炎呪転生~理不尽なシスコン吸血鬼~
3節 クローバーの鬼 (3)
「リ、リリス様! 」
兵達はリリスの姿を見て驚いているようだった。まあ、それはそうだ。『クローバー家の者となった』とリリスが言って姿を消して三ヶ月、町にも現れることなく、もう国を離れたか、すでに死んでしまったと思われても仕方のないことだった。
「何よ。久しいわね、スターロ。貴方、人間でもう年なのだから引退したら?もう今年で五十八歳でしょう? 」
この世界の人間の平均寿命は極めて低い。この世界の五十歳と言えばかなりの老人扱いされてもおかしくない。
「リリス様。我ら兵は生命の尽きる限りトキューバ家に仕えることを誓いました。ですので身体の動くうちは引退いたしません」
スターロと呼ばれた男がそういうと、何かに気がついたリリスは羽を広げ、警戒心を強めていた。そして、アルゴライムにしかわからないように言った。
「ライム、決して羽を広げないで。いいわね? 」
アルゴライムにもリリスの感じた危機感は伝わってきた。そして、日本語で答えた。
「ええ。わかっていますよ。麗菜お姉さま」
そして……、町の奥から一人だけ雰囲気が明らかに違う女が兵、そしてアルゴライムの達の方へと向かってきた。
「メイリス様! ……」
彼女は現、トキューバ家の当主であり、リリスの実の母親だった。メイリスは優しい穏やかな笑みを浮かべ、その笑みの裏に殺意を持ったオーラを纏い、リリスに近づいた。
ルータス・メイリス・トキューバ
鬼狼
アルゴライムの脳内に、そんな文字が浮かんだ。
「あらあら、久しいわねぇ、リリス。……いえ、クローバーさん……かしら? トキューバ家の代表として先程の貴女のお供の方への無礼を詫びますわ。そしてクローバーさん、貴女方は何故ここにいらっしゃるのかしら? 」
そのメイリスの言葉には嫌みと怒りが込められていた。アルゴライムは遠回しに他の者を見下すこのような態度を嫌っていた。それ故、いざとなったらメイリスごと燃やし、強行突破でもしてやろうと考えていた。
「……クローバー家の当主代理として挨拶をいたします。私共、クローバー家はこの町から少し離れた場所に屋敷を構えております。そのため、冬になると町にはいることが困難になるため、買い出しに来たわけです」
「……先程、スターロ達から聞いたのですが、そちらのクローバー家の少女がこれらの者へ向け、自分の方がこの私よりも価値がある…自分の方が偉いとでも言うようなことを言い、勘違いをしていたようなのですが、鬼狼と言う誇り高き存在の頂点にも立つこの私が許します。そちらの少女……御当主様に鬼狼がいかに誇り高き存在なのか教えて差し上げていただけないでしょうか? 」
微かに舌打ちをする音がした。アルゴライムだ。彼女はリリスの後ろからずっとメイリスを睨み、恨みを込めて舌打ちをしたのだ。そして、それはメイリスの耳にも届いていた。が、彼女はそれを低俗の妬みだと無視していた。その態度にアルゴライムが口を出そうと前に出ようとしたが、羽を広げたリリスの厚保に負け、羽を広げていないアルゴライムはそれ以上前に出ることはできなかった。
「……お言葉ですが、私たちクローバー家は鬼狼を誇り高くなど思っていません。私は確かに鬼狼で、貴女の元で鬼狼が誇り高き存在だと学んでいました。しかし、少なくとも鬼狼は全く誇り高くなどいません」
そのリリスの言葉にメイリスの笑みが破壊された。
「リリス……。撤回しなさい」
「今の言葉を撤回したところで私たちの考えが変わるわけではありませんがね」
「そこの吸血鬼に何を吹き込まれたのですか  」
そのメイリスの言葉に周辺で見物していた者はざわめいた。確かにメイリスは今、吸血鬼と言った。何故ばれた? そんなことは簡単だ。
「Bloodsmelling」(わからない人は一話を見てください)
アルゴライムが口を開いた。そして、怒りに燃えていた。
「ですよね? 鬼狼さん」
メイリスの顔は、再び笑みで道溢れた。しかし、優しさも穏やかさもなく、怒りと殺意のみがあった。
長かった。ただひたすら長かった。メイリス遠回しすぎで言うこと長いから疲れた(自分で考えてるけど)。単刀直入に言ってください。
そして、以前も書いたことがありましたが、コメント、何かありましたら何でも書いてください。
