【固有スキル】は±0~必要、取得経験値、共に十億倍~
17話 平和条約
「よし、そろそろ昼飯にするか」
「やっ、と終わ、り……?」
「あとは反復練習を続けて自分に合う形に直して技を作るだけだ」
「反復練習ってどれくらい?」
「ふむ、ステータスがあるからな……ざっと5回くらいじゃないか?」
「うわぁ…」
創始はこれからの鍛錬に身震いしている練を尻目に練の装備の手入れを始める。
ちなみに創始は鍛錬中ずっと体術だったので武器の手入れは必要が無い。
そこで創始は短剣の変化に気づく。
「お、これ強化されてるな」
創始が超越ので眼により鑑定眼を使い、練は鑑定を使う。
────────────
【練ト磨ノ双刃】
レベル:3
レア度:神話級
[この短剣、2つで1つ。この2つが離れることは無い。攻撃力が倍加し、鍛錬中は周囲の時間が遅延される]
〈装備スキル〉
条遅
片我之意思
強化
破壊強化
進化
〈付与効果〉
攻撃×2.5
────────────
・破壊強化
[破壊される事に再生し、経験値が溜まっていく]
・進化
[一定レベルに到達するとレア度が上昇する]
「へぇ……」
「うわぁ……」
創始は興味深そうに、練は引き気味に呟く。
「まあいい。練はBPとSPの確認しとけ、まだ手入れするから」
「分かった」
そして数秒、練がSPの割り振りを終えたと同時に創始による短剣の手入れが終了した。
「こんなもんだな、練はどうだ?」
「うん、できた。ステータスの平均が5000くらいになった」
「まあ、そんなもんか」
「昼はまだ?」
「飯ができたならソーバスが呼びに来るさ」
ソーバスが来るまで暇だからと、創始は練に1つアドバイスをする。
「練、その武器に条遅ってスキルがあるだろう?」
「あるね、この外套もそれっぽいスキルはあるけど」
「条速、だったか?まあ、そんなことはどうでもいい。そのスキル…戦闘でも使えると思うぞ?」
「え?でもこれは鍛錬中っていう条件を満たさないと発動しないはずだけど?」
「鍛錬だろう。戦闘中だろうが、自分の力を鍛えるならそれは鍛錬と言えるさ」
「なるほど……ということは僕は戦闘中常に4倍の速度で動けるってこと?」
「そういう事だ、もちろん縮地を修得すればもっと速く動けるだろうがな」
そんな話をしているとドアがノックされる。
どうやらソーバスが来たようだ。
「ソウシ様、レン様、お食事の用意が整いましたのでお迎えにあがりました」
「あぁ、ありがとう。部屋に向かうから部屋に運んでもらえるか?」
「かしこまりました」
~~~~~~~~
時は遡り、創始と練を除いた勇者達は悠吾から話を聞き、王城へと帰還していた。
「勇者様方、ご無事でしたか。おや、ソウシ殿とレン殿はどこへ?」
話を直接聞いた悠吾の方が説明しやすいだろうと、勇者達の視線が悠吾に集まる──のでは無く、悠吾がどこにいるのか気づかずにキョロキョロと探していた。
だが、悠吾は先頭に立っているのだ。
それなのに気づかれていないことに涙目になっている悠吾だったが、自分から声を出して説明した。
「ふむ、そういう事でしたか」
話を聞いたグライサスが考えていると扉がノックされた。
グライサス専属の執事のようだ。
「陛下、火魔王様から手紙が届きました。」
「ふむ?」
専属執事から手紙を受け取り開封する。
───────────────
突然の手紙を失礼する
まず、話を聞いているでしょうが、こちらの事情で勇者を預かったことに謝罪したい。
今回手紙を届けた理由はそちらの王城にて我との対話、そして末代まで残る永久の平和条約を結びたいと思ったからだ。
この手紙には魔法が付与されているため、その対話に応じるというのであれば『火属性魔法』で焼いてくれればその場に転移できるようになるため、できればその対話に応じていただけるとありがたい。
火魔王[ユーズガルド・フィア・ビースト]
───────────────
「勇者様方、少し失礼する。シビアス!対話室の使用準備を!」
「かしこまりました」
