異世界に吹っ飛ばされたコミュ障くんの末路

オンドゥルの剣崎

修羅場と佐藤とコミュ障の理由(続)[過去編]

逃げた。
俺はその場から逃げたよ。自分の部屋に向かって猛ダッシュでな。
階段を荒々しく上り、二階にある自分の部屋に駆け込んだ。
急いでドアを閉めて鍵をかける。
「はぁ!づうっ!はぁあ!」
呼吸が荒いし、心臓の音がうるさいほど聞こえる。
目出し帽の男が、階段を上る音がする。
音がしなくなった直後に、
 ドンドンドン!カッ!バゴッ!
ドアが物凄い音を立てる。
男が力尽くで開けているのだろう。

「何事だ」
混乱状態の中、神山の声が聞こえた。
「め、目出し帽!男!な、ナイフ!ヤバイッ!!」
パニックになってうまく説明出来ない。
しかし、神山には俺の伝えたい事がしっかり伝わっていた。

「なるほどな」
神山は立ち上がり、ドアの前に立つ。
今だにドアの音は鳴り止まない。
「神山?一体、何を?」
「いいから見てろ」
「まさか!アイツと戦う気!?無茶をするな!いくら強い神山でも、大人に勝てるはずがない!!」
「いいから見ていろ。手出しはするな」
そう言うと、神山は思いっきりドアを開けた。
「ウアァサァヒィスゥパァドゥラァァァイ!!」
訳の分からない叫びを上げて、男が部屋入ってきた。神山にナイフを向けて突進してくる。

「甘いな」

片手にナイフの突進を、神山は、右足を軸にして90度回転し、ギリギリで躱すかわ
そのまま突き出してきた男の腕を、神山の左手が掴んだ。
同時に、残った右手で男の首根っこを掴む。
すかさず掴んだナイフの握ってる腕を、男の背中に回してグッと当てつける。
そして、男をおもっくそ押し倒して関節を極めた。
それはまるで、刑事ドラマで警察が犯人を倒す様だった。
神山は、押し倒した男の腰に乗っかって身動きを取れなくしている。

「さて、ナイフは取っておこう」
そう言うと、神山は男からナイフを奪い取って、自分のポケットに入れた。
「目出し帽を付けていたが、その特徴的な目で、すぐにわかった。
お前は、連続殺人事件の容疑者、
蛮野 準三郎ばんの じゅんさぶろうだな?」
「えっ!?あの蛮野?」
「どうやらそうらしい」
蛮野 準三郎…当時、広い範囲にわたって殺人事件を繰り返し、世間を騒がせていた奴だ。
ニュースでも、蛮野の名前が上がらない日は無かったから、俺もよく知っていた。

「話をしようじゃないか。まず、どうしてこの家を襲撃したんだ?答えろ」
神山は冷静に蛮野に問いかけた。
「貴様達と会話を楽しむつもりは無い!」
「それが、お前の答えか…」
神山は、奪い取ったナイフを蛮野の首に当てて
「もう一度聞く、何故この家を狙った
答えなかった場合、お前の首にある内頸静脈ないけいじょうみゃくを切る。」
さらっとエゲツない事を言うな…
うわぁ…目がマジだアイツ
本気でやるつもりだ、神山…

一方蛮野の方を見ると
この世の物とは思えないほどすんごい顔で
「わかった!わかったから!!答えるから!!切らないでくれぇぇ…グスッ(泣)」

こいつ……チョロい!!!


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