俺の高校生活がラブコメ的な状況になっている件
第40話
あの路地裏から歩いて五分。
ほど近い住宅街にたたずむ、真新しい二階建てのアパートに到着した。
「ウチの部屋は二階の角部屋だよぉ」
そう言う中学生の後を追いながら、鉄でできた外階段を上り、部屋に入った。
「……以外だな」
部屋に入るなり、俺は驚いた。
女子が一人暮らしするにはあまりにも荷物が少ない。
部屋の構造はキッチンにユニットバス、六畳くらいの洋室というワンKだというのに広く感じる。
女子の部屋って、もっと女の子らしい物がたくさん置いてあるかと思っていた。
例えば、ぬいぐるみがたくさん飾られてたり、洋服を仕舞うクローゼットやファッション雑誌が並べられた本棚とか。
でも、この部屋にはほとんど何もない。
あるとすれば、生活に必要な最低限の物だけ。
これが最近の女子の部屋なのか?
「お兄ちゃんはそこのテーブルに座ってて」
「ああ、わるい。ありがとな」
俺は指定されたミニテーブルの座布団に座る。
数分して、中学生がお盆に温かいお茶とちょっとしたお茶菓子を持ってきた。
「なぁ、前から聞きたいことがあるんだが…」
「なぁに?」
中学生がミニテーブルを挟んで、俺の向かい側に座ったところで俺は聞いた。
「名前なんて言うんだ?」
すると、中学生はキョトンと首を傾げる。
「あれ?言ってませんでしたぁ?」
「うん、何も言ってなかったと思うよ」
「ああ、すみません!」
そう言うと、自分の頭をポカっと叩いて舌を少し出した。
――なんだコイツ。ぶりっ子か?
「ウチの名前は小鳥遊ユキと言います!」
「へぇー偶然だな。俺の苗字も小鳥遊なんだ。下の名前は翔太だ。よろしく」
「お兄ちゃんは自己紹介しなくても知ってますからいいですよぉ」
ユキは微笑みながらお茶をひと口飲んだ。
俺はどことなく違和感を感じながらも口が乾いたので同じくひと口。
口を湿らせてから再び聞いた。
「どこの中学校に通ってるんだ?」
「え?」
「え?」
今のはなんなんだろうか。
思わず俺も聞き返してしまった。
「あのー……ウチ……中学生じゃないですよ?」
「は?」
ユキは困り果てた表情でそう言った。
俺も何を言ってるのか分からず、困り果てる。
「じゃあ、なんで中学校の制服なんて着てるんだ?」
「これは……いわゆるコスプレですね」
「…………」
そういう趣味の持ち主でしたか!
俺はなんて言えばいいのか分からず、言葉に詰まる。
――ひとまず……話題を替えよう。
「お、お父さんとお母さんはどうしてるの?見た感じだと一人暮らしだよね?」
「うん、一人暮らしだよ!お父さんとお母さんは海外に長期出張中」
「そうなんだぁ。偶然だけど俺の両親も長期出張中なんだ」
こんな偶然あっただろうか。
苗字も一緒で両親も海外出張。
――これは……運命かもしれない。
そう思った時だった。
いきなりスマホの着信音がなった。
「ちょっとごめん」
俺はそう言い、玄関先まで出てスマホの画面を覗くと、親父から久しぶりのメールが届いていた。
――なんだ。生きてたのか。
最近、連絡とかなかったから死んでるかと思っていた。
それはそうと、親父から届いたメールを開く。
――久しぶりだな!元気にしてたか?ウヒヒ
――一つ言い忘れてたことがあるんだが……驚くなよ?ユキちゃんっていう女の子お前の妹になったからよろしくな!それじゃ。
「ええええええええええええええええええええええええええええ?!」
いやいやいや。
驚かない方がおかしいだろ!
いきなり妹ができた?……――ウソだろ?
ユキって、今そこにいるユキか?