兵達はリリスの姿を見て驚いているようだった。まあ、それはそうだ。『クローバー家の者となった』とリリスが言って姿を消して三ヶ月、町にも現れることなく、もう国を離れたか、すでに死んでしまったと思われても仕方のないことだった。
「何よ。久しいわね、スターロ。貴方、人間でもう年なのだから引退したら?もう今年で五十八歳でしょう? 」
この世界の人間の平均寿命は極めて低い。この世界の五十歳と言えばかなりの老人扱いされてもおかしくない。
「リリス様。我ら兵は生命の尽きる限りトキューバ家に仕えることを誓いました。ですので身体の動くうちは引退いたしません」
スターロと呼ばれた男がそういうと、何かに気がついたリリスは羽を広げ、警戒心を強めていた。そして、アルゴライムにしかわからないように言った。
「ライム、決して羽を広げないで。いいわね? 」
アルゴライムにもリリスの感じた危機感は伝わってきた。そして、日本語で答えた。
「ええ。わかっていますよ。麗菜お姉さま」
そして……、町の奥から一人だけ雰囲気が明らかに違う女が兵、そしてアルゴライムの達の方へと向かってきた。
「メイリス様! ……」
彼女は現、トキューバ家の当主であり、リリスの実の母親だった。メイリスは優しい穏やかな笑みを浮かべ、その笑みの裏に殺意を持ったオーラを纏い、リリスに近づいた。
ルータス・メイリス・トキューバ
鬼狼
アルゴライムの脳内に、そんな文字が浮かんだ。
「あらあら、久しいわねぇ、リリス。……いえ、クローバーさん……かしら? トキューバ家の代表として先程の貴女のお供の方への無礼を詫びますわ。そしてクローバーさん、貴女方は何故ここにいらっしゃるのかしら? 」
そのメイリスの言葉には嫌みと怒りが込められていた。アルゴライムは遠回しに他の者を見下すこのような態度を嫌っていた。それ故、いざとなったらメイリスごと燃やし、強行突破でもしてやろうと考えていた。
「……クローバー家の当主代理として挨拶をいたします。私共、クローバー家はこの町から少し離れた場所に屋敷を構えております。そのため、冬になると町にはいることが困難になるため、買い出しに来たわけです」
「……先程、スターロ達から聞いたのですが、そちらのクローバー家の少女がこれらの者へ向け、自分の方がこの私よりも価値がある…自分の方が偉いとでも言うようなことを言い、勘違いをしていたようなのですが、鬼狼と言う誇り高き存在の頂点にも立つこの私が許します。そちらの少女……御当主様に鬼狼がいかに誇り高き存在なのか教えて差し上げていただけないでしょうか? 」
微かに舌打ちをする音がした。アルゴライムだ。彼女はリリスの後ろからずっとメイリスを睨み、恨みを込めて舌打ちをしたのだ。そして、それはメイリスの耳にも届いていた。が、彼女はそれを低俗の妬みだと無視していた。その態度にアルゴライムが口を出そうと前に出ようとしたが、羽を広げたリリスの厚保に負け、羽を広げていないアルゴライムはそれ以上前に出ることはできなかった。
「……お言葉ですが、私たちクローバー家は鬼狼を誇り高くなど思っていません。私は確かに鬼狼で、貴女の元で鬼狼が誇り高き存在だと学んでいました。しかし、少なくとも鬼狼は全く誇り高くなどいません」
そのリリスの言葉にメイリスの笑みが破壊された。
「リリス……。撤回しなさい」
「今の言葉を撤回したところで私たちの考えが変わるわけではありませんがね」
「そこの吸血鬼に何を吹き込まれたのですか  」
そのメイリスの言葉に周辺で見物していた者はざわめいた。確かにメイリスは今、吸血鬼と言った。何故ばれた? そんなことは簡単だ。
「Bloodsmelling」(わからない人は一話を見てください)
アルゴライムが口を開いた。そして、怒りに燃えていた。
「ですよね? 鬼狼さん」
メイリスの顔は、再び笑みで道溢れた。しかし、優しさも穏やかさもなく、怒りと殺意のみがあった。
長かった。ただひたすら長かった。メイリス遠回しすぎで言うこと長いから疲れた(自分で考えてるけど)。単刀直入に言ってください。
そして、以前も書いたことがありましたが、コメント、何かありましたら何でも書いてください。
コメント
ノベルバユーザー601496
知らない単語やステータスに漢数字などちょっと違う感じがしていてキャラクターイメージが増しました!
たらもーど
良い
guju
面白かったです
guju
(。-`ω´-)ぅぃ(。-`ω´-)ぅぃデレデレ
美浜
面白かったです