仕事やめて神の代行者始めました
依頼完了
森から町へは20分かかる、森を歩き回ったせいかゾーイはやや疲れた様子。
「大丈夫?」
「はい、心配してくださってありがとうございます」
「あの、シガミ様先ほどの魔法なんですがあれはシガミ様の魔法ですか?」
「いや、イータ…ある人物に教えてもらったんだよ、腹痛を治す魔法らしいけど」
するとゾーイは首を横に降った。
「いいえ、先ほどの魔法はそんな単純なものではありません、実はコメさんの弟さんの容態を見たとき、肩に古い傷があったのを見たんです。それがシガミ様が魔法をかけられた後その傷痕も無くなっていたのです、おまけに毒も完全に浄化しました」
「となると腹痛だけでなく、状態異常や傷も癒せるのか」
「いえ、なんというかそういった類いのものではない気がするんです、治すというより戻・し・た・と言った方が正しい気がします」
戻したか、つまり怪我や毒に犯される前の正常な体に巻き戻したってこと?そんなこと魔法でできるのか?
「それにその魔法、私が知る限りではそんな魔法はないと思うのですが…」
「ですが?」
「何処かで聞いたことがある気がするんです」
「僕も教えてもらっただけだから詳しい事はよく知らないんだ」
「そうですか、すみません変なことを聞いてしまって」
話している間に気がつけばもうすぐ町に着く、あれ?なんか忘れてるような気がするけど気のせいかな。
「ところでシガミ様、娘さん…ではなく親戚の女の子は大丈夫なのですか?」
「あ」
完全に忘れてた、確かに別行動とは言ったけど半日近く放置してたな、どこかで暴れてなきゃいいけど。
「くぉらぁ食い逃げー!誰かそのガキを捕まえてくれ」
「こんなご時世に食い逃げなんてどこのガキだ」
「腹が減ったのだ、少しくらい頂いてもよいだろうが!」
あれ、なんか聞き覚えのある声だな。
「お、シガミ丁度良いところに、あのオヤジになんか言ってやってくれ」
少女は素早く僕の背後に隠れると、追いかけてきたオヤジと睨みあっている、やがてその視線は僕へと集まる。
「お前がこのガキの親か、そのガキがうちの商品を勝手に持っていきやがったんだ、そのガキが払わないってならお前が金を払ってもらおうか」
「いいえ、違います。人違いでしょう」
「なんだ?違うのか?そのわりには親しそうだが」
「パパ、イータ何も悪くないよ?お腹空いてたんだもの」
こいつ、急に猫被りやがってどこでそんな特技覚えた。
「やっぱりそうじゃねえか!さぁ焼き鳥二本で14ラリーだ」
ちくしょう、結局払うはめになってしまった。まぁしかし放置してたのは僕のせいだし多目に見るか。
「はむ、はむ」
こいつ悪びれた様子もなく美味しそうに食いやがって、なんか見てたら腹が減ってきた、そういや朝からろくの食べてなかったな。
「なぁ一本くれよ」
「何を言っている私が手に入れたのだ、欲しがったら自分でとってくるのだな」
その金払ったの俺なんだけどぉ!?抑えろ抑えるんだ俺、ここは公衆の面前だ。僕はやり場のない右手で作った握りこぶしを必死にほどいた。
「あの」
「ん、あぁどうしたのゾーイ」
「この子ですよねシガミ様のお連れの」
「うん、そうだけど」
「か、かか可愛い!お名前は何て言うの?何歳?」
「名か?私の名はイータという、そう言うお前は先程からシガミと仲良さそうにしておるが何者だ?」
と言ったところで、何かを察したようにこちらをチラリと見返した。
「なんだよ」
「ははん、シガミそなたもすみに置けぬ奴だのう、私と別行動してこの女子をナンパしておったとはな」
「ば、バカ違うわ!」
「わ、私はシガミ様と先程パーティーを組ませて頂いたゾーイといいます」
「パーティーとな?」
「ああ、ちょっと森に行ってたんだ」
「そこで鬼にあったんですよ」
「しっ、ゾーイあまりその事は話さない方がいい、彼らは平穏に暮らしたいはずだから」
「あ、すみません…」
「なんだか楽しそうではないか、私も今度連れていくのだ」
「それより宿に行こうお腹すいたし」
もう辺りはすっかり暗くなって、昼間は多くの人で賑わう町中も今は殆んどいない。
「そうですね、私が借りている宿があるのでそちらにご一緒しませんか?」
「そうだな、宿を探す手間も省けるしそうするか」
宿に着くとゾーイは受付と何やら話し込んでいる様子。
「どうかしたのか?」
「部屋が満室でどこも空いてないそうなんです」
「うーん、じゃあ他の宿を探すか」
「良かったら私の部屋に泊まりますか?」
「僕は構わないけどゾーイはいいの?」
「はい、ベッドは2つありますし問題ないと思います」
「じゃあ、お言葉に甘えようかな」
「シガミ私はお腹すいた」
