中々手荒い歓迎だな。いくら致命傷にならないように矢を放って来ているといっても、傷付くのには変わりないからな。
「うむうむ、やはり中々魔力の扱いも上手いようじゃな。ならこれならどうじゃ?」
シルファさんが指を鳴らすと、再び矢が放たれた。でも、これは囮だ。領域に入って来る気配を避けるために俺は後ろへと跳ぶ。すると、ズボッと地面から伸びる手。明らかに俺の足を掴もうと伸びて来た。
更には体に風が纏わり付いて来た。ずしんと重りをつけたような重さが体にかかる。そして、四方から走って来る気配。男のアールヴ族だった。
傷付けないように木で作った短剣なのだが、全員が魔闘装をしていた。全員が纏をしている事にも驚きだが、それ以上にこの4人の男の人たちが殺気立っているのにも驚きだ。
「覚悟しろ外の者よ!」
「我ら、無い乳愛同盟が相手だっ!」
「我らの無い女神、ミレイヤ様を誑かしおって!」
「万死に値する!!!」
……顔はイケメンなのに言っている事が酷いぞ、こいつら。しかも、1人1人の実力が結構高いのも腹が立つな。誰かが作った隙を狙って来る。戦い慣れている。
俺はレイディアントを鞘にいれたまま抜く。向こうも殺す気が無いのなら俺もそれでいく。まあ、魔闘装している点で怪しいが。
まずは前後の男たちが短剣で突いてきた。左右から来る男たちは振り下ろして来る。まずは後ろの奴だ。後ろから突いてくる男の短剣を、下からレイディアントで叩き上げ、後ろへ下がる。
左右から振り下ろされた短剣はそれで避け、前から突いてくる男からも距離を取る。後ろへ下がって、下がった方の男の肩を掴み、前にいる男へと投げる。
投げられた男は止まる事が出来ずに、そのまま前から来ていた男とぶつかってしまった。すると、その光景を見ていた左右の男たちの怒りが増した。
「3番、4番!! くそっ、許さんぞ貴様! 行くぞ副会長!」
「ああ、行こう会長! 風の精霊よ! 我らに力を貸してくれ! エアプレッシャー!」
副会長とやらが何かを唱えた瞬間、上から降り注ぐ風の圧。間に合わずくらってしまった。発動までの速度が速い!
「覚悟!」
短剣で突く構えで向かってくる会長。完璧心臓狙っているぞ、あれ。そんな事御構い無しに向かってくる会長。
会長が向かってくる前にこの魔法をどうにかしないと。この魔法の元を探すため魔闘眼を限界まで発動する。すると、うっすらと小さい影が見えてきた。
ただ、いくら見ようとしてもそこにぼんやりといる事しかわからない。ただ、このまま見ているわけにもいかない。雰囲気的に攻撃はしない方がいい気がするので、魔力をその気配に向かって放つ。
すると、その気配がビクッと震えた感覚が伝わってきた。同時に俺にのしかかるように来ていた圧が無くなる。
「なっ!? 風の精霊との繋がりが!?」
そして、突然戸惑い出す副会長。会長も異変に気付いたのか動きが鈍くなる。その隙に俺は前に出る。低く入り込み、下から一気にレイディアントを振り上げた。
レイディアントは真っ直ぐと会長の顎に向かい、防がれる事なく顎を打ち抜いた。
「会長ぉぉぉぉぉっ!!!!!」
吹き飛ばされる会長を追いかける副会長。ふぅ、これで終わりか?
俺の予想は当たったようで、様々な年齢のアールヴ族の人たちが集まって来た。集まって来たのは若い子で12、3の子で、上は年寄りまで。
微乳、普通乳、普通乳、巨乳、爆乳、無乳、普通乳、普通乳、微乳、微乳、普通乳、巨乳、巨乳……あっ、無乳ってミレイヤか。
……無乳も1つのステータスだと思うよ、うん。
「ええ、この結界の向こうが私たちアールヴ族が住む村があるわ」
魔闘眼をしてようやく見える魔力の壁。魔闘眼を使わずに見ればそこにはただの木々しか無いように見えるのに。すごいなこれ。
「ふふっ、すごいでしょ。精霊様が私たちを魔獣から守ってくれているのよ」
ん? なんだ精霊って? 突然初めて聞く言葉にミレイヤに尋ねようとしたが、ミレイヤはそのまま結界の中へと入って行った。
仕方ない。精霊とやらの事は後で聞くとしよう。俺もミレイヤの後についていく。結界を抜けると、その先の光景に俺はまた驚いてしまった。
だって、さっき結界の外で見た景色は周りの森と同じような感じだったのに、結界を通り抜けると、そこには村があったのだから。
村の中を走り回る子供たち。畑を耕す人や、訓練をする人々など、いつも見ていた光景と変わらないものがそこにはあった。
「ああっ! ペチャパイミレイヤが男の人を連れて来てる!」
「ペチャイヤが男!」
「板イヤがおとこ〜!!」
そして、俺たちに気が付いた子供たちが無情の攻撃をペチャ……おっと、ミレイヤに放つ。ぷるぷると震えているミレイヤは、ばっと顔を上げると、攻撃を放っていた子供たちを追いかけ始めてしまった……俺はどうすればいいんだよ。
