Tragedy of Errors

ばけ。


そこで、目が醒めた。
――――すべて、幻想だった。

手に滴が数滴、落ち。
辺りを見ると、枕元が濡れていた。

悲しい夢・・・だったのだろうか?

思えば、懐かしい夢を見ていた気がする。
肝心の夢の内容を思い出せないけれど。

「妹の夢を見ていた気がするの・・・」

愛しい妹。
もう、話すことも、触れるさえ出来ない。

「・・・恨まれてるのかな」

だって、夢にまで出て来るなんて。

昨日、殺してしまったから。
目が見えず、耳も聞こえない妹を。

「智花お姉ちゃんが・・・殺してしまったから」

お線香を焚き、仏壇に飾られた写真に手を合わせた。



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