炎呪転生~理不尽なシスコン吸血鬼~
22節 いい加減にしなさい
「「「いい加減にしなさい」」」
「「はい? ……」」
そこにいたリリスと突然現れたヒトミとアノニムがアルゴライムとズィミアの言い争いに一言そう言った。話を遮られたことにより、不機嫌になったアルゴライムとズィミアが答えたが、そこにヒトミとアノニムがいることに驚いてそのあとの言葉が出なかった。
「アノニム? 今の言葉はあなたらしくないわ」
「リリスか。変わりすぎだな、あんたは。私もヒトミなんだぞ? 咄嗟に出る言葉は今のような感じだ」
「そう」
アノニムが今までの口調からは考えられない言葉に一番驚いていたのはリリスだった。アノニムのことを計画遂行のためにしか見ていないズィミア、ある程度の距離を保って接しなければならないヒトミ、ほんの数百年だが友人としてずっと話し相手になっていたリリスでは、リリスが一番馴染みが深く、それに気づいたのだ。
「そんなことよりズィミア。私が頼んだのはあの世界にこの子を落とすことよ。この部屋を封印してその気味悪い愛を語ることじゃないわ」
ヒトミがズィミアの目を見ながら言った。その空気を察したアルゴライムは、ズィミアに掴みかかりかけていた手を離してアノニムに近づいた。
「さて、私たちは一回外に出るからな。ヒトミ、頼んだぞ」
「頼んだもなにも……。そういう話だったんだから、早く出ていきなさい」
「了解」
アノニムは、ヒトミの言葉にそう返事をして自分の部屋から出ていった。
部屋に残ったのはヒトミとズィミアの二人だけ。そして、その部屋は出ることはできても入ることはできないように封印されている。中の様子を確認することももちろんできない。
「……アノニム、説明を求めます」
「アルゴライム、リリス。……はぁ……。ズィミアがついに壊れただけの話だ。それと、……私とヒトミとズィミアの思考回路はたいして変わらないんだ」
アノニムは、少し疲れたような表情でアルゴライムたちにそう言った。
「いきなりなんですか。それに、意味がわかりません」
「……私、少し話を聞いただけなんだから。ほとんど状況をのみ込めてないんだけど。それも含めてライムのことも説明して」
さっきまでほとんど話していなかったリリスがそう言った。その顔から、それまでにないほどに怒っていることが誰にでも理解した。顔が怒りに染まっているわけではない。けれど、その顔はなにも語っていなかった。だからこそ、怒っているその声が二人に響き、怒りが露になっていたのだ。
「「はい? ……」」
そこにいたリリスと突然現れたヒトミとアノニムがアルゴライムとズィミアの言い争いに一言そう言った。話を遮られたことにより、不機嫌になったアルゴライムとズィミアが答えたが、そこにヒトミとアノニムがいることに驚いてそのあとの言葉が出なかった。
「アノニム? 今の言葉はあなたらしくないわ」
「リリスか。変わりすぎだな、あんたは。私もヒトミなんだぞ? 咄嗟に出る言葉は今のような感じだ」
「そう」
アノニムが今までの口調からは考えられない言葉に一番驚いていたのはリリスだった。アノニムのことを計画遂行のためにしか見ていないズィミア、ある程度の距離を保って接しなければならないヒトミ、ほんの数百年だが友人としてずっと話し相手になっていたリリスでは、リリスが一番馴染みが深く、それに気づいたのだ。
「そんなことよりズィミア。私が頼んだのはあの世界にこの子を落とすことよ。この部屋を封印してその気味悪い愛を語ることじゃないわ」
ヒトミがズィミアの目を見ながら言った。その空気を察したアルゴライムは、ズィミアに掴みかかりかけていた手を離してアノニムに近づいた。
「さて、私たちは一回外に出るからな。ヒトミ、頼んだぞ」
「頼んだもなにも……。そういう話だったんだから、早く出ていきなさい」
「了解」
アノニムは、ヒトミの言葉にそう返事をして自分の部屋から出ていった。
部屋に残ったのはヒトミとズィミアの二人だけ。そして、その部屋は出ることはできても入ることはできないように封印されている。中の様子を確認することももちろんできない。
「……アノニム、説明を求めます」
「アルゴライム、リリス。……はぁ……。ズィミアがついに壊れただけの話だ。それと、……私とヒトミとズィミアの思考回路はたいして変わらないんだ」
アノニムは、少し疲れたような表情でアルゴライムたちにそう言った。
「いきなりなんですか。それに、意味がわかりません」
「……私、少し話を聞いただけなんだから。ほとんど状況をのみ込めてないんだけど。それも含めてライムのことも説明して」
さっきまでほとんど話していなかったリリスがそう言った。その顔から、それまでにないほどに怒っていることが誰にでも理解した。顔が怒りに染まっているわけではない。けれど、その顔はなにも語っていなかった。だからこそ、怒っているその声が二人に響き、怒りが露になっていたのだ。
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