マグ拳ファイター!!
7
 ウインドウを開いたら、最初の画面にログアウトの表示があって、そこをタッチしたら普通にログアウトできた。
 翌日、何だかスゲエ疲れていて、起きたら11時。当然父はすでに仕事に行っていて居なかった。
(礼とか感想とか言った方がいいんだろうか?)
 取り敢えずメモ用紙にさらさらっと書いて冷蔵庫に張り付けといた。
 それからシリアルと牛乳を取り出し、朝食というよりブランチをとる。食のお供はタブレットの中の本だ。読んでいれば一人の食事も気が紛れる。
「さてと、今日も行ってみるか」
 夏休みというのは良いものだ。昼前に起きても、そこからゲームをしても誰にも何も言われない。
 おれはHMDを被り、またマグ拳ファイターの世界に入っていく。
 一度ログアウトしてログインし直すと、オレは何故か教会にいた。
 何故教会なのか知らないが、ログアウトした場所からやり直せないなんて不便だと思った。
(アキラはログインしてないのか。まぁ、昼時だしな)
 オレは一人テクテク歩いて昨日の場所へ行く。昼時だからだろうか、街は何だか閑散としていた。
 街を歩いていると声を掛けられた。
「お兄さん寄ってかないかい? ウチのメシは美味いよー!」
 飯屋の呼び込みだ。ゲームの中でメシを食べても腹はふくれないと思うのだが、それでいいのだろうか?
 少々興味をそそられたが、さっきシリアルを食べたばかりなので食欲自体はそんなにない。
 そこでオレはハッと気づいた。
(オレ、金持ってない)
 金を持っていなければ、飯屋で食事どころか店で買い物自体できない。
 だが店があるということは、貨幣が流通しているということだろう。それとも物々交換なのだろうか?
「すいません、おいくらですか?」
 オレは思いきって呼び込みの人に訊いてみた。
「一皿五百ビットだよ」
 どうやらお金は存在して、その単位はビットらしい。
 五百ビットが高いのか安いのか分からないが、1ビットも持っていないオレからしたら、払えはしない。
 オレは呼び込みの人に丁重にお断りをしてその場を後にした。
 その後も何度か色んな呼び込みに会ったが全部断って、早々に街から出ていった。
 次にアキラと連絡が付いたら、まず金の稼ぎ方から教わらなければならないようだ。
 昨日のと同じ場所に来て、オレは昨日と同じ手頃な石を拾うと、(石よ浮け)と念じる。
 フワリと浮き上がる石。昨日よりも浮き上がるまでの速さが速くなった気がする。
 もう一度やってみると、さっきよりも確実に速い。
 速さ的にはこんなものでいいだろう。次は大きさだ。
 オレは一回り大きな石を拾った。
「お、いたいた。おーいリン、悪い悪い、かあさんが弟連れて遊び行ってこいってうるさくてさあ、ってうおぅっ!?」
 アキラがオレと合流したのは夕方だった。それまでにオレは、自分の身体を浮かせられるほどまでになっていた。
 翌日、何だかスゲエ疲れていて、起きたら11時。当然父はすでに仕事に行っていて居なかった。
(礼とか感想とか言った方がいいんだろうか?)
 取り敢えずメモ用紙にさらさらっと書いて冷蔵庫に張り付けといた。
 それからシリアルと牛乳を取り出し、朝食というよりブランチをとる。食のお供はタブレットの中の本だ。読んでいれば一人の食事も気が紛れる。
「さてと、今日も行ってみるか」
 夏休みというのは良いものだ。昼前に起きても、そこからゲームをしても誰にも何も言われない。
 おれはHMDを被り、またマグ拳ファイターの世界に入っていく。
 一度ログアウトしてログインし直すと、オレは何故か教会にいた。
 何故教会なのか知らないが、ログアウトした場所からやり直せないなんて不便だと思った。
(アキラはログインしてないのか。まぁ、昼時だしな)
 オレは一人テクテク歩いて昨日の場所へ行く。昼時だからだろうか、街は何だか閑散としていた。
 街を歩いていると声を掛けられた。
「お兄さん寄ってかないかい? ウチのメシは美味いよー!」
 飯屋の呼び込みだ。ゲームの中でメシを食べても腹はふくれないと思うのだが、それでいいのだろうか?
 少々興味をそそられたが、さっきシリアルを食べたばかりなので食欲自体はそんなにない。
 そこでオレはハッと気づいた。
(オレ、金持ってない)
 金を持っていなければ、飯屋で食事どころか店で買い物自体できない。
 だが店があるということは、貨幣が流通しているということだろう。それとも物々交換なのだろうか?
「すいません、おいくらですか?」
 オレは思いきって呼び込みの人に訊いてみた。
「一皿五百ビットだよ」
 どうやらお金は存在して、その単位はビットらしい。
 五百ビットが高いのか安いのか分からないが、1ビットも持っていないオレからしたら、払えはしない。
 オレは呼び込みの人に丁重にお断りをしてその場を後にした。
 その後も何度か色んな呼び込みに会ったが全部断って、早々に街から出ていった。
 次にアキラと連絡が付いたら、まず金の稼ぎ方から教わらなければならないようだ。
 昨日のと同じ場所に来て、オレは昨日と同じ手頃な石を拾うと、(石よ浮け)と念じる。
 フワリと浮き上がる石。昨日よりも浮き上がるまでの速さが速くなった気がする。
 もう一度やってみると、さっきよりも確実に速い。
 速さ的にはこんなものでいいだろう。次は大きさだ。
 オレは一回り大きな石を拾った。
「お、いたいた。おーいリン、悪い悪い、かあさんが弟連れて遊び行ってこいってうるさくてさあ、ってうおぅっ!?」
 アキラがオレと合流したのは夕方だった。それまでにオレは、自分の身体を浮かせられるほどまでになっていた。
「マグ拳ファイター!!」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
-
1,392
-
1,160
-
-
3万
-
4.9万
-
-
450
-
727
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
5,217
-
2.6万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
14
-
8
-
-
27
-
2
-
-
9,711
-
1.6万
-
-
8,191
-
5.5万
-
-
6,681
-
2.9万
-
-
9,448
-
2.4万
-
-
104
-
158
-
-
1,000
-
1,512
-
-
398
-
3,087
-
-
65
-
390
-
-
614
-
1,144
-
-
218
-
165
-
-
215
-
969
-
-
7,474
-
1.5万
-
-
2,534
-
6,825
-
-
4
-
1
-
-
29
-
52
-
-
83
-
2,915
-
-
213
-
937
-
-
265
-
1,847
-
-
3,224
-
1.5万
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
2,860
-
4,949
-
-
116
-
17
-
-
71
-
63
-
-
33
-
48
-
-
6,237
-
3.1万
-
-
4
-
4
「SF」の人気作品
-
-
1,798
-
1.8万
-
-
1,274
-
1.2万
-
-
477
-
3,004
-
-
452
-
98
-
-
432
-
947
-
-
432
-
816
-
-
415
-
688
-
-
369
-
994
-
-
362
-
192
コメント