人外と友達になる方法

コング“シルバーバック”

第1話 宿題はきちんと家でやりましょう 〜洞窟篇〜

 今日も退屈な一日が始まった。
 伊鳴 悠火いなり ゆうかは憂鬱な朝にため息をこぼしていた。
 ただ座って先生の退屈な授業を聞いているように聞き流し、クラスメイトとの雑談に相槌を打つ。そんな退屈な一日だ。
 日々の楽しみといえば昼の弁当の時間と、休み時間の友達との雑談くらいのものだ。
 しかしそんな悠火にも仲のいい友達はいる。例えば今まさに悠火に話しかけている目の前の男子だ。

「なあ、聞いたか?」

 クラスメイトの鬼嶋 奏鳴きじま そうめいだ。
 悠火とは違って明るくて活発な奴だが不思議と馬が合い、いつしか親友と呼べるような仲になった。

「あのなぁ、そう……聞いたか? じゃ、わからねぇだろ」

 悠火がそうツッコミを入れたが奏鳴に反省の色は全くみられない。

「あれだろ? 最近噂になってる裏山の洞窟」

 奏鳴の問いかけに答えたのはクラスの秀才、西園寺 光秀さいおんじ みつひでだ。
 これまた悠火とは縁がなさそうな真面目君だが、奏鳴の幼馴染みという理由でよく遊ぶうちに仲良くなった。

「そう! それそれ」

「光秀……何でわかったんだよ」

 あの質問でよくその答えに辿り着いたなと、悠火は感心する。
 幼馴染みだけに通じるものがあるのだろうか。

「で? どんな噂だよ」

 早く話させろと言わんばかりの表情を浮かべる奏鳴に話の続きを話すよう促す。

「なんでもその洞窟には出るらしいんだよ」

 待ってましたと言わんばかりに奏鳴が勢いよく話し始める。
 よし、と言われた犬のようだ。

「出るってまさか、幽霊?」

「そう! やばくね!?」

 悠火と光秀は互いの顔を見た後、腹を抱えて大笑いした。

「あっはっは……あ〜オモシロ! 奏、お前まだ幽霊とか信じてんのかよ」

 悠火たちは今年高校に上がったばかりだ。
 流石にこの歳になると幽霊なんて信じていない者の方が多いだろう。
 ホラー映画やお化け屋敷は怖いが。

「悠火の言う通りだ。幽霊なんて科学的に証明できない」

 光秀も秀才らしい意見で奏鳴の意見を切り捨てる。
 しかし二人の反論にめげることもなく奏鳴も自分の意見を主張する。

「けどそれを言うならよ、幽霊がいないことも証明できないだろ?」

 奏鳴の反論が思っていたより的を得ていたため流石の光秀も少したじろいでしまう。

「それは……確かにそうだけど……」

「ほら見ろ! 夢は大きい方がいいじゃんか!」

 奏鳴が珍しく光秀を言い負かしたところで教室のドアが開き、次の授業の担当教師が入ってきた。

「やべっ! 宿題してない!」

 奏鳴は大急ぎでノートを開け、ワークの答えのページを丸写しし始める。
 次の授業の担当は日付と出席番号をリンクさせることで有名な伊藤先生なので今日は奏鳴が当たるのだ。

「この話の続きは後でだな」

「だね」

 悠火と光秀も自分の席に戻って授業の準備をする。
 始業のチャイムが鳴り、授業がスタートした。

「じゃあ、宿題の確認からするぞー。今日は十四日だから……鬼嶋、問四を途中式も一緒に板書してくれ。もちろん答えを丸写しなんてしてないだろうから、簡単だよなぁ?」

 奏鳴が答えを丸写ししていたのを見ていたであろう伊藤先生が奏鳴を煽る。

「も、もちろんじゃないですか! やだなぁ……」

 奏鳴はこっちへ目で合図をしてくるが自業自得だ助け舟を出すようなことはしない。
 当然奏鳴はこっぴどく説教を食らった。





 四時間目の授業が終わり、生徒たちの一日の楽しみ、昼休みがやってきた。
 悠火たち三人はいつも屋上で一緒に弁当を食べている。
 屋上は割と人が多く一年生から三年生まで数多くの生徒が利用している。

「お前ら! 何で助けてくれないんだよ!」

 さっきの授業で悠火たちが助け舟を出さなかったことを奏鳴にぐちぐちと文句を言われる。
 しかし悠火たちに非はない。むしろ自業自得だ。

「あれはお前が悪い」

「光秀の言う通りだ」

 あっさりと一蹴されてしまった奏鳴は別の方向から悠火を責めることにシフトチェンジした。

「そう言う悠火はちゃんとやってたのかよ!」

 奏鳴の言葉に悠火は得意げな顔をして鼻を鳴らして答える。

「ああ、やってたぜ! 全問不正解だったけどな!」

 悠火は堂々と不名誉を誇った。
 奏鳴がそれじゃ意味ないだろと言うが、やっていない奴に言われる筋合いはない。

「それで? さっきの噂の続き聞かせろよ。まさか出るってだけで終わりじゃないだろ?」

「ああ、続きな。この間洞窟に肝試しに行った奴がいたらしいんだけど。肝試しの次の日から魂が抜けたみたいになったんだってさ!」

 奏鳴は恐怖に満ちた顔をしているが悠火と光秀の二人はあまりの拍子抜けさに苦笑いを浮かべるしかできない。

「それで? 終わりか?」

「終わり……」

「何だよつまんねぇな〜。どうせなら人がいなくなったとか、不思議な力に目覚めたとかありきたりなオチの方が面白かったぜ」

 悠火はまだまだ漫画やラノベを愛する少年だ。
 当然異能力や魔法なんてものに憧れないはずがない。

「そこまで言うなら今日の放課後、三人で行こうぜ!」

「まあ、今日は特に予定ないしいいけど……光秀は?」

「僕も今日は塾ないし、いいよ」

 三人とも予定が空いているなら行かない手はない。
 さっきまでビビり散らしていたくせに悠火たちが一緒だと分かった途端に強気になる、奏鳴のいつものパターンだ。

「よし、じゃあ放課後行くぞ! 逃げた奴はアイス奢れよ!」

 こうして三人は裏山の洞窟に肝試しに行くことになった。




どうも!コングです。 ウホホッ!w
初めにこの小説を読んでくださり、誠にありがとうございます!

この作品は1,000〜2000字程度で更新していきたいと思います。

1,000〜2000字程度なので更新頻度は遅くはならないと思います。
それでも遅れたらごめんなさい。

と言うわけで、これからも応援よろしくお願いします!

ご指摘、アドバイス等ございましたら気軽にコメントしてください。

それではまた次回!



2020/3/25一部改稿

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コメント

  • こた

    読むの遅くなってすいません。
    こういう物語、俺は好きです!
    これからも頑張ってください

    1
  • サラダアブラ

    最初の方の『そんな退屈は1日だ』という描写、「は→な」じゃない?

    1
  • コング“シルバーバック”

    ありがとうございます!
    ちょ、名前w
    これからも頑張ります!ウホホッ

    1
  • ちんこ

    新作ですねウホホッ
    僕は、全力アウトドアの頃から拝見さしていただいてます。ウホホホッ

    3
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