俺の高校生活がラブコメ的な状況になっている件
第30話 再び参上!
あれから数日。
僕の記憶はまだ戻っていなかった。
自分の部屋がどこなのか、学校はどこなのか、友だちは誰がいて何人いたのか、何もかも思い出すことができなかった。
「しょーくん晩ご飯できたよー」
部屋で以前の僕が買い貯めていたらしいラノベを読んでいた時だった。
六花さんが一階からご飯ができたことを知らせてきた。
「今行きまーす!」
僕は途中まで読んでいたところにしおりを挟むと、部屋を出て一階のリビングまで向かった。
「最近ラノベばっかり読んでるね」
六花さんができたての料理をダイニングテーブルに並べながらそう言った。
「僕の過去が分かるかもと思って」
以前の僕は何が好きで、どういう人間だったのか調べていた。
でも、途中で本棚にズッシリと並べられているラノベに興味を持ち、気がつけば何冊も読んでいた。
「ふーん……それで何か分かったことあったの?」
「あったけど……以前の僕はラノベの中でもラブコメが好きだったってことぐらい……です」
というより、本棚にはラブコメの作品しかなかった。
正直それを最初見た時は――そんなに恋愛が好きだったのか?……と、自分自身が少し悲しくなった。
ラブコメを読むことによって、自分がモテないことに対しての現実逃避でもしていたのかと思いながら、試し読みしてみたら――なるほど。何となく以前の僕がラブコメを読んでいた理由が分かったぞ!
普通に面白かった。ただそれだけだと思う。
◆❖◇◇❖◆
「そろそろ寝ます」
「分かった。おやすみなさい」
僕は午後九時頃になったので寝ることにした。
自分でも少し早いなと思いながらも、この時間帯になると急激に眠くなってしまう。
「あ、それと明日も寝坊しないでよね?」
「……はい…以後気をつけます…」
…………それから数時間後。
「……うっ……ちょっとトイレ……」
僕は突然の急激な尿意に襲われ、目を覚ました。
スマホの画面を確認すると、まだ午後十一時。
「……トイレに行くか………ふぁ~」
僕はあくびをしながら一階にあるトイレへと向かった。
「あれ?……トイレ……どこだっけ?」
トイレへ向かう途中、少し寝ぼけているのか分からなくなった。
「……ここだった……ような……ふぁ~」
「キャッ!」
なぜか悲鳴が聞こえた。トイレなのに。
僕は眠気眼を擦り、よくよく見ると……裸の少女がいた。
「な、ななななんで……しょーくんが入ってきてるのよ!」
その怒鳴り声で一気に眠気が吹き飛んだ。
「わ、わわわわわ!ご、ごめんなさい!」
僕は勢いよく浴室から飛び出した時だった。
「…………あ」
足を滑らしてしまった。
視界がゆっくりと反転していくような感覚。――ああ……僕はまた……。
(ゴトン!)
重たくて鈍い音が浴室いっぱいに広がった。
そして、僕は…………そのまま気を失った。
◆❖◇◇❖◆
「しょーくん!しょーくん!」
「…………うーん」
目を覚ますと、俺はなぜか浴室に倒れ込んでいた。
「しょーくん!私のこと分かる?」
六花が不安そうな目でそう問いかけてきた。
なぜそんなことを聞くのかと疑問に思った。
「普通に分かるけど……って、おい!」
そう答えた瞬間、六花が勢いよく抱きついてきた。
その勢いで再び倒れ込む俺。そして馬乗り状態の六花。
――まさかのラブコメ的な展開がここで来るとは……って、あれ?
