【完結】女装男子のインビジブルな恋愛事情。

瀬野 或

■【一十三章 Please find me,】■


 地獄のような期末試験が幕を閉じた。

 翌日より三日間の休みがあり、短縮授業が三日続く。それが終われば八日間の試験休みとなり、終業式を終えて春休みが始まる。とは言えど、今はようやっと最後の試験が終わったばかり。

 学校中から疲労の溜め息が訊こえてくるようだが、一年三組も満身創痍で、ホームルームが終わってからも、教室でぐったりしている者が多い。うちのクラスのムードメーカーですら机に突っ伏して、

「やべ」

 とか、

「まじやべぇ」

 と、小さな声で嘆いていた。

 ……ああ、鬱陶しい!

 そんなに『やべぇ』なら、普段からしっかりこつこつ勉強をしていればいい。

 カラオケやファミレスに入り浸り、連日の如く馬鹿騒ぎしているのが悪いんだから、自業自得としか言えない。

 天野さんが僕にアドバイスを訊ねた翌日から、天野さんは行動に移していた。積極的に月ノ宮さんと絡むようになり、月ノ宮さんも蟠りが解けて喜んでいた。

 が、その一方で──

『やっぱり私は諦め切れません。優志さん、第二ラウンドと参りましょう!』

 と、再び僕に宣戦布告。

 よくも悪くも、いつも通りの月ノ宮さんが戻ってっきた。

 僕も胸のつかえが下りた思いだが、これで一安心とできないのはどうしてだろう。

 ……まだ、なにか燻っているような、漠然とした不安が僕の心を蝕んでいる。

 勘違いであって欲しい……でも、どうだろうな。終業式まで何事も無く、平穏無事な生活が送れたらそれでいいんだけど。

 これは贅沢な願いでもないだろう? 三億円が欲しいって言っているわけじゃないんだから。









 この度は『女装男子のインビジブルな恋愛事情。』にお目通しを頂きまして、誠にありがとうございます。

 もし『面白い』『応援してあげよう』と思って下さいましたら、☆マーク、♡マークを押して頂けますと、今後の活動の励みとなりますので、どうかご協力をお願いします。また、感想はお気軽にどうぞ。『面白かった』だけでも構いませんので、皆様のお声をお聞かせください。

 当作品は『小説家になろう』でも投稿しております。ノベルバの方が読みやすいと私は思っていますが、お好きな方をお選び下さい。

(小説家になろうとノベルバでは話数が違いますが、ノベルバには〝章〟という概念が無く、強引に作っているために話数の差が御座います。物語の進捗はどちらも同じです)

 最新話の投稿情報は、Twitterで告知しております。『瀬野 或』又は、『女装男子のインビジブルな恋愛事情。』で検索するとヒットしますので、お気軽にフォロー、リスインして下さい。

 これからも『女装男子のインビジブルな恋愛事情。』並びに、瀬野 或をよろしくお願い致します。

 by 瀬野 或

コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品