こいつさっき食ってたのに何言ってるんだ。
「ふふふ、美味しい料理もあるはずですよ、女将さんに頼んで三人分用意してもらいましたから」
「色々とすまない」
「いえ、私達パーティーなんですから助け合うのは当然です」
部屋に入ると女将さんご食事を用意してきてくれた。
「ありがとうございます女将さん」
「ゾーイちゃんのお願いだからね、特別さ」
「なぁ、シガミもう食べてもいいだろ?」
「お前はもう少し遠慮というものを覚えろ」
「ふふ、どうぞイータちゃんお腹いっぱい食べてね」
「ゾーイあまりこいつを甘やかさないでくれ」
「良いじゃないですか、元気があって」
ゾーイはイータの中身を知らないからな、話したところで意味はないし今はこのままでいいか。
一通り食事を済ませると、ソファーに腰かける。イータも満足の様子。
「明日はどこか予定ありますか?」
「ないけど、ゾーイはまだ僕とパーティー組んでいても大丈夫?」
「私とでは嫌でしょうか?」
「いや、そんなことはないけど、こんな子連れの僕とでは色々迷惑になるのではないかと」
「いえ、むしろイータちゃんがいてくれた方が私は嬉しいです」
「そうか、なら良いんだけど」
「それでですね、良かったら明日はこの町を案内しようと思うんですけどどうでしょうか?」
「この町に来てからまだギルドくらいしか行ってないし、お願いしようかな」
「はい、お任せください!」
「シガミ、私はそろそろ眠くなってきた」
本当この神様受肉してから、何の役にもたたないなむしろ出費がかさむんだが。
「それじゃあ、一緒にお風呂入りましょうか」
「風呂か、あまりすかんのだが」
「駄目ですよ女の子なんですから、綺麗にしないと」
そう言うとイータはゾーイにつれられ風呂場へと向かう。
くそ、なんで僕は女に転生してからここに来なかったんだ!この壁の向こうに楽園があるというのに。
「ゾーイはなかなかに豊満だの」
「え、そそそうですか?」
「このような乳はなかなかおらぬだあろう、私の次くらいだが」
ゾーイはイータの胸に目をやる、七歳の少女にはまだ胸の膨らみはなく平らであった。
「そうね、ゾーイちゃんも大人になったらきっと大きくなるわ」
とかいう会話が壁の向こうから聞こえてくる、何をしてるんだ俺は修学旅行で初めて女子と泊まることになった中学生か!?
「きゃっ、だめよそんなところ触っちゃ」
「良いではないか、減るものでもあるまいし」
おいイータ、いいぞもっとやれ今は許す。僕はしばらく二人の会話を聞き入っていた。
「あがりましたよシガミ様、シガミ様?どうかされましたか?」
「いや、問題ないちょっと貧血になっただけだから」
「大変です血がでています、早く治癒魔法を」
ゾーイは心配そうに駆け寄る、あぁ、良い匂いがする。ではなくて!さっきの会話が脳裏に浮かぶ、ふと視線をしたに向けると服の隙間からチラリと見える。
「本当に大丈夫だから!」
「そ、そうですか?」
神聖な魔法を煩悩によってできたダメージで汚すわけにはいかない、僕はゾーイを必死に振りほどくと風呂場へと走った。
はぁ、女の子と一緒にお泊まりするなんて今までなかったからなこんなことなら、こっちに来る前に経験値を稼いでおくべきだった。そういえば奈保はどうしているだろか、彼女は僕に何かと好意を持っていたと思うんだけど、今頃とうしてるかな…あれ!?そういえば大事な仕事終わってなかったじゃん!やっば…、まぁいいか僕は行方不明ってことになってるだろうし、母親のことは心配だけど…、一度戻ったり出来ないのかなぁ。無理だろうなぁ。
「おいシガミいつまで入っておるのだ」
「あの、やっぱり治癒魔法を」
「いや、大丈夫だから!もうあがるから!」
色々思い残すことはあるけど、今はこの世界でやれることをするまでだ。
「大丈夫?」
「はい、心配してくださってありがとうございます」
「あの、シガミ様先ほどの魔法なんですがあれはシガミ様の魔法ですか?」
「いや、イータ…ある人物に教えてもらったんだよ、腹痛を治す魔法らしいけど」
するとゾーイは首を横に降った。
「いいえ、先ほどの魔法はそんな単純なものではありません、実はコメさんの弟さんの容態を見たとき、肩に古い傷があったのを見たんです。それがシガミ様が魔法をかけられた後その傷痕も無くなっていたのです、おまけに毒も完全に浄化しました」
「となると腹痛だけでなく、状態異常や傷も癒せるのか」
「いえ、なんというかそういった類いのものではない気がするんです、治すというより戻・し・た・と言った方が正しい気がします」
戻したか、つまり怪我や毒に犯される前の正常な体に巻き戻したってこと?そんなこと魔法でできるのか?
