ちいさな神様の間違いで異世界に転生してしまいました
第21話ー説明
その場にいるのは1人の少女と倒れこんでいる1人の女性。そして、少女の体にはいくつもの赤い液体がついていた。少女は考える。なぜこんなことになったのか。どうして女性は倒れているのか。…いいや違う。わかってる。なぜこんなことになったのか。わかってる。どうして女性が倒れているのか。…わかってる。
受け入れられないのだこの現状を。
信じられないのだこの現状を。
「ああ……ああ……!」
少女は声をあげながら女性に近づく。その度に少女の体についている赤い液体がポタポタと地に落ちる。
「…おきて……おきて…よ……ねぇ…ねぇ!」
目から涙を流しながら、少女は女性の体を必死に揺さぶる。受け入れられないから、信じられないから、少女はきっとこれで起きてくれるだろうと思う。
「なんで…なんで起きないの…? 泣いてるんだよ私は…だから…起きてよ……」
…少女のちいさい口から呟かれたその言葉にも女性はピクリとも動かない。当たり前だろう。その女性はもう……死んでいるのだから。
背中には、するどい何かで切り裂かれた跡。そこから流れ出る大量の…血。
…いやだいやだいやだいやだいやだ。……死んじゃいやだ!!!
少女は叫ぶ。誰でもいい。誰でもいいから……助けてと。…だが、少女のその声に答えるものは誰もいない。
「ごめん…なさい……私の……僕のせいで」
少女は女性を抱き締める。
「…ごめんなさい。………………さん」
☆ ★ ☆ ★
翌日。召集がかかっているので10時くらいにギルドについた。場所はギルド裏の訓練所。訓練所ってどんなところだろうって思っていて気になったけど、よく学校にある校庭、グラウンドともいうかな? ともかく、そんな感じの場所だった。12時までっていってたけど、ここに来たときには、もうたくさん人がいた。
それと、昨日ミルフィリアさんが言ってたのは本当みたいで、今日ギルドに来ると、他の冒険者がすごいピリピリしてるような気がした。そりゃそうだよね。下手したら死ぬかもしれないし…
「なぁ、いったい何の召集なんだ?」
「俺が知るわけないだろ
「私だって知らないわよ」
「俺、後2回で昇格試験受けられるのに」
「「「「いや、終わってから依頼受ければいいだろ」」」」
訓練所にいる冒険者が色々と不満を言っている。確かになにも知らない状態だとなんで召集がかかるんだっておもうはず。それにここにいるにはDランク以下。もし、戦闘系な召集ならもっと上のランクの冒険者を集めるはずだって。
僕はもう知っているから騒がないけど、知らなかったら混乱するだろうなぁ。あと、誰かは知らないけど、依頼は確かにあとで受けられるでしょ。
それから数十分後。扉から入ってきた強面の男性を見て、ここにいる冒険者達が静かになる。そして、その男性の後から入ってきたのは、まさかのミルフィリアさんだった。
なんでミルフィリアさんも? と思ったけど、もしかして、昨日いなかったのは、今日と同じくここに来ていたからでは? ミルフィリアさん担当がCランク以上っていってたし。昨日はCランク以上召集してたから。
「あーまずは急な召集に集まってくれたことに感謝する。知っているとは思うが、俺はこのギルドのギルドマスターのザイックという」
ギルドマスター。言葉通りの意味ならば、このギルドの最高責任者。……やっぱり内容が内容だから、わざわざ出てきたのかな。
「俺は難しい言葉使うつもりはない。この街の近くの森、ラストヴェルの森に大規模なゴブリンの集落が発見された」
ギルドマスターのザイックさんから言われた言葉に、みんなが驚き戸惑っている。
