思いつき短編集

かなみん

『視線』

「ごめん!待った?」
「今来たところだよ、大丈夫。」
「じゃあ行こうか」
「うん!」
今日は彼と久しぶりのデートだから
少し張り切ってる…
「あ!アレ見て!凄いよ!」
「ねぇこっちも!来て来て!」
「まぁちょっと待てよ」
「そうだね…ごめん目新しいものばかりだから」
「んん?そうか?まぁ楽しそうだからいっか」
楽しい時間はあっという間にすぎるもので
私は彼に家の前まで送ってもらった
「今日はありがとう!私がいっぱい見てまわっちゃったから疲れちゃったね」
「お前が楽しかったならそれで十分疲れもとれるよ」
「えへへ、ありがとう…」
「でも今日見てたの結構前からあるけどなぁ」
「え?そ、そうだっけ。あ!もう時間も遅いしもう家入るね!今日は本当にありがとう!」
「ああ、おやすみ。風邪ひくなよ」
「うんおやすみ。」
私は急いで玄関をくぐった
「あらあんたおかえり」
「ただいま」
「そんなに急いで何かあったのかい?
もしかして…」
「ちがう!ちがうから!私たち仲良し!大丈夫だから!」
「そう、ならいいわお風呂入んなさい」
「はーい」
この会話中私はほとんど下を向いていた
理由は簡単でこんな緩々な顔お母さんに見られたら絶対にからかわれるからだ。
「むー…」
私は湯船に顔を沈めながらさっきふと気づいたことに悩まされている。
「むぅーーー…」
まさかこんなタイミングで、
私が普段どこを見てたか気付かされるなんて。

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