天才の天災

春夜

ディーオ、宣言

「マスター。桜花が勝ったようです。お次はマスターとミネアの番ですよ。」
「そうか。」
レンはまだ寝足りない体を起こして
フィールドに向かう。
(やっとだ。あぁ、長かった。
あいつを拾った時から、もう結構待った。
元々強かったあいつを、わざわざ今まで
訓練を積ませてさらに強くした。
あいつなら、少しは楽しめそうだ。)
不敵な笑みを浮かべながら、暗い通路を歩く。
そしてフィールド目前でピタリと止まる。
「レン。」
「...桜花。」
「わしは勝った。次はお前とのバトルじゃ。」
「そうだな。」
「お前は他の奴らの試合は全く見てないそうじゃな。」
「見たら面白くなくなるからな。」
「余程の自身じゃ。」
桜花の横を通り過ぎ、フィールドに出る。
「あいつとは本気のバトルがしたかったんで、殺す気で来いよとでも言うてやるつもりじゃったんじゃがな...」
桜花の膝がくの字に折れてその場にへたり込む。
「...なんじゃ?あの顔...。久しく母親より恐ろしい奴には会うてなかったのぅ。
あいつは悪魔か...」
桜花は震える足を何とか踏ん張り、
観客席に戻る。
「その方が楽しみじゃ!!」
ドクン!!
桜花の胸が高鳴るのとは別に、
もうひとつの鼓動が僅かに激しくなった。

「さぁぁぁてぇ!!!!!!!
トーナメントもいよいよ終了間近となりましたぁ!決勝戦に先に駒を進めたのは桜花選手!そして、残りの一駒を決める戦いを今始めましょう!!
ミネア選手VSディーオ選手。
どちらが勝ってもおかしくないマッチングとなりました。
1試合目同様、試合前に各選手のプロフィールを読ませていただきます。
ミネア選手は竜人族で、主に体術や、大剣を使った闘いを得意としているようです。聞くところによると、ミネア選手とシズク選手、そしてお相手のディーオ選手は3人ともあのエギル学院長直々の推薦入学ということがわかりました!
そしてディーオ選手。
彼は今までの試合では全て召喚獣によって勝ち上がっています。我々が見たことも無い召喚獣ばかりですが、侮れない実力者でしょう。
ミネア選手とシズク選手はディーオ選手の事をマスター、ボス等という呼び名で呼んでいるという情報を耳にしました。
主従関係のようなものだというコメントを、ディーオ選手と同室の桜花選手から頂いております。
そして最後に、ディーオ選手からのコメントが入っております。」

「ーーこの試合で、召喚魔法は使わない。」


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