天才の天災

春夜

死の覚悟

「おいおい、ミネア様はどうしたんだ?
今までは速攻で間合いを詰めていたのに...ディーオって奴と向き合ったままもう10分以上経ってるぞ?」
「バーカ。ミネア様はお優しいからな。
恐らく、召喚獣を使わないと言って勝負を諦めた相手をどうやってリタイアさせるか考えているんだろう。」
「おぉ、なるほど。さすがミネア様。
寛大だ!!」

そんな観客の考察は当たることは無く、
ミネアの頬を汗が伝う。

〜ミネア視点〜
「はぁ...はぁ......」
(頭の中で何回攻め込んでも一撃で死んじまう...まったく、予想してたより遥かに強いじゃないか...ボス...)
「どうした?来ないのか?」
(あたしには近接しかないから間合いを詰めたいのはやまやまなんだけどねぇ...
かれこれ100回は死んでる...かね...)
「すぅー......はぁぁー。」
(いや、あたしがボスの裏をかくことなんか出来るわけもない、か。
死ぬ覚悟なんて、とっくに出来てたんだけどねぇ...足の震えが止まんないよ...
ボスに先手を取られたら反撃は厳しいし、やっぱり攻め込むのが最前みたいだね...)
「待っててくれてありがとよ、ボス。
もう、大丈夫さっ!!」

ミネアがディーオに正面から突っ込む。
ディーオが左手に長剣を創り、横薙ぎに払う。
「フッッ!!!」
それに合わせてミネアはディーオの頭上を飛び越え、背後をとる。
そして大剣を振ろうとして、止める。
振っていた大剣を地面に突き刺し、
それを支えにしてディーオに蹴りを放つ。
いつの間にか長剣を空間魔法にしまい、
短剣でカウンターを合わせようとしたディーオの不意をつき、見事蹴りが当たり吹き飛ばされる。
大剣で攻撃していれば、間違いなくやられていただろう。
が、ディーオは直ぐに体勢を立て直して少し離れた位置に着地する。
「ハハッ、ハハハッ!
やっぱりお前らを選んで良かった。
正直、想像以上だ!
少し本気になっても良さそうだな...」
ディーオは両手合わせて10個している指輪のうち、左薬指の指輪を外す。
「...それは封印道具だったのかい...」
「あぁ、お前らは知らなかったな。
俺がタナトスになった時にリズの意見を元に作った。10個の指輪にはそれぞれ違う封印魔法が込められている。
今外したのは...」
目を離したわけではなかったが、ディーオの姿が消えた。
「なッ!!!」
「脚力を4割封印する魔道具だ。
これを2つ付けているから、普段は8割封印している状態だ。」
ミネアが声のする方を向くが、遅い。
ディーオが後ろに回り込み、お返しとばかりにミネアを蹴り飛ばす。
「ッぐぁ!!!」
砂煙を上げてフィールドの壁に直撃する。
「...ゴホッゴホッ!ガハッ!!」
ミネアの口から血が吐き出される。
「おいおい、これで終わりか?
俺はお前の成長が見たい。終わりなら殺すし、まだあるなら出してみろ。」
「そうするよ...出し惜しみしてたら...
このまま死んじまいそうだしねぇ...
ゴホッ!」

「半龍化」
ミネアはシズクと闘った時と同じ姿になる。
「へぇ、龍化にはそんなのもあるのか。
ん?」
恐らくディーオの蹴りで内臓が潰れていたようだったが、顔に血色が戻ってきた。
「再生、いや、自然治癒の向上か。」
「あたしの奥の手はこれが最後だよ。
まぁ、シズクにも使っちまったんだけどね...」
「そうか。なら、終わらせても問題ないな。」
「あぁ。これがあたしの全力だよ!!!
はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
ミネアが空気を震わせるような咆哮をあげる。
「来いよ。全部受けた上で、殺してやる!」

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コメント

  • 白猫

    すごい面白いこんなに面白いの久しぶりです次の話も頑張って下さい

    3
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