ちいさな神様の間違いで異世界に転生してしまいました
第29話ー時魔法
時魔法。はるか昔に存在したといわれる魔法で、禁忌魔法とも言われている。時魔法の適性属性は【時】なぜ、禁忌魔法と言われているのかと言うと、単純に強すぎるからだ。時魔法はその名のいうとおり、時を操れる。自在に、時を止めたり早くしたり、遅くしたりなど、戦闘において、最強の魔法と言っても過言ではない。
今のこの世界において、時魔法を操れるものはいない。それはなぜなのか。昔の人間達、獣人、そして魔族までもが、時属性に適性があるものを片っ端から殺していったからである。
属性というのは、遺伝により引き継がれる。親が持っていない属性を子が持つことはないとされている。だからといって、親が持っている属性を全部、子が引き継ぐことはほとんどない。大抵1、2個引き継げられればいいと言われている。なぜ、全部の属性を引き継げられないのかは未だに解明されていない。
それなのに、ユウは使ってみせた。時魔法を。失われたはずの禁忌魔法を。
実は、生き残りがいた? そして、その生き残りが子をなし、ユウが生まれた。だが、それならおかしい。もしそうなのだとしたら、なぜユウは私達の目の前で時魔法を使ったのか。もし、親が時魔法の使い手なら、必ず人前で使うなと言われるはずだ。
なのに、それなのに、ユウは使ってしまった。
「…あ…あの……?」
不安と…期待が入り交じったような声をあげる。…これは、違うわね。この子は、ユウは、時魔法が禁忌魔法というのが知らない。
「シエル、リュミナ」
「わかってるわ」
「うん」
だからなんだ。確かに時魔法は強大な魔法で禁忌魔法だ。今の時代、時魔法の存在を知られても、殺されはしないと思う。どちらかというと、戦争に利用される。それも、対魔族用に。
「すごいじゃないユウ」
「えへへ…」
近づいてきたユウの頭を優しく撫でる。やっぱり笑ってるユウは可愛い。最初会ったときは泣いてる姿だったし、勧誘するときも泣いてたし、王都に行くときだったわね。笑顔になってるのを見たのは。
「…ん? り、リリィ…?」
…さらさらできれいで、もちちもちとした頬にちいさな赤い唇…ふふ、可愛い……可愛いわね、本当に。
「あ…あの……」
ユウがなにやら焦っているけれどきにしない。それにその焦っている表情がまた…可愛い。
「ねえ、ユウ。…私といっみゃあ"!?」
ゴンっと、頭に何かを叩きつけられた。
「ユウが溶けてなくなっちゃうから終わり」
「りゅ、リュミナぁぁぁ…!」
ついにリュミナが手じゃなく、杖が出るようになってしまった。
「ごめん。ちょっと尋常じゃなかったから」
「あぅ……あぅあぅ……うぅ……」
ユウを見ると、顔を真っ赤に染めてうつむいている。…あ、なんか頭から湯気出ているような気がするわね。
「…なにも杖で叩かなくても」
まだ、若干頭がヒリヒリするわ。
「そういうのはお互い合意の上で、ね」
リュミナがなにやら変なことを言う。
「なによ。合意の上って。私はただ、ユウの頬触ってただけじゃない」
頬触わるのになぜ合意が必要なのかしら。まったくリュミナったら、
「リリィ気づいてないの? さっきユウにキスしようとしてたわよ?」
「…うっそぉ!?」
シートを敷いて、弁当を広げているシエルがとんでもないことを言った。…え?
「…ゆ、ユウ?」
ユウは顔を真っ赤に染めながら、リュミナの後ろに隠れる。
そして、その行動こそがすべてを物語っていた。
……やばい。嫌われたかもしれない。
今のこの世界において、時魔法を操れるものはいない。それはなぜなのか。昔の人間達、獣人、そして魔族までもが、時属性に適性があるものを片っ端から殺していったからである。
属性というのは、遺伝により引き継がれる。親が持っていない属性を子が持つことはないとされている。だからといって、親が持っている属性を全部、子が引き継ぐことはほとんどない。大抵1、2個引き継げられればいいと言われている。なぜ、全部の属性を引き継げられないのかは未だに解明されていない。
それなのに、ユウは使ってみせた。時魔法を。失われたはずの禁忌魔法を。
実は、生き残りがいた? そして、その生き残りが子をなし、ユウが生まれた。だが、それならおかしい。もしそうなのだとしたら、なぜユウは私達の目の前で時魔法を使ったのか。もし、親が時魔法の使い手なら、必ず人前で使うなと言われるはずだ。
なのに、それなのに、ユウは使ってしまった。
「…あ…あの……?」
不安と…期待が入り交じったような声をあげる。…これは、違うわね。この子は、ユウは、時魔法が禁忌魔法というのが知らない。
「シエル、リュミナ」
「わかってるわ」
「うん」
だからなんだ。確かに時魔法は強大な魔法で禁忌魔法だ。今の時代、時魔法の存在を知られても、殺されはしないと思う。どちらかというと、戦争に利用される。それも、対魔族用に。
「すごいじゃないユウ」
「えへへ…」
近づいてきたユウの頭を優しく撫でる。やっぱり笑ってるユウは可愛い。最初会ったときは泣いてる姿だったし、勧誘するときも泣いてたし、王都に行くときだったわね。笑顔になってるのを見たのは。
「…ん? り、リリィ…?」
…さらさらできれいで、もちちもちとした頬にちいさな赤い唇…ふふ、可愛い……可愛いわね、本当に。
「あ…あの……」
ユウがなにやら焦っているけれどきにしない。それにその焦っている表情がまた…可愛い。
「ねえ、ユウ。…私といっみゃあ"!?」
ゴンっと、頭に何かを叩きつけられた。
「ユウが溶けてなくなっちゃうから終わり」
「りゅ、リュミナぁぁぁ…!」
ついにリュミナが手じゃなく、杖が出るようになってしまった。
「ごめん。ちょっと尋常じゃなかったから」
「あぅ……あぅあぅ……うぅ……」
ユウを見ると、顔を真っ赤に染めてうつむいている。…あ、なんか頭から湯気出ているような気がするわね。
「…なにも杖で叩かなくても」
まだ、若干頭がヒリヒリするわ。
「そういうのはお互い合意の上で、ね」
リュミナがなにやら変なことを言う。
「なによ。合意の上って。私はただ、ユウの頬触ってただけじゃない」
頬触わるのになぜ合意が必要なのかしら。まったくリュミナったら、
「リリィ気づいてないの? さっきユウにキスしようとしてたわよ?」
「…うっそぉ!?」
シートを敷いて、弁当を広げているシエルがとんでもないことを言った。…え?
「…ゆ、ユウ?」
ユウは顔を真っ赤に染めながら、リュミナの後ろに隠れる。
そして、その行動こそがすべてを物語っていた。
……やばい。嫌われたかもしれない。
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