俺の中で一つ謎が解けた。
だからユキは俺のことをお兄ちゃんって呼んでいたのか。
俺はしばらく親父から届いたメールをみつめながらぼぉーっとしていた。
これでまた聞きたいことが増えた。
本当に俺の妹なのか。
年はいくつか。
なぜ急にこうなったのか。
その他にももしかしたらあるかもしれないが、今はこれだけしか思い浮かばなかった。
まだ少し衝撃が残っているのかもしれない。
ほど近い住宅街にたたずむ、真新しい二階建てのアパートに到着した。
「ウチの部屋は二階の角部屋だよぉ」
そう言う中学生の後を追いながら、鉄でできた外階段を上り、部屋に入った。
「……以外だな」
部屋に入るなり、俺は驚いた。
女子が一人暮らしするにはあまりにも荷物が少ない。
部屋の構造はキッチンにユニットバス、六畳くらいの洋室というワンKだというのに広く感じる。
女子の部屋って、もっと女の子らしい物がたくさん置いてあるかと思っていた。
例えば、ぬいぐるみがたくさん飾られてたり、洋服を仕舞うクローゼットやファッション雑誌が並べられた本棚とか。
でも、この部屋にはほとんど何もない。
あるとすれば、生活に必要な最低限の物だけ。
これが最近の女子の部屋なのか?
「お兄ちゃんはそこのテーブルに座ってて」
「ああ、わるい。ありがとな」
俺は指定されたミニテーブルの座布団に座る。
数分して、中学生がお盆に温かいお茶とちょっとしたお茶菓子を持ってきた。
「なぁ、前から聞きたいことがあるんだが…」
「なぁに?」
中学生がミニテーブルを挟んで、俺の向かい側に座ったところで俺は聞いた。
「名前なんて言うんだ?」
すると、中学生はキョトンと首を傾げる。
「あれ?言ってませんでしたぁ?」
「うん、何も言ってなかったと思うよ」
「ああ、すみません!」
そう言うと、自分の頭をポカっと叩いて舌を少し出した。
――なんだコイツ。ぶりっ子か?
「ウチの名前は小鳥遊ユキと言います!」
「へぇー偶然だな。俺の苗字も小鳥遊なんだ。下の名前は翔太だ。よろしく」
「お兄ちゃんは自己紹介しなくても知ってますからいいですよぉ」
ユキは微笑みながらお茶をひと口飲んだ。
俺はどことなく違和感を感じながらも口が乾いたので同じくひと口。
口を湿らせてから再び聞いた。
「どこの中学校に通ってるんだ?」
「え?」
「え?」
今のはなんなんだろうか。
思わず俺も聞き返してしまった。
「あのー……ウチ……中学生じゃないですよ?」
「は?」
ユキは困り果てた表情でそう言った。
俺も何を言ってるのか分からず、困り果てる。
「じゃあ、なんで中学校の制服なんて着てるんだ?」
「これは……いわゆるコスプレですね」
「…………」
そういう趣味の持ち主でしたか!
俺はなんて言えばいいのか分からず、言葉に詰まる。
――ひとまず……話題を替えよう。
「お、お父さんとお母さんはどうしてるの?見た感じだと一人暮らしだよね?」
「うん、一人暮らしだよ!お父さんとお母さんは海外に長期出張中」
「そうなんだぁ。偶然だけど俺の両親も長期出張中なんだ」
こんな偶然あっただろうか。
苗字も一緒で両親も海外出張。
――これは……運命かもしれない。
そう思った時だった。
いきなりスマホの着信音がなった。
「ちょっとごめん」
俺はそう言い、玄関先まで出てスマホの画面を覗くと、親父から久しぶりのメールが届いていた。
――なんだ。生きてたのか。
最近、連絡とかなかったから死んでるかと思っていた。
それはそうと、親父から届いたメールを開く。
――久しぶりだな!元気にしてたか?ウヒヒ
――一つ言い忘れてたことがあるんだが……驚くなよ?ユキちゃんっていう女の子お前の妹になったからよろしくな!それじゃ。
「ええええええええええええええええええええええええええええ?!」
いやいやいや。
驚かない方がおかしいだろ!
いきなり妹ができた?……――ウソだろ?
ユキって、今そこにいるユキか?
俺の中で一つ謎が解けた。
だからユキは俺のことをお兄ちゃんって呼んでいたのか。
俺はしばらく親父から届いたメールをみつめながらぼぉーっとしていた。
これでまた聞きたいことが増えた。
本当に俺の妹なのか。
年はいくつか。
なぜ急にこうなったのか。
その他にももしかしたらあるかもしれないが、今はこれだけしか思い浮かばなかった。
まだ少し衝撃が残っているのかもしれない。
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