「へぇ、珍しい気配があると思ったら、外の人間じゃないかい」
なっ! 俺は慌てて背後からの声から距離を取る……全く気づく事が出来なかったぞ、おい。振り向けば、ミレイヤの髪を紫色に変えてそのまま成長させたような女性が立っていた。
「ここに、外の人間が入ってくるなんて何十年ぶりかねぇ。それに、この近くに来る人間はどれも中々の腕を持っているようだ」
「……あなたも相当な腕前のようで。突然ここに来て申し訳ない。俺の名前はレディウス・アルノード。アルバスト王国というところで、伯爵をしている」
「ほう、その歳で伯爵とはのお。私の名前はシルファ。このアールヴ族の族長をしておる。数十年振りの客人じゃ。歓迎しよう」
アールヴ族の族長、シルファさんがそう言った瞬間、四方八方から矢が飛んで来た。俺は領域を発動し、それに合わせて明水流矢流も発動する。
かなりコントロールが難しいが、全ての矢が逸れていく。中々手荒い歓迎だな。いくら致命傷にならないように矢を放って来ているといっても、傷付くのには変わりないからな。
「うむうむ、やはり中々魔力の扱いも上手いようじゃな。ならこれならどうじゃ?」
シルファさんが指を鳴らすと、再び矢が放たれた。でも、これは囮だ。領域に入って来る気配を避けるために俺は後ろへと跳ぶ。すると、ズボッと地面から伸びる手。明らかに俺の足を掴もうと伸びて来た。
更には体に風が纏わり付いて来た。ずしんと重りをつけたような重さが体にかかる。そして、四方から走って来る気配。男のアールヴ族だった。
傷付けないように木で作った短剣なのだが、全員が魔闘装をしていた。全員が纏をしている事にも驚きだが、それ以上にこの4人の男の人たちが殺気立っているのにも驚きだ。
「覚悟しろ外の者よ!」
「我ら、無い乳愛同盟が相手だっ!」
「我らの無い女神、ミレイヤ様を誑かしおって!」
「万死に値する!!!」
……顔はイケメンなのに言っている事が酷いぞ、こいつら。しかも、1人1人の実力が結構高いのも腹が立つな。誰かが作った隙を狙って来る。戦い慣れている。
俺はレイディアントを鞘にいれたまま抜く。向こうも殺す気が無いのなら俺もそれでいく。まあ、魔闘装している点で怪しいが。
まずは前後の男たちが短剣で突いてきた。左右から来る男たちは振り下ろして来る。まずは後ろの奴だ。後ろから突いてくる男の短剣を、下からレイディアントで叩き上げ、後ろへ下がる。
左右から振り下ろされた短剣はそれで避け、前から突いてくる男からも距離を取る。後ろへ下がって、下がった方の男の肩を掴み、前にいる男へと投げる。
投げられた男は止まる事が出来ずに、そのまま前から来ていた男とぶつかってしまった。すると、その光景を見ていた左右の男たちの怒りが増した。
「3番、4番!! くそっ、許さんぞ貴様! 行くぞ副会長!」
「ああ、行こう会長! 風の精霊よ! 我らに力を貸してくれ! エアプレッシャー!」
副会長とやらが何かを唱えた瞬間、上から降り注ぐ風の圧。間に合わずくらってしまった。発動までの速度が速い!
「覚悟!」
短剣で突く構えで向かってくる会長。完璧心臓狙っているぞ、あれ。そんな事御構い無しに向かってくる会長。
会長が向かってくる前にこの魔法をどうにかしないと。この魔法の元を探すため魔闘眼を限界まで発動する。すると、うっすらと小さい影が見えてきた。
ただ、いくら見ようとしてもそこにぼんやりといる事しかわからない。ただ、このまま見ているわけにもいかない。雰囲気的に攻撃はしない方がいい気がするので、魔力をその気配に向かって放つ。
すると、その気配がビクッと震えた感覚が伝わってきた。同時に俺にのしかかるように来ていた圧が無くなる。
「なっ!? 風の精霊との繋がりが!?」
そして、突然戸惑い出す副会長。会長も異変に気付いたのか動きが鈍くなる。その隙に俺は前に出る。低く入り込み、下から一気にレイディアントを振り上げた。
レイディアントは真っ直ぐと会長の顎に向かい、防がれる事なく顎を打ち抜いた。
「会長ぉぉぉぉぉっ!!!!!」
吹き飛ばされる会長を追いかける副会長。ふぅ、これで終わりか?
俺の予想は当たったようで、様々な年齢のアールヴ族の人たちが集まって来た。集まって来たのは若い子で12、3の子で、上は年寄りまで。
微乳、普通乳、普通乳、巨乳、爆乳、無乳、普通乳、普通乳、微乳、微乳、普通乳、巨乳、巨乳……あっ、無乳ってミレイヤか。
……無乳も1つのステータスだと思うよ、うん。
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