異世界に吹っ飛ばされたコミュ障くんの末路

オンドゥルの剣崎

おたまと鍋の勇者[現代編]

時は日付変更線をまたいで朝になり、部屋には煌々こうこうと日光が射していた。
そんな部屋の中で太郎はまだまだ夢の中。

「うわぁ…猫がいっぱい……!」
バカ丸出しの寝言を口に出し、フカフカのベットで横たわる。
目がさめるのはまだ時間がかかりそうだ。
そう思っていたのも束の間……

《ガンガンガンガンガン》
「起きなさ〜い!!」
「うわぁ!?なんだなんだ!!?」
謎の金属音と共に太郎は夢から解放された。
太郎の視線の先には鍋とおたまを装備したソルシエールが立っている。
「もう朝よ、早くご飯を食べて特訓をしましょ」
「ふぁ……ふぁい」
寝起きの悪い太郎であった。




そんなこんなで朝食を済ませた太郎は庭で特訓を開始していた。

「じゃあ始めましょうか!」
「はぁ……」
今更だが心配になってきたな…

「まずは魔力の出し方ね。そしたら《ライト》が適してるわね」
「ライ…ト?」
「そう!光の玉を出して辺りを明るくするの、洞窟やダンジョンには必須よ」
「文字どうりだな…」
「お手本を見せるからしっかり見ておいてね」
そう言うとソルシエールは手を前に出して、目を瞑るつむ。そして
「ライト!」
魔法を唱えた瞬間、手からまばゆい光が溢れ出し魔法陣が出来上がる。そこから光の玉が飛び出てきた。
「す、すご」
「まあ、こんな感じかしら。はい!やってみて」
そんな急に言われても!と佐藤が言い返せるわけもなく、ソルシエールの真似をして手を前に出し、目を瞑る。
「いい?コツは頭の中で自分の体の中にある魔力を、手を伝って外に出るイメージをするの!イメージが強ければ強いほど魔法は成功しやすいわよ!」

んなるほど。イメージが必要か。
まけせとけ!妄想は俺のお得意!伊達に3年間も引きこもってたわけじゃないぜ!

「よし…!」
頭の中でイメージを膨らませ、手から魔力っぽいものが出てくるのを想像して
「ライト」
すると太郎の手からはちゃっちい光が放出し始めた。
「よし……成功か?」
しかしその微かな光は太郎の心とは裏腹に消えていってしまった。
『あら?消えちゃった…』

ズゴッ!!!

『!!?』
「いでででぃででっ!!?い、痛い!痛い痛い!なんで!なん…で!?」
太郎の体に激しい痛みが襲った。

その横で
「あはははっ!太郎ってば!寝転んじゃって!はははっ!」
と笑っているソルシエール。
「いや!笑い事じゃ!いてっ!!あああごああごごあごあごあ!」

普通に喋れているが今の太郎にそんな事は痛みで頭にない。

「ごめんごめん。まあ、最初はそうなるわよね」
「ど   ゆ゛ご   ど!?」

「説明しよう!魔法にはそれぞれ使う魔力の量が決められています!必要以上の魔力を注ぎ込むと魔法は発動しないし、衝撃で自分に痺れや痛みが生じるのです!」
「早く言ってよ〜!あ゛あ゛あ゛あ゛!!」

はたから見たらふざけているように見えるがニコタマを蹴られたぐらいにマジで痛いのだ。
「いや〜本当はやる前に自分の魔力がどれくらいあるのか確認しないといけないんだよねー」
「なんで最初に言っでぐれないんだ!!?」
「面白いからです!」
「そんな殺生な!」

ちなみに完全に痛みが引くまで2時間はかかりました。

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