黒竜転生〜ドラゴンに転生した男の物語〜

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46話 獣人族の力

「くっ、くそ〜!なんで、なんで助けてくれなかったんだよマルシアさん!」

「すまない、私はハイゼンに逆らえない、そういう決まりなんだ、」

ネネとモモはまだ目覚めなかった、

マルシアは直ぐ近くの切り株に座り込むと重い口を開いた。

「私もあの事件の時国を守ることができなかったのだ、エルフは規則などに厳しい種族でね、私も役に立たなかったことで罪に問われた。
でも私は封印の魔法を一人で使える、それで価値があるという話しになり追放まではされなかったのだけど国の決定したことに口を出さないという取り決めを交わされたの、」

「ここには呪いが掛けられてて私が国に反発を起こすと発動するようになってる、」

そう言ってマルシアは自分の左胸を手で押さえた。

「それじゃあ、マルシアさんはあのハイゼンという男には逆らえないということか?」

「そういうことになるわね、戦うことすら出来ないの、これがあなたにエルフィアのことをお願いした理由、」

「まさか、もう気づかれてるとは思わなかったけどね、」

「多分、ここに来る前にエルフに見つかった、その時の奴らが報告でもしたんだろう、」

「なるほどね、ハーフエルフなんてエルフィアしか考えられないもの、」

迂闊だった、もう少し考えれば分かることだった。エルの苦しみを取り払ってやると誓ったばかりだというのに、、

「封印の魔法を止めることは出来ないのか?」

「無理ね、終わるまで待つしかな、、、」

「そんなんじゃ手遅れになるんだよ!!」

マルシアは目を細め悲しそうな顔をしていた。

「ごめんなさい、私にはどうすることも出来ないの、、でも諦めるにはまだ早いわ、あの獣人族の双子、あの子達に賭けてみるしかないわ、」

「ネネとモモに賭けてみるということか?無理だ、まだ子供だぞ、」

「獣人族には『覚醒』というものがある覚醒することで獣人族は本来の強さを発揮するのよ、」

「覚醒、」

「ただ、まだあの子達はその域に至っていないみたいね、覚醒に至るには過酷な修行が必要よ、けど私なら一時的にその力を引き出せる、」


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