「それにその魔法、私が知る限りではそんな魔法はないと思うのですが…」
「ですが?」
「何処かで聞いたことがある気がするんです」
「僕も教えてもらっただけだから詳しい事はよく知らないんだ」
「そうですか、すみません変なことを聞いてしまって」
話している間に気がつけばもうすぐ町に着く、あれ?なんか忘れてるような気がするけど気のせいかな。
「ところでシガミ様、娘さん…ではなく親戚の女の子は大丈夫なのですか?」
「あ」
完全に忘れてた、確かに別行動とは言ったけど半日近く放置してたな、どこかで暴れてなきゃいいけど。
「くぉらぁ食い逃げー!誰かそのガキを捕まえてくれ」
「こんなご時世に食い逃げなんてどこのガキだ」
「腹が減ったのだ、少しくらい頂いてもよいだろうが!」
あれ、なんか聞き覚えのある声だな。
「お、シガミ丁度良いところに、あのオヤジになんか言ってやってくれ」
少女は素早く僕の背後に隠れると、追いかけてきたオヤジと睨みあっている、やがてその視線は僕へと集まる。
「お前がこのガキの親か、そのガキがうちの商品を勝手に持っていきやがったんだ、そのガキが払わないってならお前が金を払ってもらおうか」
「いいえ、違います。人違いでしょう」
「なんだ?違うのか?そのわりには親しそうだが」
「パパ、イータ何も悪くないよ?お腹空いてたんだもの」
こいつ、急に猫被りやがってどこでそんな特技覚えた。
「やっぱりそうじゃねえか!さぁ焼き鳥二本で14ラリーだ」
ちくしょう、結局払うはめになってしまった。まぁしかし放置してたのは僕のせいだし多目に見るか。
「はむ、はむ」
こいつ悪びれた様子もなく美味しそうに食いやがって、なんか見てたら腹が減ってきた、そういや朝からろくの食べてなかったな。
「なぁ一本くれよ」
「何を言っている私が手に入れたのだ、欲しがったら自分でとってくるのだな」
その金払ったの俺なんだけどぉ!?抑えろ抑えるんだ俺、ここは公衆の面前だ。僕はやり場のない右手で作った握りこぶしを必死にほどいた。
「あの」
「ん、あぁどうしたのゾーイ」
「この子ですよねシガミ様のお連れの」
「うん、そうだけど」
「か、かか可愛い!お名前は何て言うの?何歳?」
「名か?私の名はイータという、そう言うお前は先程からシガミと仲良さそうにしておるが何者だ?」
と言ったところで、何かを察したようにこちらをチラリと見返した。
「なんだよ」
「ははん、シガミそなたもすみに置けぬ奴だのう、私と別行動してこの女子をナンパしておったとはな」
「ば、バカ違うわ!」
「わ、私はシガミ様と先程パーティーを組ませて頂いたゾーイといいます」
「パーティーとな?」
「ああ、ちょっと森に行ってたんだ」
「そこで鬼にあったんですよ」
「しっ、ゾーイあまりその事は話さない方がいい、彼らは平穏に暮らしたいはずだから」
「あ、すみません…」
「なんだか楽しそうではないか、私も今度連れていくのだ」
「それより宿に行こうお腹すいたし」
もう辺りはすっかり暗くなって、昼間は多くの人で賑わう町中も今は殆んどいない。
「そうですね、私が借りている宿があるのでそちらにご一緒しませんか?」
「そうだな、宿を探す手間も省けるしそうするか」
宿に着くとゾーイは受付と何やら話し込んでいる様子。
「どうかしたのか?」
「部屋が満室でどこも空いてないそうなんです」
「うーん、じゃあ他の宿を探すか」
「良かったら私の部屋に泊まりますか?」
「僕は構わないけどゾーイはいいの?」
「はい、ベッドは2つありますし問題ないと思います」
「じゃあ、お言葉に甘えようかな」
「シガミ私はお腹すいた」
こいつさっき食ってたのに何言ってるんだ。
「ふふふ、美味しい料理もあるはずですよ、女将さんに頼んで三人分用意してもらいましたから」