「もしその集落が1つだけだったら何の問題もない。だが、今も集落近くで偵察を起こっている冒険者からの連絡を聞くと、どうやら大規模集落は1つじゃない。最低でも、20以上はあることがわかった。推定10万のゴブリンがいるだろう」
ミルフィリアさんにゴブリンの事は聞いていたから、そこはなにも思わないけど、その数に圧倒される。
10万…? なにそれ。桁がおかしい。
「あ、あの、こっちの! こっちの戦力は何人なんですか!?」
「…冒険者は俺とミルフィリアを合わせて35。それと、領主の兵士2800。王都からの増援が10万。合計で、10万2835人」
……ギリギリ勝っている…? でも……
「そ、それなら勝てますよね!?」
1人の男の声が聞こえた。だが、ザイックさんの顔は著しくはない。
「最低20以上。推定10万だ。つまり、それ以上の可能性があるということだ」
そう。確定ではなく、あくまで予想。
「それで、だ。王都の増援が4日後にはやってくる。そして討伐隊を編成し、各々ゴブリンの集落を潰していく予定だ。お前達には、その準備の手伝いや、回復魔法が使えるやつは、怪我して帰ってきたやつの治療等を頼みたい」
「これは緊急依頼として、受けることになり、報酬は参加したやつに金貨10枚。成功したら、金貨30枚が王都から支払われる。もちろん1人あたりだ。原則、Dランク以下はギルドからの緊急依頼を受ける義務はない。…ない、が、どうか受けてくれると助かる」
そう言ってザイックさんは頭をさげる。それを見たみんなはさらにざわざわと騒ぎ始める。ギルドマスターほどの人が頭までさげるほどこの状況が如何にヤバイ状況なのかがわかる。
僕は受けるつもりはあるけど、みんなはどうするのだろう。
「……俺は…やるぞ!」
「…俺もだ。それに参加するだけで金貨10枚だぞ」
「私もやるわ。どのみちここがなくなったら死ぬだけだし」
「そうだね。やるだけやってみよう」
「俺も!」「私も!」と参加意思を示す者や、「私、ヒールしか使えないですけど、がんばります!」などといった声もあがる。
「助かる。後の説明はここにいるミルフィリアが担当する。よく話を聞くようにしてくれ」
そうしてザイックは訓練所から出ていった。
「ミルフィリアです。よろしくおねがいします。それではさっそく今から班分けをします。まず…………」
ミルフィリアさんによる説明と班分けが行われる。僕は魔法が使えないので、物資補充班になった。仕事は、基本的街の入り口か商業ギルドに待機。帰ってきた冒険者や、兵士の人たちが街の入り口に置いてあるポーションや、壊れた装備などをそこで補充し、また出発。そしてなくなってきたら、商業ギルドから物資を街の入り口に持っていき補充する。商業ギルドにいるのは、体力のある男の冒険者が、街の入り口には、女の冒険者が多く配置される。まぁ、帰ってきた女の冒険者や兵士に男が見るのはちょっとアレだからだと思うから、この分け方なんだろうけど。装備ボロボロになってる人とか来そうだし。
2時間ほどに及ぶ説明をされ、今日は解散になった。
受け入れられないのだこの現状を。
信じられないのだこの現状を。
「ああ……ああ……!」
少女は声をあげながら女性に近づく。その度に少女の体についている赤い液体がポタポタと地に落ちる。
「…おきて……おきて…よ……ねぇ…ねぇ!」
目から涙を流しながら、少女は女性の体を必死に揺さぶる。受け入れられないから、信じられないから、少女はきっとこれで起きてくれるだろうと思う。
「なんで…なんで起きないの…? 泣いてるんだよ私は…だから…起きてよ……」
…少女のちいさい口から呟かれたその言葉にも女性はピクリとも動かない。当たり前だろう。その女性はもう……死んでいるのだから。
背中には、するどい何かで切り裂かれた跡。そこから流れ出る大量の…血。
…いやだいやだいやだいやだいやだ。……死んじゃいやだ!!!
