仮面ライダーChess&[チェスト]

特撮マニア

魂を賭けて『変身!』1-3


「待って下さい!」

「嫌だ、お前こそ着いてくるな。」

「それこそ嫌です!」

事務所で茶封筒を投げ返されてから、
何を話そうとも重賭さんは話を聞いてくれなかった。
腹へった…飯、と唐突に外に出ていくので追いかけている最中だ。

「ちょっと…!話を聞いて下さい!」

「言っただろ、お前にはベット出来ないって」

ベット?
依頼料の事じゃないの?

「あの…!ベットってどういう……」

私が質問を言い終える前に重賭さんはお店へ
入っていく。
そのお店は……オムライス屋さん?


「お帰りなさいませー!」

元気な声が響いてくれば、
お店の奥から赤を基調としたメイド服を身に纏った可愛らしい女性が数人駆け寄ってきた。
そう、メイド喫茶だ。

「ただいま、いつもの席は空いてるか?」

「はい、空いてますよ!
ご注文もいつもので宜しかったですか?」

「それでいいよ、……連れはウーロン茶でも出しとして」

私は取り敢えず黙って席に案内されるが……。
重賭さん……、私と話すよりもトーン上がってません?

「ちょっと驚きました。
重賭さんがこういうお店の常連なんて。」

「こういう店は案外マニアとか変わった奴らが集まるからな、
面白い話が聞けたりするんだ。
決してメイドさん目当てじゃねーぞ?」

嘘吐け、
さっきからメイドさんを目で追ってる癖に……。

「それより!
なんで依頼受けてくれないんですか!?
お金が足りませんか?」

「……ああ、全然足らねーな。」

……っ、足元見られてるのかな…。
でもこれ以上は……っ!

「まさか……、私の身体が目当てで!?」

サッと自分の身体を抱き締める仕草して、
身の純潔に危機感を覚えたが……。

「黙れ、ペチャパイ。」

「ペチャ……!!」

「悔しかったら、此処の子達ぐらいに育ってみろ。まぁ、無理だと思うがな。」

言われつつ、メイドさん達をチラ見する。
そのあとに自分の胸元を見るもそこには絶望すらも……何もなかった。


メイドさんが料理を持って来た。
絹のような綺麗な卵がチキンライスを覆っている。確かにこのお店は外観で判断してはいけなさそうだ。

重賭さんがスプーンでオムライスを崩して食べながら問いかける。

「そもそも何で俺の所に訪ねて来たんだ?
これは予想だがガラクタの存在を東帝は公表したくないらしい。
お前の友達も今は東帝の研究所か何かに連れていかれたんじゃないのか?」

その通りだ……。
ガラクタにされた祥子は東帝研究所の所員だと言う全身白の防護服を来た人達が連れていってしまった。
一応連絡が取れるようにはなってるけど……。

「勿論、東帝の研究員どもも馬鹿じゃない。
お前の友達を元に戻せるように頑張ってんだろうよ。
その上で俺の所に来た理由はなんだ?」

「……。
その通りです……。
重賭さん……賭博屋さんを【紹介】して貰ったんです。」

オムライスを食べる重賭さんの手が止まる。

「紹介……?
誰にだ?」

私は少しだけ重い唇を開ける。

「……父です。」

重賭さんは私の父と自身の関係性が掴めず眉をひそめる。

「お前の親父さん……?
お前の名前って確か……。」

「私は……。」


その時、
地面が揺れた。
地震とは違う、まるで何かが此処に向かって地面を掘るように……。

「何…!?この揺れ…!?」

嫌な予感がした……。
先日、ガラクタにされた祥子を発見した時の絶望感よりも根深く、テレビでメイルを見ていた時よりも強い、恐怖が私を震えあがらせる。

ドォン ️

地響きから最後に大きな揺れとお店の外からとてつもない爆音が響く。
その衝撃に窓ガラスは一斉に割れ、お客さんはパニックを起こしていた。
席の正面にいる重賭さんは不安も焦りも見せず、ただ割れた窓ガラスの奥、外の景色をジッと見ていた。その姿のお陰か私もパニックは起こさなかった。

お店の中から外の景色はあまり見えない。
さっきの衝撃で起きた土煙が視界を阻害する。
私は目を凝らした。
すると土煙の中にゆらりと揺れる光があった。
赤い光が二つ、その光の正体が土煙が薄れ徐々に明らかになっていく。
【眼】だ。
赤く光る瞳、くすんだ鉄色の金属で覆われた皮膚、鋭い歯とも言えぬ口を開き呼吸する度に白い息が溢れ出る。
存在が発覚してから半年、テレビの映像でも何でもない、私がこの眼で初めて見た……、


【メイル】がそこに存在した。


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