What should I do?
ep.4
??? said
緑地に囲われたこの中庭のベンチは、誰にも見付かる事なく休憩する事が出来る。
今日は入学式だけで新入生以外校舎に来る者はいなく何時もより静かだ。
ベンチに横たわり目を閉じると、春の涼しい風が丁度良く気持ち良くさせてくれて、忙しく疲れていた体を休ましてくれている。
休憩といってもそんな長く出来るわけもなく、30分そこらだ。
ふっと息を吐き眠れないが目だけ瞑ってる中、俺はその気配に気付かなかった───
「ここは俺には似合わない」
その声に目を開け声の元に顔を向けた。
気配に敏感な俺に全く気付かせずに近寄れたそいつは初めてで、俺にまだ気づいていないそいつに目をやる。
中庭から顔を俯かせ深い暗い瞳に、俺は「なぜだ?」と聞いていた。
今までならば気付かれてないならそのまま気配を消していたが、その光の無い瞳が俺には気になってしまっていた。
やっと気付き振り向き際に驚くそいつの瞳は、今見せた瞳とは全く違って黒く澄んだ瞳をして慌てふためき、がらっと雰囲気が変わる。
俺の顔を見詰めるなり呆然として返事が返ってくる気がしなかったから、呼び掛けるとびくっと体が反応して目が覚めたようだ。
「あっ、えっと…
ほらお前程の容姿なら似合うけどさ、こんな容姿だし白い画用紙に黒い染みみたいなんがある感じてだな…」
自分自身を貶しているのか?
そんなに容姿悪くはないと思うが?
小顔で色白でどちらかと言えば童顔で、可愛いさもあるが綺麗な方だ。
アーモンド型の目は瑞々しく、鼻はバランス良く小さい唇は程よい艶があり色付きも良い。
寝転んでいたから見えたが、前髪が長いせいか立ち上がってしまえばその顔立ちが隠されている。
この学園ではそっちの方がいいのかもしれない。
正直俺はうんざりしているからな。
隠したいのだろうか?
あまり触らない方がいいか?
「ここは誰だろうと休息出来る場所だ。
自分の容姿なんか気にせず落ち着けるこの場所で休みたい時に休め」
そう判断し触れずに返すと、少し驚き俺から目線を反らした。
「そうですか?
ありがとうございます」
お礼されたものの、首を傾げて眉をひそめたのちに表情は戻って…いや、引きつっている。
こいつの顔を見ていると百面相、ぴったりな言葉だ。
不快な事など言った覚えがないが、その膨れっ面な表情がもう表れていた。
俺の言葉のどこをどう解釈したのか教えて欲しいものだ。
「先輩の休み中にお邪魔してすみませんでした。
俺時間潰しの為に来たようなもんなんで、もう戻るのでゆっくり休んで下さい。
美形なのに隈とかあったら勿体ないですからね」
先程までと一変し、後輩ずらしてさっさと退こうとしているのだろう。
そう言い自分の教室に帰ろうとするが、立ち止まり此方に振り向いた。
「後あんたに貶されても、俺自身そんな顔立ち悪くないと思ってるんで」
そう不機嫌な表情を露に俺に指差して自分の教室に戻って行った。
あいつが消えて俺はふっと笑っていた。
変な奴で面白い。
っていうか自分自身で貶しておいて、それは無いだろう?
馬鹿なのか?
馬鹿なのだろう。
丁度良くポケットに入れていたスマホが鳴り出した。
ポケットから取り出し電話に出る。
「なんだ?」
『なんだじゃないですよ!
都毅、どこにいるんですか?』
慌ただしそうな相手から、俺の休憩時間も終わりを告げていた。
「中庭だ。
すぐそっちに向かう」
『ええ、そうして下さい。
私達でも一杯一杯なんですし、貴方だけ休憩なんてズルすぎますので』
「あぁ、次は結城が休憩しろ」
『ええ、そうしますよ!