少女は叫ぶ。誰でもいい。誰でもいいから……助けてと。…だが、少女のその声に答えるものは誰もいない。
「ごめん…なさい……私の……僕のせいで」
少女は女性を抱き締める。
「…ごめんなさい。………………さん」
☆ ★ ☆ ★
翌日。召集がかかっているので10時くらいにギルドについた。場所はギルド裏の訓練所。訓練所ってどんなところだろうって思っていて気になったけど、よく学校にある校庭、グラウンドともいうかな? ともかく、そんな感じの場所だった。12時までっていってたけど、ここに来たときには、もうたくさん人がいた。
それと、昨日ミルフィリアさんが言ってたのは本当みたいで、今日ギルドに来ると、他の冒険者がすごいピリピリしてるような気がした。そりゃそうだよね。下手したら死ぬかもしれないし…
「なぁ、いったい何の召集なんだ?」
「俺が知るわけないだろ
「私だって知らないわよ」
「俺、後2回で昇格試験受けられるのに」
「「「「いや、終わってから依頼受ければいいだろ」」」」
訓練所にいる冒険者が色々と不満を言っている。確かになにも知らない状態だとなんで召集がかかるんだっておもうはず。それにここにいるにはDランク以下。もし、戦闘系な召集ならもっと上のランクの冒険者を集めるはずだって。
僕はもう知っているから騒がないけど、知らなかったら混乱するだろうなぁ。あと、誰かは知らないけど、依頼は確かにあとで受けられるでしょ。
それから数十分後。扉から入ってきた強面の男性を見て、ここにいる冒険者達が静かになる。そして、その男性の後から入ってきたのは、まさかのミルフィリアさんだった。
なんでミルフィリアさんも? と思ったけど、もしかして、昨日いなかったのは、今日と同じくここに来ていたからでは? ミルフィリアさん担当がCランク以上っていってたし。昨日はCランク以上召集してたから。
「あーまずは急な召集に集まってくれたことに感謝する。知っているとは思うが、俺はこのギルドのギルドマスターのザイックという」
ギルドマスター。言葉通りの意味ならば、このギルドの最高責任者。……やっぱり内容が内容だから、わざわざ出てきたのかな。
「俺は難しい言葉使うつもりはない。この街の近くの森、ラストヴェルの森に大規模なゴブリンの集落が発見された」
ギルドマスターのザイックさんから言われた言葉に、みんなが驚き戸惑っている。
「もしその集落が1つだけだったら何の問題もない。だが、今も集落近くで偵察を起こっている冒険者からの連絡を聞くと、どうやら大規模集落は1つじゃない。最低でも、20以上はあることがわかった。推定10万のゴブリンがいるだろう」
ミルフィリアさんにゴブリンの事は聞いていたから、そこはなにも思わないけど、その数に圧倒される。
10万…? なにそれ。桁がおかしい。
「あ、あの、こっちの! こっちの戦力は何人なんですか!?」
「…冒険者は俺とミルフィリアを合わせて35。それと、領主の兵士2800。王都からの増援が10万。合計で、10万2835人」
……ギリギリ勝っている…? でも……
「そ、それなら勝てますよね!?」
1人の男の声が聞こえた。だが、ザイックさんの顔は著しくはない。
「最低20以上。推定10万だ。つまり、それ以上の可能性があるということだ」
そう。確定ではなく、あくまで予想。
「それで、だ。王都の増援が4日後にはやってくる。そして討伐隊を編成し、各々ゴブリンの集落を潰していく予定だ。お前達には、その準備の手伝いや、回復魔法が使えるやつは、怪我して帰ってきたやつの治療等を頼みたい」
「これは緊急依頼として、受けることになり、報酬は参加したやつに金貨10枚。成功したら、金貨30枚が王都から支払われる。もちろん1人あたりだ。原則、Dランク以下はギルドからの緊急依頼を受ける義務はない。…ない、が、どうか受けてくれると助かる」
そう言ってザイックさんは頭をさげる。それを見たみんなはさらにざわざわと騒ぎ始める。ギルドマスターほどの人が頭までさげるほどこの状況が如何にヤバイ状況なのかがわかる。
僕は受けるつもりはあるけど、みんなはどうするのだろう。
「……俺は…やるぞ!」
「…俺もだ。それに参加するだけで金貨10枚だぞ」
「私もやるわ。どのみちここがなくなったら死ぬだけだし」
「そうだね。やるだけやってみよう」
「俺も!」「私も!」と参加意思を示す者や、「私、ヒールしか使えないですけど、がんばります!」などといった声もあがる。
「助かる。後の説明はここにいるミルフィリアが担当する。よく話を聞くようにしてくれ」
そうしてザイックは訓練所から出ていった。
「ミルフィリアです。よろしくおねがいします。それではさっそく今から班分けをします。まず…………」
ミルフィリアさんによる説明と班分けが行われる。僕は魔法が使えないので、物資補充班になった。仕事は、基本的街の入り口か商業ギルドに待機。帰ってきた冒険者や、兵士の人たちが街の入り口に置いてあるポーションや、壊れた装備などをそこで補充し、また出発。そしてなくなってきたら、商業ギルドから物資を街の入り口に持っていき補充する。商業ギルドにいるのは、体力のある男の冒険者が、街の入り口には、女の冒険者が多く配置される。まぁ、帰ってきた女の冒険者や兵士に男が見るのはちょっとアレだからだと思うから、この分け方なんだろうけど。装備ボロボロになってる人とか来そうだし。
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