シビアスと言われた国王専属の執事は部屋から出ていく。
「勇者様方、すまないが昼食は勇者様方だけで食べてもらいたい。私たち王族は全員用事ができた」
「分かりました」
いつもの如く勇志が返事をし、グライサスは直ぐに部屋から出ていった。
~~~~対話室~~~~
「では、『我が求むは火──«ファイア»』」
グライサスが魔法で手紙に火を着ける。
そして手から話した瞬間、手紙のサイズに合わない火が発生しそのまま人の形を取り──配下を連れて火魔王が現れる。
「ウィルダート王国国王、グライサス・ラズ・ウィルダートであっているだろうか」
「如何にも、私がウィルダート王国の国王だ」
「まずは対話に応じてくれた事に感謝する」
「私達王族も魔族と平和条約を結びたかったからだ。侵攻してこない魔王軍ならば行けるのではないか、そう思っていた」
「そちらも、か」
「ええ、では話を始めましょうか───」
その後、長時間に渡り対話をした結果、ウィルダート王国と火魔王の国ビーストとの平和条約が結ばれることとなった。
簡単に纏めると以下のようになる。
───────────────
:平和条約:
一 ウィルダート王国とビースト王国はお互いに戦争を起こすような行動をしない。
二 どちらかの国が別の国に侵攻されているとき、どちらもの協力体制の元、お互いを助け合うこと。
三 この条約は魔導具による決定のため、どちらの国も滅びるまで厳守するものとする。
───────────────
「これで今度からは協力体制を作れる、安心できる」
「ああ、私たちも安心だ」
「ではな、次は冒険者ギルドにも話して平和条約を結びたい、こちらの国にも冒険者が来るようにしてもらいたいからな」
「いい結果になるように私からも話しておきましょう」
【雑談】
登場人物の話を除いて全部で18話、何故こんなに早く平和条約が……(白目)。
【報告】
今回は文字数調整のために500字ほど少なくなっております。
【いつもの】
誤字脱字や作品への意見等ございましたらコメントしていただければ幸いです。
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「やっ、と終わ、り……?」
「あとは反復練習を続けて自分に合う形に直して技を作るだけだ」
「反復練習ってどれくらい?」
「ふむ、ステータスがあるからな……ざっと5回くらいじゃないか?」
「うわぁ…」
創始はこれからの鍛錬に身震いしている練を尻目に練の装備の手入れを始める。
ちなみに創始は鍛錬中ずっと体術だったので武器の手入れは必要が無い。
そこで創始は短剣の変化に気づく。
「お、これ強化されてるな」
創始が超越ので眼により鑑定眼を使い、練は鑑定を使う。
────────────
【練ト磨ノ双刃】
レベル:3
レア度:神話級
[この短剣、2つで1つ。この2つが離れることは無い。攻撃力が倍加し、鍛錬中は周囲の時間が遅延される]
〈装備スキル〉
条遅
片我之意思
強化
破壊強化
進化
〈付与効果〉
攻撃×2.5
────────────
・破壊強化
[破壊される事に再生し、経験値が溜まっていく]
・進化
[一定レベルに到達するとレア度が上昇する]
「へぇ……」
「うわぁ……」
創始は興味深そうに、練は引き気味に呟く。
「まあいい。練はBPとSPの確認しとけ、まだ手入れするから」
「分かった」
そして数秒、練がSPの割り振りを終えたと同時に創始による短剣の手入れが終了した。
「こんなもんだな、練はどうだ?」
「うん、できた。ステータスの平均が5000くらいになった」
「まあ、そんなもんか」
「昼はまだ?」
「飯ができたならソーバスが呼びに来るさ」
ソーバスが来るまで暇だからと、創始は練に1つアドバイスをする。
「練、その武器に条遅ってスキルがあるだろう?」
「あるね、この外套もそれっぽいスキルはあるけど」
「条速、だったか?まあ、そんなことはどうでもいい。そのスキル…戦闘でも使えると思うぞ?」
「え?でもこれは鍛錬中っていう条件を満たさないと発動しないはずだけど?」
