炎呪転生~理不尽なシスコン吸血鬼~
12節 感情
「名無……変わらないな」
二名無が消されてから、名無は神に逆らうことはない。話しかけることもなければ、勝手な行動をすることもない。名無のその行動は他の管理者と差の無いものだった。
「errorNo.20、通称名アノニム」
三階の廊下で、アノニムが名無の去っていった方向を眺めていると、突然後ろから話しかけられた。すると、そこにはフードを被った一人の少女が立っていた。
「……ハナか、どうしたんだ。正常な管理者さんは破壊活動でもしてたらどうなんだ」
「神の命です。メアリー・リリス・トキューバを回収に参りました。隠しているようなので問います、どこですか? 」
ハナはアノニムの言葉に全く耳を貸さなかった。
「そんな狼は知らん。帰れ」
アノニムは少し機嫌が悪かった。なぜかはわからなかったが、ハナがリリスのことを"メアリー・リリス・トキューバ"と呼んだことが気に食わなかったのだ。
「いいえ、あなたはメアリー・リリス・トキューバと何度も接触をしています。知らないはずは……」
「リリス・麗菜・クローバーだ。私が話していたのは紛れもなくあいつだ」
アノニムはハナの話を遮って大きめの声で言った。
「はい? そんな名前の者は、この世界にはいませんよ」
「一度神の元に帰ってよく調べてくるんだな。話はそれからだ」
「それは不可能です。我々、管理者は、神の命に従うまで戻れません」
少し、怒った。アノニムは神のことが嫌いなのだ。だから、『神の命』という言葉はアノニムの嫌いな言葉トップ3にはいるほどに聞きたくないのだ。だから、怒った。
「へぇー、私を消すこともできなかった神の命ね~。機能停止すらできなかった者の命ね~」
「何が言いたいのですか」
ハナが少し反応した。アノニムはずっと疑っていたことがあった。『感情がないなんて嘘だ』とずっと思っていたのだ。感情がなければあの場で歩き回るなんてありえない。
だから、感情は僅かだが存在するとアノニムは信じてきた。だからこそ、敬うべき対象、神を煽れば反応すると思ったのだ。
「いや、私みたいな管理者ごときとほとんど変わらない魔力量しか保持していない神なんかの言うことよく聞けるな」
「やめてください。神の侮辱は消滅処分になります。あなた、消されますy…… 」
「だから消せないって」
ハナの言葉に被せるようにアノニムは言った。ハナも少し怒ったようだ。
「……あなたも私と同じく、ただの管理者の一つです。これ以上神を侮辱するのn……」
「する。だって私はあいつが嫌いだから」
ハナの顔つきが明らかに変わった。圧が強く、さっきまでなにも感じなかったのに、殺気を漂わせていた。
「そうですか。そうならそこまでです。私がわざわざあなたの前に来た理由、わかっていますよね」
「ああ。お前のスキルが破壊に特化しているからだろう? 私が反抗し次第、強制送還するため。違うか? 」
「そこまでわかっているならすることは決まっていますよね、errorNo.20、通称名アノニム」
ハナはそう言うと、つけていたフードを外し、長い茶髪をおろした。そして、冷たい目で手を翳した。
二名無が消されてから、名無は神に逆らうことはない。話しかけることもなければ、勝手な行動をすることもない。名無のその行動は他の管理者と差の無いものだった。
「errorNo.20、通称名アノニム」
三階の廊下で、アノニムが名無の去っていった方向を眺めていると、突然後ろから話しかけられた。すると、そこにはフードを被った一人の少女が立っていた。
「……ハナか、どうしたんだ。正常な管理者さんは破壊活動でもしてたらどうなんだ」
「神の命です。メアリー・リリス・トキューバを回収に参りました。隠しているようなので問います、どこですか? 」
ハナはアノニムの言葉に全く耳を貸さなかった。
「そんな狼は知らん。帰れ」
アノニムは少し機嫌が悪かった。なぜかはわからなかったが、ハナがリリスのことを"メアリー・リリス・トキューバ"と呼んだことが気に食わなかったのだ。
「いいえ、あなたはメアリー・リリス・トキューバと何度も接触をしています。知らないはずは……」
「リリス・麗菜・クローバーだ。私が話していたのは紛れもなくあいつだ」
アノニムはハナの話を遮って大きめの声で言った。
「はい? そんな名前の者は、この世界にはいませんよ」
「一度神の元に帰ってよく調べてくるんだな。話はそれからだ」
「それは不可能です。我々、管理者は、神の命に従うまで戻れません」
少し、怒った。アノニムは神のことが嫌いなのだ。だから、『神の命』という言葉はアノニムの嫌いな言葉トップ3にはいるほどに聞きたくないのだ。だから、怒った。
「へぇー、私を消すこともできなかった神の命ね~。機能停止すらできなかった者の命ね~」
「何が言いたいのですか」
ハナが少し反応した。アノニムはずっと疑っていたことがあった。『感情がないなんて嘘だ』とずっと思っていたのだ。感情がなければあの場で歩き回るなんてありえない。
だから、感情は僅かだが存在するとアノニムは信じてきた。だからこそ、敬うべき対象、神を煽れば反応すると思ったのだ。
「いや、私みたいな管理者ごときとほとんど変わらない魔力量しか保持していない神なんかの言うことよく聞けるな」
「やめてください。神の侮辱は消滅処分になります。あなた、消されますy…… 」
「だから消せないって」
ハナの言葉に被せるようにアノニムは言った。ハナも少し怒ったようだ。
「……あなたも私と同じく、ただの管理者の一つです。これ以上神を侮辱するのn……」
「する。だって私はあいつが嫌いだから」
ハナの顔つきが明らかに変わった。圧が強く、さっきまでなにも感じなかったのに、殺気を漂わせていた。
「そうですか。そうならそこまでです。私がわざわざあなたの前に来た理由、わかっていますよね」
「ああ。お前のスキルが破壊に特化しているからだろう? 私が反抗し次第、強制送還するため。違うか? 」
「そこまでわかっているならすることは決まっていますよね、errorNo.20、通称名アノニム」
ハナはそう言うと、つけていたフードを外し、長い茶髪をおろした。そして、冷たい目で手を翳した。
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コメント
姉川京
ここまで読んでみたのですが、とても読み応えがありました!
応援してます!
これからもお互い頑張りましょうね♪
あともし宜しければ僕の作品もよろしくお願いします!