炎呪転生~理不尽なシスコン吸血鬼~
8節 本当の目的
アルゴライム達は館に戻った。空の闇は晴れ、青空が広がっていた。
「あのさ、悪いんだけどリリスはこの話聞かないでくれないかい? 」
館に着くと、アノニムがそう言った。もちろん、リリスは反抗した。
「どうして? 私にも聞かせてちょうだい」
「聞いてもらっても構わないんだけどさ、本当はダメなことも今まで話してきたわけだからな。でも、今回はダメだ」
「理由がわからないわ」
リリスは、理由次第では仕方ないと思っていたが、理由がないのであればと言うつもりで言った。ここまでわがままを言うつもりはなかった。ただ、リリスには自分だけが外れものにされることと、家族からの目を重ねてしまう癖があった。そのせいで少しやけになって話を聞きたがっているのかもしれない。
「リース。お願いですから、この話はどうか二人でさせてください。私もいろいろと聞きたいことがあるので、取り乱してしまう可能性がありますし、そのせいでこの館が燃えたとき、リースを巻き込みたくないのです」
リリスはアルゴライムのその言葉に何も言えなかった。外れものにされていることには変わらない。ただ、何度も聞いているから。アルゴライムの姉、母、父のこと。前の世界のことを。そして、アルゴライムがリリスを心配していたから。リリスは炎耐性を持っていない。もしも、アルゴライムが炎を放ったときに隣にいたら、恐らく生きてはいないだろう。それがわかったからだ。
「あ、リース。ついでにとはなんですが、町まで買いものに行ってもらえませんか? しばらくこの方にはここにいてもらうつもりなので、この方の食料など、生活に必要なものを」
「え、ええ。わかったわ。金庫からお金を取ったらそのまま二階の窓から出るわね。ライム達は話、していてね」
アルゴライムにお使いを頼まれ、リリスはそうとだけ言って出ていった。リリスが出ていったことを確認すると、アノニムは言った。
「別に何も食べなくとも生きていけるんだけど……。食べれるけどさ」
アノニムのその言葉にアルゴライムはため息をついてから答えた。
「でも、リースにここを出て行ってもらう口実を作るために黙ってたんですか……。まあ、来てください。貴方の部屋を用意するので、そこで話しましょう」
二人は歩いた。館の二階にある、たくさんの空き部屋のひとつ。リリスの向かいの部屋に向かった。
「ここです」
「ああ、ありがとう」
すでに机と椅子は用意されていた。アルゴライムが必要になると判断し、用意しておいたのだ。
「ところで……。『終わる』とは、どういうことですか? 説明願います」
アルゴライムは転生後、一番多くの闇を含ませた声で問いた。その言葉にアノニムは目を作り、フードをはずし、答えた。
「なぜ、知っているのさ」
「帰ってくる間にリリスの記憶から聞きました。他にも色々気になりますが、それは置いておきましょう」
「ほーう。まあ、いいさ。これからあんたに言わなきゃならないあんたを転生させた本当の目的と同じ内容になるか。まあ、聞け」
「あのさ、悪いんだけどリリスはこの話聞かないでくれないかい? 」
館に着くと、アノニムがそう言った。もちろん、リリスは反抗した。
「どうして? 私にも聞かせてちょうだい」
「聞いてもらっても構わないんだけどさ、本当はダメなことも今まで話してきたわけだからな。でも、今回はダメだ」
「理由がわからないわ」
リリスは、理由次第では仕方ないと思っていたが、理由がないのであればと言うつもりで言った。ここまでわがままを言うつもりはなかった。ただ、リリスには自分だけが外れものにされることと、家族からの目を重ねてしまう癖があった。そのせいで少しやけになって話を聞きたがっているのかもしれない。
「リース。お願いですから、この話はどうか二人でさせてください。私もいろいろと聞きたいことがあるので、取り乱してしまう可能性がありますし、そのせいでこの館が燃えたとき、リースを巻き込みたくないのです」
リリスはアルゴライムのその言葉に何も言えなかった。外れものにされていることには変わらない。ただ、何度も聞いているから。アルゴライムの姉、母、父のこと。前の世界のことを。そして、アルゴライムがリリスを心配していたから。リリスは炎耐性を持っていない。もしも、アルゴライムが炎を放ったときに隣にいたら、恐らく生きてはいないだろう。それがわかったからだ。
「あ、リース。ついでにとはなんですが、町まで買いものに行ってもらえませんか? しばらくこの方にはここにいてもらうつもりなので、この方の食料など、生活に必要なものを」
「え、ええ。わかったわ。金庫からお金を取ったらそのまま二階の窓から出るわね。ライム達は話、していてね」
アルゴライムにお使いを頼まれ、リリスはそうとだけ言って出ていった。リリスが出ていったことを確認すると、アノニムは言った。
「別に何も食べなくとも生きていけるんだけど……。食べれるけどさ」
アノニムのその言葉にアルゴライムはため息をついてから答えた。
「でも、リースにここを出て行ってもらう口実を作るために黙ってたんですか……。まあ、来てください。貴方の部屋を用意するので、そこで話しましょう」
二人は歩いた。館の二階にある、たくさんの空き部屋のひとつ。リリスの向かいの部屋に向かった。
「ここです」
「ああ、ありがとう」
すでに机と椅子は用意されていた。アルゴライムが必要になると判断し、用意しておいたのだ。
「ところで……。『終わる』とは、どういうことですか? 説明願います」
アルゴライムは転生後、一番多くの闇を含ませた声で問いた。その言葉にアノニムは目を作り、フードをはずし、答えた。
「なぜ、知っているのさ」
「帰ってくる間にリリスの記憶から聞きました。他にも色々気になりますが、それは置いておきましょう」
「ほーう。まあ、いいさ。これからあんたに言わなきゃならないあんたを転生させた本当の目的と同じ内容になるか。まあ、聞け」
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