異世界に吹っ飛ばされたコミュ障くんの末路

オンドゥルの剣崎

佐藤と修羅場とコミュ障の理由(続×3)[過去編]

突然の爆音に俺の耳は耳鳴りを起こしていた。とてつもなく痛い。
と同時に何かが滴る音と、わずかだが鉄のような臭いがする。

「っ──はっ… かっ───はぁ……」
神山が苦しんでる?
ふと目線を神山に向ける。

『!?』
「おい……神山…?それって…!」
神山のお腹から血が吹き出していた。
腹部に手を当てて苦しんでいる姿がそこにある。
それは俺にとって死を表していた。

「なんだよ、結構当たんじゃねーか」
蛮野がつぶやく。その手にはしっかりと「銃」が握られていた。
「なんでお前がそれを…?」
「ああ、これか?警察から奪い取ってきたよ。弱かったよ〜その警察。顔面殴ったら気絶しちゃってさ〜」
「そんな簡単に?嘘だろ…」
この状況で更に最悪な事実が発覚した。
その銃で神山を撃ったのだろう。
友達がピンチなのに自分が何もできなくて、その悔しさから気づいたら涙が出ていた。

「泣くな…っ佐藤、まだ勝機はある!」
「ふぇ?」
「警察から奪い取ったってことはっ…その銃は、ニューナンブM60だ…。装弾数は、5発っ!つ…まり後4発耐えるか避ければ、勝てる!!」
神山が無茶なことを言うので突っ込まずにはいられなくなった。
「アホか!4発なんて避けれるわけねーだろ!」

「ごちゃごちゃうるさい!」
蛮野が痺れを切らし、神山に向かって引き金を引く。
 が、弾道は神山をそれて後ろの壁を突き抜けた。
「な!?何故だ!何故当たらない!」
「当然だ!素人が…いきなり銃を撃って命中すると思ったらっ、大間違いだ。訓練もしてないお前なら…反動で銃弾は逸れる!」
神山が痛みに耐えながら言う。
一発撃たれたのにもかかわらず、あまりにも元気すぎだろ。

「ふっ!」
隙をついて神山が蛮野の懐に飛び込む。
「クソっ──ってあれ!?」」
もう一度引き金を引こうとした蛮野に唖然の声が漏れる。
「撃てねぇ!」
引き金を何度も引いても弾が発射される事は無かった。
そうこうしてるうちに神山がナイフで胸部に一発入れる。
「ぐぁああああ!!?」
蛮野が倒れこむ。そのままピクリとも動かなくなった。
「お前は…っ本当にバカだ。シリンダーを押さえたら撃てなくなるとも知らずになぁ…」
俺はすぐさま神山に駆けつける。
「神山!大丈夫!?」
「なんとか…な、気にする事はないっ」
よかった。本当によかった。まさか勝っちゃうだなんて、やっぱすげぇよ。お前は。
「っ───!!?がはっ!!ぐぁぁぁぁ!」
「なっ!?」
またしても爆音と共に神山が倒れた。
「蛮…野!キサマっ……!!」
「せめて…道ずれに……!お前だけは…許さん…!」
蛮野は最後の力を振り絞り 神山に向けて残っていた全ての弾を発砲をしていた。
「おい!神山!?おいって!!死ぬな!神山ぁぁああ!!」
肩を揺すり、必死に呼びかける。
「太郎……笑えよ…おばあちゃんが言っていた…俺が望みさえすれば、運命は絶えず俺に味方する…ってな…だから安心しろ…」
「はぁ?意味わかんねぇよ!いいか?今救急車呼んでやるからな!」




その後のことはあまり覚えていない。
神山は病院に搬送されたが死んだのか生きたのか俺は知らない。
翌日から俺はショックで部屋から出てこなくなった。何もかもが怖くなった。
これが俺のコミュ障の理由だ。
一応高校受験をして高校に入学したが、引きこもりは治らなかった。
結果、俺は留年し今に至る。
学校に通い始めたのもつい最近のことだった。

神山、俺はお前の事忘れねぇからな
だからお前も忘れんなよ。




同時刻、とある病院にて
「神山さ〜ん、点滴交換しますよ〜」
「ああ、ご苦労様」
「は〜い。ってええぇぇぇええええ!??」
「なに驚いている」
「あ、あなた!重症でもう目を覚まさないはずじゃ!?」
「俺を誰だと思っている。神の山の天の星。神山 天星だぞ」









はいまず、三ヶ月間投稿しなかった事について誠に申し訳ありませんでした。
そして無事過去編が完結できた事についてありがとうございます。
これからは[現代編]に専念していきますので、何卒よろしくお願いします。
神山がこの先どうなったか知りたい人は「英語の力をもらい異世界転生したんだが知り合いが多すぎる」を呼んで頂けると幸いです。


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