「色々とすまない」
「いえ、私達パーティーなんですから助け合うのは当然です」
部屋に入ると女将さんご食事を用意してきてくれた。
「ありがとうございます女将さん」
「ゾーイちゃんのお願いだからね、特別さ」
「なぁ、シガミもう食べてもいいだろ?」
「お前はもう少し遠慮というものを覚えろ」
「ふふ、どうぞイータちゃんお腹いっぱい食べてね」
「ゾーイあまりこいつを甘やかさないでくれ」
「良いじゃないですか、元気があって」
ゾーイはイータの中身を知らないからな、話したところで意味はないし今はこのままでいいか。
一通り食事を済ませると、ソファーに腰かける。イータも満足の様子。
「明日はどこか予定ありますか?」
「ないけど、ゾーイはまだ僕とパーティー組んでいても大丈夫?」
「私とでは嫌でしょうか?」
「いや、そんなことはないけど、こんな子連れの僕とでは色々迷惑になるのではないかと」
「いえ、むしろイータちゃんがいてくれた方が私は嬉しいです」
「そうか、なら良いんだけど」
「それでですね、良かったら明日はこの町を案内しようと思うんですけどどうでしょうか?」
「この町に来てからまだギルドくらいしか行ってないし、お願いしようかな」
「はい、お任せください!」
「シガミ、私はそろそろ眠くなってきた」
本当この神様受肉してから、何の役にもたたないなむしろ出費がかさむんだが。
「それじゃあ、一緒にお風呂入りましょうか」
「風呂か、あまりすかんのだが」
「駄目ですよ女の子なんですから、綺麗にしないと」
そう言うとイータはゾーイにつれられ風呂場へと向かう。
くそ、なんで僕は女に転生してからここに来なかったんだ!この壁の向こうに楽園があるというのに。
「ゾーイはなかなかに豊満だの」
「え、そそそうですか?」
「このような乳はなかなかおらぬだあろう、私の次くらいだが」
ゾーイはイータの胸に目をやる、七歳の少女にはまだ胸の膨らみはなく平らであった。
「そうね、ゾーイちゃんも大人になったらきっと大きくなるわ」
とかいう会話が壁の向こうから聞こえてくる、何をしてるんだ俺は修学旅行で初めて女子と泊まることになった中学生か!?
「きゃっ、だめよそんなところ触っちゃ」
「良いではないか、減るものでもあるまいし」
おいイータ、いいぞもっとやれ今は許す。僕はしばらく二人の会話を聞き入っていた。
「あがりましたよシガミ様、シガミ様?どうかされましたか?」
「いや、問題ないちょっと貧血になっただけだから」
「大変です血がでています、早く治癒魔法を」
ゾーイは心配そうに駆け寄る、あぁ、良い匂いがする。ではなくて!さっきの会話が脳裏に浮かぶ、ふと視線をしたに向けると服の隙間からチラリと見える。
「本当に大丈夫だから!」
「そ、そうですか?」
神聖な魔法を煩悩によってできたダメージで汚すわけにはいかない、僕はゾーイを必死に振りほどくと風呂場へと走った。
はぁ、女の子と一緒にお泊まりするなんて今までなかったからなこんなことなら、こっちに来る前に経験値を稼いでおくべきだった。そういえば奈保はどうしているだろか、彼女は僕に何かと好意を持っていたと思うんだけど、今頃とうしてるかな…あれ!?そういえば大事な仕事終わってなかったじゃん!やっば…、まぁいいか僕は行方不明ってことになってるだろうし、母親のことは心配だけど…、一度戻ったり出来ないのかなぁ。無理だろうなぁ。
「おいシガミいつまで入っておるのだ」
「あの、やっぱり治癒魔法を」
「いや、大丈夫だから!もうあがるから!」
色々思い残すことはあるけど、今はこの世界でやれることをするまでだ。
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