勇者の魂を受け継いだ問題児
*早朝の学生寮―3*
「……いやぁ~、助かった助かった~。 一時はどうなる事かと……」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「しっかし、センリ~♪ お前もなかなかやるじゃねえか! まっさか、もうクラスの女子とお近づきになっていたとは~! かァーーッ!お前も隅に置けないなぁ~ッ?コノコノ~ッ!」
などと言いながら、クロードが肘でセンリの横腹を何度もごつん、ごつんと突いてくる。
そんな光景を、正面の席に座りながら眺めていた三人の少女たちの目は、完全にドン引きしているソレだった。
そこで、サヤがフィリシアに小声で訊ねる。
「(……ねぇ!なんなのよ、あのチャラいの!)」
「(同じクラスのクロードさんですよ。……ほら、センリさんの前の席に座ってる――)」
「(そんな事くらい知ってるわよ! 私は、どうしてこんな軽薄そうなヤツと一緒に食事してんのかって聞いてるの!)」
「(……そ、それは……シャノンさんが……)」
「(え、えぇ~!?あたし!? あたしは別にセッちんを呼んだだけで、まさかこの人も付いて来るだなんて思ってなかったんだよ……)」
「…………」
……散々な言われようだな。
まぁ、本人は気付いてないようだが……。
というか、片っ端からあだ名を付けていくあのシャノンが、"この人" って……。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「……あ、あれぇ~?? どしたの~? みんなして黙っちゃって~……」
しかし、いくら自分が喋っても返事が返って来ない事を疑問に思ったのだろう。
話を盛り上げるためか、クロードがさらに声を張り上げて言い出した。
「折角の食事なんだからさっ! みんなもちょっとは喋ろうか!!」
「―――おまえはちょっと黙ろうか!?」
「―――あんたはちょっと黙ろうか!?」
さすがに堪忍袋の緒が切れたセンリとサヤ。
センリが、手に持っていたコーヒーカップをテーブルにドンと叩きつけ……。
サヤが、『もう黙って』という言語を超えた表情で訴えかけてくる二人の少女たちを代弁し……。
―――同時に、そう怒鳴った。
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