ABILITY Ⅶ

Rain

第1話

「ここが能力育成学校か……でけぇな」


今日から高校生になる俺    神崎悠はあまりの校舎の大きさに少し驚いていた。

この世界には普通の学校と能力育成学校の2つがある。

15歳の誕生日から受けることの出来る能力適合試験を受けた者の多くはこの能力育成学校に入学する。

俺は早速校舎に入ろうとしたのだが、


「おい。お前受付はもうしたのか…?」


横から目つきの悪い根暗な人に話しかけられた。


「受付?そんなもんしてねーよ?」


「そうか。早めにすませろよ……。受付はあっちだ……。」


「…?分かった。悪いな場所まで教えて貰って」


どうやら何かの受付が必要らしく俺は教えて貰った場所へと急いだ。


「クラス振り分けバトルの申込者ですか?」


「クラス振り分けバトル……?なんすかそれ?」

「この学校はAからCクラスまでの3つのクラスがあり、その振り分けをこのバトルで決めるのです。ご存知ありませんでしたか?」

へぇ…。クラスの振り分けか……。なかなか面白い仕組みだな。


「じゃあここで受付すりゃいいんだな?」


「はい。ではこちらの用紙にお名前とご自身の能力をお書き下さい」
 

俺は渡された紙に記入をした。


「はい、これで大丈夫か?」

「OKです。ではこちらの番号札とこの紙持って、あちらの会場へお進み下さい。ご健闘を願います。」


そうして俺は会場へと足を運んだ。さっき貰った紙には大体の概要とバトルのルールが載っていた。

大まかにまとめると

 校庭の中で仕切られたバトル会場の中で
  1VS1で、他の生徒と戦う
 勝負はどちらかが戦闘不能になった時点で    
 終了
 クラスの振り分けはバトルの勝敗によって決まるのではなくバトル中の功績、能力によって決まる
 制限時間は1時間
 このバトルによって決められるのは振り分けだけではなく、除籍処分もありうる。



………除籍処分あるのかよ。入学すらしてないのに………。

と1人で色々考えていると


「……えー、それでは今から振り分け試験を始めます………。」


さっきの根暗な人が話し始めた。てかあれ先生だったのかよ。やる気というか覇気が感じられん……。


「今からこのモニターに対戦番号を表示する……。自分の番号を確認するように……」


俺の持ってる番号は87番。 モニターには、
67 vs  87と表示されている。

なるほど俺は67番さんと戦えばいいのか。そしてその横には7バトル目と書いてある。

意外と早くね…?


「確認したらバトルフィールドから出るように………。観客席から他人のバトルをよく見とけ……。以上」

根暗先生はそう告げるとだるそうにどこかへ行った。


しばらくしてフィールドには1バトル目の受験者2人だけになった。


観客席からの、熱気と歓声が飛び交う中

1バトル目が始まろうとしていた。




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