「お前……裸になって恥ずかしくないのか?」
「……え?」
今更気づいてしまった六花さん。
顔がみるみるうちに赤くなり……
「こ、ここここの!ヘンタイッ!」
「ちょ、ちょっと待て!洗面器で殴るのはやめろ!これは不可抗力だ!」
俺の必死の抗議も虚しく、再び殴られて気を失うのだった。
◆❖◇◇❖◆
後で六花から聞いた話だが、俺はどうやら記憶喪失になっていたらしい。しかも三日間ほど。
六花のことは「六花さん」って呼んで、ほとんど敬語を使ってたことを知り、正直信じられなかった。
今となっては記憶喪失だった頃の記憶が全てないから、何か不思議な体験だった。
僕の記憶はまだ戻っていなかった。
自分の部屋がどこなのか、学校はどこなのか、友だちは誰がいて何人いたのか、何もかも思い出すことができなかった。
「しょーくん晩ご飯できたよー」
部屋で以前の僕が買い貯めていたらしいラノベを読んでいた時だった。
六花さんが一階からご飯ができたことを知らせてきた。
「今行きまーす!」
僕は途中まで読んでいたところにしおりを挟むと、部屋を出て一階のリビングまで向かった。
「最近ラノベばっかり読んでるね」
六花さんができたての料理をダイニングテーブルに並べながらそう言った。
「僕の過去が分かるかもと思って」
以前の僕は何が好きで、どういう人間だったのか調べていた。
でも、途中で本棚にズッシリと並べられているラノベに興味を持ち、気がつけば何冊も読んでいた。
「ふーん……それで何か分かったことあったの?」
「あったけど……以前の僕はラノベの中でもラブコメが好きだったってことぐらい……です」
というより、本棚にはラブコメの作品しかなかった。
正直それを最初見た時は――そんなに恋愛が好きだったのか?……と、自分自身が少し悲しくなった。
ラブコメを読むことによって、自分がモテないことに対しての現実逃避でもしていたのかと思いながら、試し読みしてみたら――なるほど。何となく以前の僕がラブコメを読んでいた理由が分かったぞ!
普通に面白かった。ただそれだけだと思う。
◆❖◇◇❖◆
「そろそろ寝ます」
「分かった。おやすみなさい」
僕は午後九時頃になったので寝ることにした。
自分でも少し早いなと思いながらも、この時間帯になると急激に眠くなってしまう。
「あ、それと明日も寝坊しないでよね?」
「……はい…以後気をつけます…」
…………それから数時間後。
「……うっ……ちょっとトイレ……」
僕は突然の急激な尿意に襲われ、目を覚ました。
スマホの画面を確認すると、まだ午後十一時。
「……トイレに行くか………ふぁ~」
僕はあくびをしながら一階にあるトイレへと向かった。
「あれ?……トイレ……どこだっけ?」
トイレへ向かう途中、少し寝ぼけているのか分からなくなった。
「……ここだった……ような……ふぁ~」
「キャッ!」
なぜか悲鳴が聞こえた。トイレなのに。
僕は眠気眼を擦り、よくよく見ると……裸の少女がいた。
「な、ななななんで……しょーくんが入ってきてるのよ!」
その怒鳴り声で一気に眠気が吹き飛んだ。
「わ、わわわわわ!ご、ごめんなさい!」
僕は勢いよく浴室から飛び出した時だった。
「…………あ」
足を滑らしてしまった。
視界がゆっくりと反転していくような感覚。――ああ……僕はまた……。
(ゴトン!)
重たくて鈍い音が浴室いっぱいに広がった。
そして、僕は…………そのまま気を失った。
◆❖◇◇❖◆
「しょーくん!しょーくん!」
「…………うーん」
目を覚ますと、俺はなぜか浴室に倒れ込んでいた。
「しょーくん!私のこと分かる?」
六花が不安そうな目でそう問いかけてきた。
なぜそんなことを聞くのかと疑問に思った。
「普通に分かるけど……って、おい!」
そう答えた瞬間、六花が勢いよく抱きついてきた。
その勢いで再び倒れ込む俺。そして馬乗り状態の六花。
――まさかのラブコメ的な展開がここで来るとは……って、あれ?
「お前……裸になって恥ずかしくないのか?」
「……え?」
今更気づいてしまった六花さん。
顔がみるみるうちに赤くなり……
「こ、ここここの!ヘンタイッ!」
「ちょ、ちょっと待て!洗面器で殴るのはやめろ!これは不可抗力だ!」
俺の必死の抗議も虚しく、再び殴られて気を失うのだった。
◆❖◇◇❖◆
後で六花から聞いた話だが、俺はどうやら記憶喪失になっていたらしい。しかも三日間ほど。
六花のことは「六花さん」って呼んで、ほとんど敬語を使ってたことを知り、正直信じられなかった。
今となっては記憶喪失だった頃の記憶が全てないから、何か不思議な体験だった。
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