黒竜転生〜ドラゴンに転生した男の物語〜

GдЙ

12話 ワイバーン

宿に入ってきた男達は俺の近くまで来ると話しかけてきた。

「俺は王国騎士団のガルム隊の隊長であるガルムというものだ、お前さっき町の通りで事件を起こしたもので間違いないな?」

王国騎士団ってなんだ?それにしてもこのガルムってやつでかいな、

「もぐもぐ、ごっくん!お、王国騎士団!?なんでこんなとこに王国騎士団がいるのよ?」

エルの驚き方から普通のことではないらしい。

「で?俺に何の用だよ?」

「少し表に出てもらおう!」

「分かった!」

俺は王国騎士団というのがどういうものなのかが気になり付いて行くことにした。

「待ってよ、ルーク!」

「少し行ってくるよ!エルは飯でも食っててくれ!」

「大丈夫よね?ちゃんと帰ってきてね?」

「おう、だから待っててくれ!」

ガルムというやつに付いて行くと町の外壁を出て草原についた。

「さて、問おう!お前は何者なんだ?」

何て答えよう?流石にドラゴンとは言わない方がいいな、取り敢えず冒険者とでも言っておくか、

「俺は冒険者をやっているルークというものだ。」

「冒険者ならギルドカードを見せてもらおうか、」

うっ!ギルドカードなんて持ってないぞ、
どうすればいい、

「さあ、早く、、」

ど、どーしよ、

「どーした?早くださんか、」

その時だった、ものすごい風が吹いてきたと思うと空に黒い影が現れた。

「な、なんだ?」

「くっ!これはまさか、ワイバーンか、」

銀色の翼竜が舞い降りてきた。ワイバーンは降りてくるなり炎のブレスを吐き襲ってきた。

ブオオオーーー!!

「くっ!あっちいな」

「ルークとやら、一旦この話は後だ。下がっていろ!」

ガルムは腰に刺さった剣を抜くとワイバーンに向かって行った。ガルムの剣は紫色に光るとワイバーンの吐く炎を切り進んでいく。

「これでも食らっとけっ!」

ガルムの剣はワイバーンの頭に命中したが弾かれた。

「くっ!硬いな、今の俺の力ではこの程度が精一杯だ、おい!ルーク!ここは俺が引き止めるお前はさっきの宿に行き俺の仲間達を呼んでこい!」

あれっ?こいつ俺のこと庇ってくれるのか?意外といいやつなんじゃ?

キンキン、、ガキン

ワイバーンの爪を剣で受け止めているガルムはかなり苦しそうだった。俺が一旦町に戻っていたらこいつはやばそうだな。少し加勢をするか!

「おっさん!そのまま耐えててくれ!」

「な、何をする?」

俺は足に力を入れてワイバーンに向かって行くと顎にアッパーを食らわした。

ドゴーン!

ワイバーンは空中にぶっ飛んだ。そのまま空いたワイバーンの腹に回し蹴りを叩きこむと「ガウゥゥ」と鳴きフラフラしながら飛び去っていった。

「意外に弱かったな、」

ガルムの方をみると、少し驚いたようにこちらを向いていた。

「お前は何者なんだ?」

「俺は冒険者、、になるつもりでこの町に来たんだ。少し強い力を持っているからこの力を冒険者と活かせないと思っていた。決して怪しいものではないぞ!」

「そうか、そうだったのか、なるほどな、疑ってすまなかった、この近くに強大な魔力を感じ探していたのだがお前からは魔力を感じない、それに助けてもらった借りもできてしまったからな、」

あれっ?結構簡単に理解してくれた、助かった。

「俺の考えではドラゴンだと考えていたんだがドラゴンだと同族のしかもワイバーンが襲ってくることはありえないからな」

うわ〜そこまで分かってたのかよこのおっさん、あっぶね〜!

「あはは〜、それは凄い勘違いだな〜まったく〜」

内心ドキドキしながら俺は笑ってごまかした。


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