たから、さっさと帰って来て下さい!』
ガチャっと切れた電話に小さく息を吐く。
入学式の後も新入生イベントやら忙しい時期だ。
そんなに休めなかったが面白かったし気分転換にはよしとするか。
名前聞き忘れたが、すぐ分かるだろ。
そうして俺は中庭を後にして、忙しく慌ただしいあの場所へ向かった。
~
緑地に囲われたこの中庭のベンチは、誰にも見付かる事なく休憩する事が出来る。
今日は入学式だけで新入生以外校舎に来る者はいなく何時もより静かだ。
ベンチに横たわり目を閉じると、春の涼しい風が丁度良く気持ち良くさせてくれて、忙しく疲れていた体を休ましてくれている。
休憩といってもそんな長く出来るわけもなく、30分そこらだ。
ふっと息を吐き眠れないが目だけ瞑ってる中、俺はその気配に気付かなかった───
「ここは俺には似合わない」
その声に目を開け声の元に顔を向けた。
気配に敏感な俺に全く気付かせずに近寄れたそいつは初めてで、俺にまだ気づいていないそいつに目をやる。
中庭から顔を俯かせ深い暗い瞳に、俺は「なぜだ?」と聞いていた。
今までならば気付かれてないならそのまま気配を消していたが、その光の無い瞳が俺には気になってしまっていた。
やっと気付き振り向き際に驚くそいつの瞳は、今見せた瞳とは全く違って黒く澄んだ瞳をして慌てふためき、がらっと雰囲気が変わる。
俺の顔を見詰めるなり呆然として返事が返ってくる気がしなかったから、呼び掛けるとびくっと体が反応して目が覚めたようだ。
「あっ、えっと…
ほらお前程の容姿なら似合うけどさ、こんな容姿だし白い画用紙に黒い染みみたいなんがある感じてだな…」
自分自身を貶しているのか?
そんなに容姿悪くはないと思うが?
小顔で色白でどちらかと言えば童顔で、可愛いさもあるが綺麗な方だ。
アーモンド型の目は瑞々しく、鼻はバランス良く小さい唇は程よい艶があり色付きも良い。
寝転んでいたから見えたが、前髪が長いせいか立ち上がってしまえばその顔立ちが隠されている。
この学園ではそっちの方がいいのかもしれない。
正直俺はうんざりしているからな。
隠したいのだろうか?
あまり触らない方がいいか?
「ここは誰だろうと休息出来る場所だ。
自分の容姿なんか気にせず落ち着けるこの場所で休みたい時に休め」
そう判断し触れずに返すと、少し驚き俺から目線を反らした。
「そうですか?
ありがとうございます」
お礼されたものの、首を傾げて眉をひそめたのちに表情は戻って…いや、引きつっている。
こいつの顔を見ていると百面相、ぴったりな言葉だ。
不快な事など言った覚えがないが、その膨れっ面な表情がもう表れていた。
俺の言葉のどこをどう解釈したのか教えて欲しいものだ。
「先輩の休み中にお邪魔してすみませんでした。
俺時間潰しの為に来たようなもんなんで、もう戻るのでゆっくり休んで下さい。
美形なのに隈とかあったら勿体ないですからね」
先程までと一変し、後輩ずらしてさっさと退こうとしているのだろう。
そう言い自分の教室に帰ろうとするが、立ち止まり此方に振り向いた。
「後あんたに貶されても、俺自身そんな顔立ち悪くないと思ってるんで」
そう不機嫌な表情を露に俺に指差して自分の教室に戻って行った。
あいつが消えて俺はふっと笑っていた。
変な奴で面白い。
っていうか自分自身で貶しておいて、それは無いだろう?
馬鹿なのか?
馬鹿なのだろう。
丁度良くポケットに入れていたスマホが鳴り出した。
ポケットから取り出し電話に出る。
「なんだ?」
『なんだじゃないですよ!
都毅、どこにいるんですか?』
慌ただしそうな相手から、俺の休憩時間も終わりを告げていた。
「中庭だ。
すぐそっちに向かう」
『ええ、そうして下さい。
私達でも一杯一杯なんですし、貴方だけ休憩なんてズルすぎますので』
「あぁ、次は結城が休憩しろ」
『ええ、そうしますよ!
たから、さっさと帰って来て下さい!』
ガチャっと切れた電話に小さく息を吐く。
入学式の後も新入生イベントやら忙しい時期だ。
そんなに休めなかったが面白かったし気分転換にはよしとするか。
名前聞き忘れたが、すぐ分かるだろ。
そうして俺は中庭を後にして、忙しく慌ただしいあの場所へ向かった。
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