天才の天災

春夜

桜花の母、狐

「ーーーーーーーーーー!」
「ーー。ーーーー。」

何やら2人の言い合いが聞こえる。
「んぁ...ふわぁ...」
「ボス。おはよーさん。」
ミネアがスっとレンの耳に当てていたであろう手を退ける。
「...やっぱり、起こしちまったかい?」
「あぁ。」
騒々しい方に目を向けると、
言い合っているのは桜花とココだった。
ミネアによるとレンの強さを体感した
桜花は、母親を部屋に呼ぼうとしているらしい。
「ご主人様の部屋に無断で誰かをお招きすることは出来ません!」
というのがココの言い分のようだ。

「なぁ、頼むわ!レン!
ワシのおかん、母親にいっぺん会うてみてくれや。」
新婚?
元の世界で親に挨拶をするシチュエーションを考えていたらそんなことが頭をよぎった為、「...ないわ。」と1人で呆れていた。
「ワシの母親はな、ちと変わっとるがめっちゃ強いんじゃ!そんで、ワシの母親も
自分より強い奴を欲しとる!
お前と似とるじゃろ!1回だけで構わへん!」
「会う分には構わねぇよ。
俺から会いに行くことは無いからな。」
「ほんまか?!すぐ呼ぶわ!!」
桜花はガサゴソと懐から1枚の紙切れを取り出す。
それを上に飛ばすと途中でピタリと止まり、紫色の炎が紙を焼き尽くした。
「なんだ?今のは。」
「あぁ、今のはワシの母親の魔道具みたいなもんじゃ。あれは言うたら扉みたいなもんじゃ。いろんな場所には見えへん廊下で繋がっとってな?双方の扉を開くことで
行き来できる通路になるんじゃ。」
手間のかかるゲートみたいな感じか...
「あんたの母親ってどんな人なんだい?
あんたが強いって言うんだし、ちょっと気になるねぇ。」
「ワシの母親か...一言で言うなら...」

「化け狐じゃ。」
突如ゲートが開き、中から狐と人のハーフみたいなのが出てきた。
「お前さんがディーオ、レンくんやね。」
レンの中でこの狐の警戒レベルが少し上がった。
レンは披露戦の前にレンのことを知ってるやつの記憶をディーオにいじり、披露戦が終わったあとは元に戻しておいた。
これで勇者にレンという人物がいることを悟られず、勇者のみが、この披露戦にディーオという人物がいると思いこんでいる結果になっているはずだ。
勇者以外の口からディーオという名前が出てくることはまずない。
そもそも、俺はこいつの記憶をいじってはいない。

ミネア達にもこの事は伝えている為、
全員戦闘態勢に入っていた。

「そんな怖い顔せんといてや。
うちはただお前さんに会いに来ただけやよ?」


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コメント

  • 白堊

    面白い!
    この作品すきです!

    2
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