思いつき短編集

かなみん

『人魚姫 反側面』

主人公は元々ただの女の子
姫でもなくましてや人魚でもない

場所は変わって海底
人魚姫に持ちかけられた話
「お前に人間の足をやろう、代わりに
お前の声をもらうよ」
魔女は肝心な事を話さなかった。
この取引の本当の意味を。
呪いは決して消えない 例えそれが成立したものでも
呪いの内容は
世界に存在する誰かから 足 を奪い
代わりに 魚の下半身 を与える
声を奪う そして 人魚姫の声を与える
世界の誰かが必ず 人魚姫 になる
無慈悲に、無作為に
そして魔女は人魚姫を探す
そしてこう持ちかける
「お前に人間の足をやろう、代わりに
お前の声をもらうよ」

コメント

コメントを書く

「文学」の人気作品

書籍化作品