「鍛錬だろう。戦闘中だろうが、自分の力を鍛えるならそれは鍛錬と言えるさ」
「なるほど……ということは僕は戦闘中常に4倍の速度で動けるってこと?」
「そういう事だ、もちろん縮地を修得すればもっと速く動けるだろうがな」
そんな話をしているとドアがノックされる。
どうやらソーバスが来たようだ。
「ソウシ様、レン様、お食事の用意が整いましたのでお迎えにあがりました」
「あぁ、ありがとう。部屋に向かうから部屋に運んでもらえるか?」
「かしこまりました」
~~~~~~~~
時は遡り、創始と練を除いた勇者達は悠吾から話を聞き、王城へと帰還していた。
「勇者様方、ご無事でしたか。おや、ソウシ殿とレン殿はどこへ?」
話を直接聞いた悠吾の方が説明しやすいだろうと、勇者達の視線が悠吾に集まる──のでは無く、悠吾がどこにいるのか気づかずにキョロキョロと探していた。
だが、悠吾は先頭に立っているのだ。
それなのに気づかれていないことに涙目になっている悠吾だったが、自分から声を出して説明した。
「ふむ、そういう事でしたか」
話を聞いたグライサスが考えていると扉がノックされた。
グライサス専属の執事のようだ。
「陛下、火魔王様から手紙が届きました。」
「ふむ?」
専属執事から手紙を受け取り開封する。
───────────────
突然の手紙を失礼する
まず、話を聞いているでしょうが、こちらの事情で勇者を預かったことに謝罪したい。
今回手紙を届けた理由はそちらの王城にて我との対話、そして末代まで残る永久の平和条約を結びたいと思ったからだ。
この手紙には魔法が付与されているため、その対話に応じるというのであれば『火属性魔法』で焼いてくれればその場に転移できるようになるため、できればその対話に応じていただけるとありがたい。
火魔王[ユーズガルド・フィア・ビースト]
───────────────
「勇者様方、少し失礼する。シビアス!対話室の使用準備を!」
「かしこまりました」
シビアスと言われた国王専属の執事は部屋から出ていく。
「勇者様方、すまないが昼食は勇者様方だけで食べてもらいたい。私たち王族は全員用事ができた」
「分かりました」
いつもの如く勇志が返事をし、グライサスは直ぐに部屋から出ていった。
~~~~対話室~~~~
「では、『我が求むは火──«ファイア»』」
グライサスが魔法で手紙に火を着ける。
そして手から話した瞬間、手紙のサイズに合わない火が発生しそのまま人の形を取り──配下を連れて火魔王が現れる。
「ウィルダート王国国王、グライサス・ラズ・ウィルダートであっているだろうか」
「如何にも、私がウィルダート王国の国王だ」
「まずは対話に応じてくれた事に感謝する」
「私達王族も魔族と平和条約を結びたかったからだ。侵攻してこない魔王軍ならば行けるのではないか、そう思っていた」
「そちらも、か」
「ええ、では話を始めましょうか───」
その後、長時間に渡り対話をした結果、ウィルダート王国と火魔王の国ビーストとの平和条約が結ばれることとなった。
簡単に纏めると以下のようになる。
───────────────
:平和条約:
一 ウィルダート王国とビースト王国はお互いに戦争を起こすような行動をしない。
二 どちらかの国が別の国に侵攻されているとき、どちらもの協力体制の元、お互いを助け合うこと。
三 この条約は魔導具による決定のため、どちらの国も滅びるまで厳守するものとする。
───────────────
「これで今度からは協力体制を作れる、安心できる」
「ああ、私たちも安心だ」
「ではな、次は冒険者ギルドにも話して平和条約を結びたい、こちらの国にも冒険者が来るようにしてもらいたいからな」
「いい結果になるように私からも話しておきましょう」
【雑談】
登場人物の話を除いて全部で18話、何故こんなに早く平和条約が……(白目)。
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