炎呪転生~理不尽なシスコン吸血鬼~
17節 遥か昔の記憶part2
ヨルカはリサを睨み付け、言った。
「ルーちゃんは、ルイは、私とお話してただけだもん! 」
ヨルカの目には涙が溜まっていた。その涙を流さないようにしながら睨み続けていた。
「ヨルカ様、どうされたのですか? 私は、ルイが仕事を終えぬまま遊び歩いていたので、連れ戻そうとしているだけですよ? そんなに恐ろしい顔をなさらないでください」
「黙れ! 」
ヨルカは叫び、左手をリサの前に出した。
「ど、どうなさったのですか? ヨルカ様」
「黙れって言った」
魔術を放たれるのではないかとリサは怯えていた。ルイはその圧に、何もすることができなかった。
「殺してあげるよ、罰として」
ヨルカがそう言い、魔術詠唱を始めようとしたときだった。声がした。
「ヨルカ」
その声は、とても優しいが、怒りも含んでいた。
「お姉さま……」
「キューバル様! 」
「ヨルカ、殺しちゃダメよ。罰を与えるならば拷問にしなさい。リサは狼だもの、死にはしないわ」
キューバルはゆっくりと歩きながら言った。その言葉にリサは言葉を失っていた。
「お姉さま……いいの? 」
「ええ」
キューバルの返事はとても短かったが、確証を得られるものだった。
「キ、キューバル様、私は! 」
「リサの話は私も知っていたわ。いつか罰を与えなければと思っていたの。丁度良いわ。ヨルカ、殺さないでね」
キューバルはそうとだけ言うと、その場を去った。リサは泣き、ルイは怯え、ヨルカは、とても悲しかった。
「炎よ、我がチカラとなりてその者を包め」
「ヨルカ様、おやめください! どうか! 」
ヨルカは詠唱を終えた魔力の塊を左手に留め、リサに見せていた。その紅い目で冷たく、床に座り込んでしまったリサを見つめていた。
「お姉さまの命令だもん、死なない程度に苦しめなきゃ」
「ヨ、ヨルカ様! 」
人間にとっては強すぎる魔力と妖力の圧に何も言うことができなかったルイが、いきなりヨルカの名を呼んだ。
「何、ルーちゃん」
ヨルカはルイの方を見なかった。
「ヨルカ様、私が悪いんです。私にも罰をお与えください」
「お姉さまの命令じゃないから、無理」
ヨルカはそう言うと、しっかりとリサを見つめた。
「炎縄……」 
ヨルカが呟くと、魔力の塊は縄状の炎となり、リサに巻き付いた。
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! ! 」
屋敷の中に、リサの甲高い悲鳴が鳴り響いた。ヨルカはリサを部屋から蹴り出し、扉を閉めた。
そして、笑顔でルイの方を向き、言った。
「ルーちゃん、お話ししよう! 」
ヨルカは寂しかった。会議が終わってもなお、自分のもとへ来てくれない姉に憎しみを持った。けれど、やはり姉を愛していた。
「か、かしこまりました。ヨルカ様」
ルイは殺されると思い、急いで立ち上がり、答えた。
「ルーちゃんは、ルイは、私とお話してただけだもん! 」
ヨルカの目には涙が溜まっていた。その涙を流さないようにしながら睨み続けていた。
「ヨルカ様、どうされたのですか? 私は、ルイが仕事を終えぬまま遊び歩いていたので、連れ戻そうとしているだけですよ? そんなに恐ろしい顔をなさらないでください」
「黙れ! 」
ヨルカは叫び、左手をリサの前に出した。
「ど、どうなさったのですか? ヨルカ様」
「黙れって言った」
魔術を放たれるのではないかとリサは怯えていた。ルイはその圧に、何もすることができなかった。
「殺してあげるよ、罰として」
ヨルカがそう言い、魔術詠唱を始めようとしたときだった。声がした。
「ヨルカ」
その声は、とても優しいが、怒りも含んでいた。
「お姉さま……」
「キューバル様! 」
「ヨルカ、殺しちゃダメよ。罰を与えるならば拷問にしなさい。リサは狼だもの、死にはしないわ」
キューバルはゆっくりと歩きながら言った。その言葉にリサは言葉を失っていた。
「お姉さま……いいの? 」
「ええ」
キューバルの返事はとても短かったが、確証を得られるものだった。
「キ、キューバル様、私は! 」
「リサの話は私も知っていたわ。いつか罰を与えなければと思っていたの。丁度良いわ。ヨルカ、殺さないでね」
キューバルはそうとだけ言うと、その場を去った。リサは泣き、ルイは怯え、ヨルカは、とても悲しかった。
「炎よ、我がチカラとなりてその者を包め」
「ヨルカ様、おやめください! どうか! 」
ヨルカは詠唱を終えた魔力の塊を左手に留め、リサに見せていた。その紅い目で冷たく、床に座り込んでしまったリサを見つめていた。
「お姉さまの命令だもん、死なない程度に苦しめなきゃ」
「ヨ、ヨルカ様! 」
人間にとっては強すぎる魔力と妖力の圧に何も言うことができなかったルイが、いきなりヨルカの名を呼んだ。
「何、ルーちゃん」
ヨルカはルイの方を見なかった。
「ヨルカ様、私が悪いんです。私にも罰をお与えください」
「お姉さまの命令じゃないから、無理」
ヨルカはそう言うと、しっかりとリサを見つめた。
「炎縄……」 
ヨルカが呟くと、魔力の塊は縄状の炎となり、リサに巻き付いた。
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! ! 」
屋敷の中に、リサの甲高い悲鳴が鳴り響いた。ヨルカはリサを部屋から蹴り出し、扉を閉めた。
そして、笑顔でルイの方を向き、言った。
「ルーちゃん、お話ししよう! 」
ヨルカは寂しかった。会議が終わってもなお、自分のもとへ来てくれない姉に憎しみを持った。けれど、やはり姉を愛していた。
「か、かしこまりました。ヨルカ様」
ルイは殺されると思い、急いで立ち上がり、答えた。
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