チート×異世界転移=最強・・・?

あるみん

第20話 ロディックの真実

「悪かったわね、勝手に出て行って。」

ソニアさんが理解のある人で助かった。あの後、こっちの馬車もかなり悪い空気になっていたが、30分くらいで戻ってきてくれたし、そのあとは盛り上げ役として頑張ってくれたので、車内の空気も元に戻った。

「ところで、質問してもいいかしら?」

「はい?」

「あなた達、どこで鍛えたの?」

あー。確かに、気になるよなぁ。
正直に言った方がいいよな多分。
...と思ったけど、思い出せない。なんだっけあの森の名前...

「あ、確か魔の森って言ってたような...」

「あ!それだ!」

「え!?魔の森!?」

「え、あ、はい。」

「なるほど。それならその強さも頷けるわね...」

「えーっと、そんなにやばい所なんですか?」

「人間族では、隊長クラス以上じゃないと、探索できないとまで言われているわ。 私は、歴代の隊長に比べたらまだまだ未熟だから、そこの探索は出来ないわね... ましてや、そこでレベル上げなんて...」

「思ったよりも凄いところでやってたんだなぁ...」

ものすんごく具合が悪そうなスライムも、実は強いのだろうか...

「じゃあ、ショウくんもリリィちゃんも同じ方法?」

「いや、僕は同じですけど...」
「私は違いますね。」

「リリィちゃんはどうやって上げたの?」

「そうですね...私は元々、両親が戦闘が得意で、小さい頃から教えられていたって言うのが大きいですかね...」

「なるほどねぇ。私も小さい頃からレベル上げてたんだけどなぁ。才能の差かぁ。」

そんな事言われても、リリィはどうすることも出来ないよね...
リリィの方を見ると、やはり苦笑いしていた。

「あ、ごめんね。別に今のには反応しなくてもいいのよ。独り言みたいなものだから。
ところで...ケイゴくんとショウくんは2人で訓練しに行ったの?」

「いえ、師がいました。 ロディックさんですね。」

「え!?ロディックってあのロディック!?」

「どのですか...」

「昔、と言っても1年も経っていないけど、前までは王都にいたのよね。けど、私によく愚痴をこぼしてて、突然『明日、王都から出るわ。』って言い出して...私は止めたんだけど、結局出て言っちゃったのよね。 それで、今はロディックの弟子の人が隊長をやっているんだけど...正直に頼りにならないのよね。」

「なるほど、なら連れ戻せばいいんじゃないですか?」

「!それもそうね!戻りましょう!」

「え!?この馬車でですか?」 

「当たり前よ!馬車を雇うだけでもお金がかかるの。お金はなるべく、魔王軍からの防衛費に使いたいし、同じ場所に行くのに2台も馬車を使っているんだから、もう1人くらい増えても大丈夫よ!」

何を言っているかよくわかんなかったが、要するにお金の節約ということだろう。
それに、村を出てからまだ3時間くらいだから、戻った方が効率がいいしな。

「よし、そうと決まれば、とりあえず村に戻るように言ってくるわ!」

「え、あのちょっとまって!」

聞かずに行ってしまった... ロディックさんが行くとは限らないよな...?
てかむしろ、行かない可能性の方が高いと思うから、馬と人を1人で行った方がいいのでは?と思ったりしたんだが...まぁいいか。

ソニアさんは、意外と早く帰ってきた。

「言ってきたわ!じゃあ、戻りましょう!」

「は、はい。」

とりあえず頷くことしか出来なかった。行動力がすごいなこの人は...

3時間後

「ロディック!いるかしら!?」

今俺達は、ロディックさんの家に押しかけている。
...何故こうなったかは、想像通りだ。

「はーい。今主人は外出中で...ってあなた達は確か...」

「あ、どうもお世話になっています。」

「いえいえ、こちらこそ...」

とりあえず俺は道具屋のお姉さんに挨拶しておく。

「うーん、いないみたいですね。どうしますか、ソニア...さ...ん?」

俺が振り返りつつ言うと、ソニアさんが絶望したような表情をしていた。

あー。これはロディックさんを狙ってたパターンのやつだな。だから戻る時も食い気味だったのか。

「と、とりあえず戻りましょう!失礼しました!」

「はーい。また来てね。」

「はい!いつか!」

俺は道具屋のお姉さんに手早く挨拶して、絶望しているソニアさんを連れて家を出た。

「ソニアさん!どうしますか!待ちますか!?探しますか!?」

「え、えーっとそうね...ショウくんが決めていいわ...」

「え!?ぼ、僕!?」

「ええ。なんか考えるのが疲れたわ。」

実はこの人、案外子供なのか...?

「そうだなぁ、じゃあ探そう!とりあえずギルドに!」

と、言うわけなので、俺達はギルドに向かった。

向かっている時、後ろから話し声が聞こえてきた。

「ソニアさん、僕もあの道具屋のお姉さん狙ってたんですけど、ロディックさんと結婚しているってわかって...絶望しました...」

「私も、城にいる時から狙ってたのに...相手がいたのね...」

「仲間ですね...」

「そうね...」

なんだその悲しい仲間は。と、突っ込みたくなったが、2人とも天然なところがあるので、とりあえず聞かなかったことにして、ギルドへ向かった。

作者のあるみんです!今回は、更新が遅れてすみません! このあとの展開はなんとなく決まっていたんですが、忙しかったのと、何回かこの話を書き直していたら...すみません。

お詫びに、今日は時間があるので、2話目出します!楽しみにしておいて下さい!

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