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Regulus

有賀尋

When Wish upon a Star

はる、本社に迎え来てー』

ふとスマホのロック画面を見るとそんな連絡がはいっていた。

...またか。
まぁいい。いつもの事だ。

『りょーかい、エントランスで待っとけ』

そう連絡を返して、俺は迎えに向かう。
エントランスまで由真ゆまを迎えに行くと、由真はさも同然のように助手席に座る。

「ねぇ、遥。もしも願いが叶うならなんてお願いする?」

ふと由真がらしくないことを言い始める。

「...なんだ、どうしたいきなり」
「何となく。遥ならなんて答えるかなってさ」

...今日はやけにセンチメンタルだな。本社でなんかあったのか?

「どうしたんだ、お前らしくない」
「いーじゃん、答えてよ」
「はぁ?......そうだな、大学生に戻ってやり直したい」
「そっか」
「なんなんだよお前。本当に今日どうした?」
「...なんでもない」

そう言うとそっぽを向いた。
仕方ない、今日は甘やかすとするか。
慶と志輝が付き合ったあと、俺達2人で呑んでいた時の事だ。由真がいきなり、

「...ねー、俺と付き合わない?」

と言ってきた。呑みの席の冗談だと思った俺は生返事で

「そうだな」

と答えた。

「...ちょっとー、ちゃんと聞いてよ」
「なんだよ、聞いてる」
「生返事だったじゃん!ねー、俺と付き合ってよ」
「なんだ、新手の冗談か?」
「本気だってば」

が、どうやら由真は本気らしかった。
あんだけ「俺はもっと遊びたいから」と言っていた由真が一体なんの風の吹き回しか。
だったら本気で答えねばなるまい。

「分かった」
「...まじ?いいの?」
「本気なんだろ。だったら本気で返すまでだ」
「喧嘩と勘違いしてない?」
「...お前俺をなんだと思ってんだ」
「本気で返すとか言うから」
「あのなぁ、お前が本気なら俺だって本気で付き合うって意味だよ」

由真のことだからわかるだろうと思った俺が馬鹿だった。まぁ俺の言葉が悪いことも知ってる。

「...OKされるとは思わなかったなー」
「なんでだよ」
「いや、ないわーとか言うかと」
「...あのなぁ、俺そこまで人でなしじゃないぞ」

確かに興味はないと言った。何度か付き合った人はいたけど自然消滅だったし、だいたい向こうの一方通行で終わるだけだ。

「ふふん、じゃあこれからよろしく?」

無邪気に笑って首をこてんと傾ける。
俺はくしゃっと頭を撫でた。

「これからじゃなくてこれからも、の間違いだろ」
「確かに、そっちの方が正しいね」
「Regulusとしても、個人としてもな?」
「知ってるー」

と、まぁこんなことがあったのはつい先週の事だ。
慶達に一応報告すると「やっとか」と言われ、志輝にも「良かったね、おめでとう」と言われ。恰も知っていたというふうだ。

そして今に至る。
因みにまだ同棲はしていない。色々とめんどくさいのだ。

「お前今日どうすんの、俺ん家?それとも家に送ればいいのか?」
「...ローエンがいるから俺ん家。途中店よって、買い物する」
「何を?」
「酒と食い物」

...またやけ酒パターンだな。こりゃまた本社で何か言われたに違いない。
迎えにこいというのはまぁいつもの事だ。ついでに酒に付き合えと言われる。
それが嫌なわけじゃない。むしろ、慶や志輝に見せない顔だ。
酒を買って帰ると、ローエンが寄ってきて由真が抱きかかえる。

「ただいまーローエン。今日は遥もいるよ」
「よう、ローエン。ちょっと久しぶりだな」

そう言うとローエンは1回吠えた。

「ローエン部屋戻ってて」

そう言ってローエンを下ろすと聞き分けがいいのか自分の部屋に戻って行った。
キッチンに買ったものを置いて、リビングに向かうと、先にリビングにいた由真は荷物をどかっと置いてソファーに座った。
俺も隣に座ると由真が寄りかかってくる。

「もーやだー、スイッチ切るー」
「おー、切れ切れ。お前も本当に不器用っつーかなんつーか」
「いーじゃんか、外面保つの大変なんだよー」
「ったくしゃーねーな」

くしゃっと頭を撫でると由真は気持ちよさそうにする。普段気を張りつめているから尚更なんだろう。

「遥ーごはんー」
「ガキかお前は。今から作ると遅くなるぞ、何がいいんだ?」
「軽いのでいいから遥が食べるのー」
「わーかったわかった、じゃあちょっと待ってろ」

俺はガッツリ食べたかったが、由真が軽くでいいと言うし、どうせ酒を呑むんだからツマミを作ればいい。そんなことを考えつつ、軽くうどんにした。
これなら簡単に出来るし、何かと楽だろう。
うどんを食べ終えて由真を風呂に入るように促し、その間に買ってきたものを冷蔵庫にしまったり、酒の肴を作ったりしていた。

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